第22話 ビーチと魔界
朝7時。合宿当日を迎えたユウ達は駅に集合する。
「転移できりゃあ楽なんだけどな」
「仕方ないよ・・・会長は悪魔だって知らないんだから」
「ま、そうだな。そうだといいんだけどな・・・」
「集まったようですね」
「あんたが一番最後よ」
数分遅れて会長であるマコが現れる。
「ではいざ、伊豆へ!」
「話聞け!!!」
電車を乗り継ぐこと約2時間、学校が所有する合宿所に着いたユウ達は各自割り当てられた部屋に荷物を置き、水着をきてビーチへと集まる。
「ではまずビーチバレーで人間を研究します」
「ビーチバレーで人間の何が分かるんだよ!!」
「それはチームワークです。最もあなた達に足りないものですね」
あなた達にもはやネネも混ぜられている。
「魔界の悪魔でもチームワークはあったってのによ・・・」
ユウは聞こえない声で呟いて
「わかったよ、どうチーム分けするんだ」
「そうですね・・・私とネネさんはあなた方2人と違って人間関係にさほど苦労していませんから陰と陽で分かれましょう」
「すげえムカつく言い方だな・・・しかしまあそのほうが好都合だ」
「そ、そうかしらね!!そそそその通りだわ」
なぜか動揺するハルカだがユウはハルカにしか聞こえないようにして
「魔界軍チームなら散々連携してたからな」
「・・・・」
「なんだよ・・・」
「今は吸血できないから感謝しなさい・・・」
そういうとムスッとした顔でそっぽを向いてしまった。
「もしかしてあれか?水着を褒めなかったからか?」
少しだけ牙が伸びかけたハルカにユウは震える。
「あとで一滴も残らず吸うわ」
笑顔でユウにしか感じない負力を放出する。
「うん、悪かった」
波乱の合宿一日目はバレーが白熱し、夕方まで素潜りできれいな海を堪能し終った。
「ちょっと僕一度魔界へ戻るよ」
ペンションで自宅警備をしていたスウが珍しく昼前に起きてマリカに告げる。
「はえ?なんでよ」
日本に来た悪魔で初めて魔界へ戻るのは一番予想できないスウだった。
「まあ、気になることがあるのと確かめたいことがある・・・からかな。マリカの手は煩わせないさ。長くて6日後には帰るから」
そう言うが早いがスウは負力を解放し、転移していった。
「ほんとに勝手ねえ・・・」
「特に何も変わってないな」
魔界へ転移したスウは軍本拠地から周りを見渡していた。
本拠地付近の街並みに大きな被害はないが、地方には戦争の爪痕が覗える。
「やっと戻ってきた幹部がまさか貴様だけか、スウ」
「まあいつもの気まぐれだよ」
後ろから聞こえてきた声に首だけ向けて答える。
「貴様らの気まぐれで軍はどんどん追い込まれているというのに」
「別に今に始まったことじゃないさ。君は知らないかもしれないが軍ができ始めた頃から魔界は落ちかけてたしね。まあそれが発足の理由と言えなくもないけど」
「ふん・・・第4軍、第7軍の壊滅に次いで貴様の第5軍も劣勢になりつつあるぞ」
「そうなると思ったから戻って来た。第四軍の幻覚魔術がなくなった今、もはや時間の問題だからね。今回は僕も戦場に出向くよ」
「このまま放っておけば次に壊滅するのは第5軍だからな」
「戦争関係もそうだがあともう一つ、どちらかというとこっちが重要なんだけど君に会うためだ」
「ほう、なんだ」
「今日から起算して5日間天界軍の情報が欲しい。これは君にしかできないからそれを頼みに来た」




