第17話 日本のくだらない常識なんて気にする必要がない
「部活設立が叶ったのはいいがまさか合宿をさせられるとはな」
ユウは帰って早々愚痴をこぼす。
「やっぱり会長引き込んだのは失敗だったんじゃないの?」
「考えてみれば生徒会長になるような行動力のある奴だからなあ」
マコが何を目的として加入し、合宿なんて計画しているかは皆目検討もつかない。
そもそもマコの言葉を信じるならばユウ達の監視が目的であってわざわざ夏休みまで拘束する必要があるのだろうか。
「あたし達が普通の人間とズレてるからこんなふうに強制されるのかしらね・・・会長は正体をしらないから日本人だと思ってるし」
「あのさあ、僕人間部をやりだすって言う時からずっと思ってたことなんだけどさ」
黙って聞いていたスウが突然話し出す。
「君たちが日本で生きていこうとすることは全然構わない。むしろ僕だってそうしたいと思っている。でも君たちが普通の日本人と合わせる必要がどこにある?」
「そりゃあお前日本で生きていくんだから・・・」
「君たちに限らず本当の日本人もだ。どうして周りに迷惑を掛けないように、周りに合わせるようにというのが本当にわからない」
スウは続ける。
「あげくに人と違うことをズレているなんていう始末だ。個性が大事なんて表向き言いながらも個性的なのは浮いた目で見る」
「何が言いてえんだよ・・・」
「生きにくくないか?ってことだよ。そのままの自分でいいじゃないか。なんで誰かに合わせて自分を殺す?」
「・・・・」
「そもそも人なんて生きてるだけで誰かに迷惑をかけるんだ。『迷惑をかけるな』じゃなくて他人のかける迷惑を許せる人間になりなよ」
「お前たまにいいこと言うな・・・」
「たまには、は余計だよ。『大衆と違うズレた人間』が世の中の常識を変えていくのさ」
「まあ確かに、日本で生きてくとは言っても元々悪魔の時点で人とズレてんだから今さらだな」
「だいたいそれは間違っているって言われたからって多数の人間が言うことが合ってるなんてことにはならないだろう?方言が地域によって違うのと同じで隣の県に行くだけで常識なんて変わるもんだよ」
「・・・なんかお前に元気づけられるとは思わなかった」
「そうだろ。つまり何言いたいかって言うと僕がニートしてるのは個性でありありのままの自分だ!だから許してくれよな♡」
「それは違え!」
「それは違うわ!」
「それは違うと思うなぁ」
人生とはなんぞやということについて考えさせられたスウの言葉はニートするための口実なのか心から思っていることなのかはスウ本人にしか分からない。




