第13話 ハートマーク付き
「起きてー」
マリカの声でネネは目を覚ました。
「あれ、寝ちゃってました?」
いつの間にか寝ていたマリカは不思議そうに起きる。
実はついさっき魔界のストラス族であるスウと会っているのだがその記憶はきれいさっぱりと無くなっているようだ。
「別に眠くなかったんだけどなあ・・・」
狐につつまれた様な気持ちを抱きつつ帰り支度を始めた。
「今日は俺が送ってくわ」
部活設立の言い争いは終わったようでネネの帰宅にユウが付き添う。
ユウの転移魔術や飛行魔術は他人に発動させる場合、対象と体の一部が接触しなければならない。
ユウに恋しているネネは毎回手を握らねばならなかった。
「じゃ、行くか」
そして二人はゆっくりと浮き上がり、ネネの家に向かって空を飛んでいった。
「結局部活はどうなったの?私にできることはなんでも協力するけど」
友達の多いネネだが幸いにも部活に加入していないので入部することは可能だ。
「ああ、助かるよ。一応方針は決めたが残り1人・・・俺らの目的は別に活動するわけじゃないから極論人数合わせで加入してくれりゃ
それでいいんだ。部活に顔を余り出せなさそうな奴を明日あたってみようと思ってな!」
「何をしているのですか?」
「土下座だ」
ユウは登校してすぐに生徒会長を捕まえ土下座をしていた。
「頼む、会長が入ってくれれば4人揃うんだ!もちろん生徒会の仕事を優先してくれていい!」
「・・・で、何部に決めたんですか」
「人間研究部だ!」
「チャラ男の考えてることはさっぱり分かりませんね。どうせ体を研究させろとか言いがかりをつけてはしたない行為をするのが見え見えです」
「そんなんじゃねえ!・・・この部の活動目的は人間を研究して人間らしい生き方とは何か?を考えることだ!様々な活動を通して人間関係の作り方を学ぶ!」
「あなたはともかく会長の私が入る必要性が見当たらないのですが?」
「ああ。生徒の投票で決まる生徒会長が加入する必要は一見ないように思える」
「だが俺はそんな会長にお手本として加入していただきたい!!」
情熱的に語りかける。
「部員は俺ともう一人コミュ障女一人、それから同学年で陽キャの女子を一人加入させた!」
「陽キャという単語の意味は分かりませんが・・・」
「よく分かんねえまんま過ごして後から後悔すんのはもう嫌なんだよ!」
マコは意外そうな顔をしてユウを見下ろす。
「だから頼む」
ユウは顔を上げた。
「え、ハート?ぐぶはぁ!!」
マコはユウの顎を強かに蹴りつけた。土下座から顔を上げたユウは制服の短いスカートからこんにちはしたパンツ、ハートのイラストが散りばめられた
少女趣味全開である生徒会長の深淵を不用意にも覗いてしまったようだ。
「・・・・見ましたね?」
会長は悪魔のように怒り出す。
「いや、事故だ事故!!!事故なんだって」
「いいでしょう。不埒もののあなたを監視する必要がありそうです。この生徒会長マコが部長になる・・・それが条件で入部して差し上げます」
「まじか!」
「まじです」
失敗を覚悟したが思わぬ展開でマコの同意を得られた。
「ありがとな会長!これからよろしく!!!」
そういって手を出す。
「なんのつもりですか。申請用紙はあとで取りに来てください」
「ちげえよ、握手だろ。こういうときは」
「そういって女子の手を握るつもりですか」
「断じてちげえ!」
「ま、いいでしょう。慣れあうつもりはありません。怪しい行動は控えるように」
ユウの握手を無視してすたすたと行ってしまう。
「人間研究部、設立成功だな」




