第12話 オッケー魔導書
「だから部名以前に四人必要だって言ってんだろ!ネネが協力してくれたとしても3人しかいねえじゃねえか!」
「じゃあ作り出しなさいよ!この際残像でもいいでしょ!」
「残像だと俺が二人になっちまうだろ!」
「じゃあ適当な生徒に洗脳魔術でも掛けて下僕にしなさいよ!」
「俺だってそれは考えたけどそいつの学校生活すべて奪うことになんだろうが!」
「なによむしろ部活でイベントが楽しめるじゃない!その子も光栄でしょうが!」
「くそ・・・脳内で天使と悪魔がどっちにするか決めかねてやがる!」
「元々天使と悪魔でしょうが」
「いつもに増して騒がしいですね」
ネネはマリカの部屋で課題をやっていたのだがリビングにいるユウとハルカの言い争いが二階にまで聞こえてくる
「そうねえ。これだとネネちゃん課題に集中できないわぁ。ちょっとなだめてくるね」
そう言ってマリカは部屋を出る。
「はーもう答え見ちゃおうかなあ。今日はなんだかやる気しないし・・・ん?」
答えを出そうと鞄に近づいたとき、ミニテーブルの下にマリカが所有している魔導書があった。
「これ、マリカさんしまい忘れてるのかな」
魔女の持つ魔導書は魔界のあらゆる知識を教えてくれる。ネネは魔界の事を何度か聞いたことはあるものの肝心な所でいつもはぐらかされてしまっていた。
「ちょっとだけなら・・・でも負力がない私に反応するかな」
ネネはマリカが発動させたときの事を思い出し
「お、オッケー魔導書・・・堕天使について教えて」
ユウの事をもっと知りたい・・・そんな思いから魔導書に語りかけた。
『堕天使。魔界の悪魔の一種である』
「反応した・・・!」
『堕天使については謎の部分が多い。負力と聖力両方のエネルギーを扱える稀有な存在。広義的には2種類の堕天使が確認されている。
そしてどちらも個体としてはそれぞれ1個体の計2個体しか確認されていない』
「2個体・・・1個体はユウくん・・・?」
『まず天界から魔界に移住した者。こちらは聖力エネルギーを主なエネルギーとし約800年前に堕天使の始祖』
「それはさすがによろしくないなあ」
「!!」
音もなく突然振ってきた声にネネは驚いて振り返る。
魔導書を使ったことが見つかってしまった!
しかし声の主はネネの知っている人物ではない
「人間の君がまさか魔女の魔導書を発動させるとはね・・・僕は魔導書に詳しくないから分からないが人間にも使えるものなのか
もしかして君がマリカの負力に影響されているのかどっちだろうね」
今まで経験したことのない胸騒ぎを覚える。直感的に悪魔だと分かった。
ポンチョに身を包み肩まで伸ばした艶のあるストレートなセミロングヘア。大きな瞳。イケメン、美少年といえる中性的な声と顔立ちだった。
「ご、ごめんなさい・・・こ、好奇心で使ってしまいました・・・まさか反応するとは思わなかったんです!」
胸騒ぎどころではない。明確な恐怖に震えが止まらない。
「ひとつ忠告しておこう。あんまり魔界のシークレットには近づかないほうが身のためだよ」
そういって謎の美少年は背を向けドアに向かう。
「あ、そういえば僕の自己紹介がまだだったね」
思い出したようにそう言うと背を向けたままぐるん、と首から上だけがこちらを向いて
「僕はスウ、よろしくぅ」
そう言うと目が光りネネは意識を手放した。




