コレクター
面白がってくれたりすると嬉しいです。
はじまりは一冊の動物図鑑だった。そこから国語辞典、百科事典と進んでいき、稀覯本、世界に数冊しかない本へと及んで、ホンモノが欲しくなった。そこでひとつの街を、惑星を集めはじめ、宇宙へ到達した時点でそれだけでは飽き足らなくなっていた。そこで、ファムファタル、森羅万象あたりを集めだしたが一にして全を持っているコレクターが羨ましくなり、悔しくなって無限へと手を出したがすでに所有者がいる。そこで絶対、奇跡、物語等も手がつけられていたので、結局は集めるのを諦めた。聞くとクリエイターの一団や対極の無の一団がいるという。コレクターをコレクターも出来ないので、わたしに出来るのはせいぜいコレクションになることぐらいだ、と行き着いた。ところがどうしてもどうしても得心がいかない。あいだにいるのもシャクだし、ついにはとうとうと湧き起こる感情のエネルギーそのものになって、終わりのない喜びを手に入れることができた。
これが一番、しっくりきた。一生懸命存在するのだ。それがコレクションよりも価値があることに気がついてしまった。
ときおり夢にも見る、今となってはどうでもいい、これがかつての良き思い出です。
ーーーどうも彼ら彼女らは本当に蒐集しているのではなく、ごっこ遊びのようなものとしてとらえられている。すべてはかたちをなぞってでのことなのだ。それは必然のようでいて偶然の戯れとも取れる。見るものの数だけ真実があるのだろう。記述では書き表すことはできず、ただ表されたことだけが顕さられる。
よってここには限られた観測のみがあるだけである。
どちらも含み含まれるとあっては、ただ想像のみが許され示せる可能性なのである。
無記、なのかもしれない
ただ読み専でいるのも何なので投稿しました。
これからは読ませていただきますのでよろしくお願いします。