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道具箱とんでもライフ   作者: 海の男
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必要なのは

いきなり飛ばされた上に常識が通用しない暗闇って怖くね?

あれ?僕は……寝てしまったのか?と、言うかまだ夢の中なのか?なんだが……すごく心地いい……暖かくて…………優しい…………毛布でくるまれてるような…………とても安心できる。この感じ……覚えがある……昔……おんなじようなことが…………あったきが………………姉さん……そうだ姉さんに会いたいな。





目が覚めた。なにか懐かしい夢を見ていた気がする。

暖かくて優しい夢、自分のなかで、とても大切なはずの思い出、そんな感じのものだった気がするがはっきり思い出せない。まだ頭が、思考がはっきりしないが、そのうち思い出すだろう。

周りを見渡し昨日と場所が変わっていないことを確認したところで、自分自身の違和感に気づいた。

体の重心がおかしい、うまくバランスがとれない、胸がでかい。たしかに部活のおかげで筋肉はついていた。もちろん胸襟もしかし明らかに違う。でかいし何より柔らかい。

(…………なんだこれ…………いやまて!?本当になんだこれ!?どうなってんだ!?はぁ!?おんな!?明らかにこれそうだよな!?男にはないはずのあれだよな!?)


[少年(?)確認中]


(よし!確認終わり!情報を整理しよう。まずこの体は間違いなく僕のものだ。昔、怪我した古傷は、ちゃんと同じところに残ってた。そして問題の追加パーツだけど……………………なんとビックリ上だけだと思ったら、下までついてたんだけど…………もう…………笑うしかない。しかもだよ、女の子になったってことは、あれがなくなるんだと思ってたんだけど…………普通にあるんだよね。うん。………………こういうの何て言うんだっけ、両性具有?なにかな?四字熟語かな?なんかもう、これどうすればいいのかな?…………誰か助けてください。)


悩んだ、もう本当に空腹感も喉の乾きも忘れるくらいに、ひたすらに悩んでいたようだ、相当な時間が立ったんだと思う。結論として、僕は僕だ。早乙女 心は男だ。そこに間違いはないしそこを疑ってはいけない気がする。なのでどうにもならない今は考えても仕方ない。よって、解決策が見つかるまで、僕は今までの僕らしく振る舞うことにした。

まぁ、正直な話、男らしく振る舞うと決めたところで、

(現状、僕以外に人がいる感じしないんだよね。)

違和感には当初から気づいていた。体が動かないときに、まずは誰かに助けてはもらえないかと待っていた。周りを見渡しては見るが、人影も何もなく、音すらしない。体が動かず、今いる場所もわからず喉の乾きと空腹感ばかり募っていくのはなかなかに精神をガリガリと削っていく、さっき倒れるように意識を失ったのも緊張の糸が一瞬の安堵によって切れてしまったのかもしれない。

(あとはまぁ、この景色だろうな~、暗いし所々が歪んでいて目がとてもつかれる。)

目を閉じ、目頭をグリグリしていると、ふと気づく、自分は今目を閉じて手でも目を塞いでいる。だがなぜ……周りが……周りにあるものがわかるんだ?

なんなら、目を開けているときより、どこに、どんなものがあるのか、輪郭すらはっきりわかる。


「なにこれ気持ち悪い。……ウッワ、すごく遠くまでわかる!」


意識を向けると、向けた方向のもの、その形がよりはっきりと知覚できる。

そして知覚したとことにより、わかった。わかってしまった。

この自分がいる空間の途方もない広さに、上下左右前後、どこにも壁に当たらないほど続いているとこに。


「…………っつ!!」


できる限りの集中して見たが、あまりの広さに絶句すると共に、唐突な頭痛に襲われる。


(……集中の限界?もしくは……脳の処理の限界……なのかな?…………どちらにしろ、これ以上はムリをしない方が良さそうだ。…………………………それにやっぱり)


「人影はない……か。」


そう、かなり広大な範囲を知覚したにも関わらず人影やそれに近い形のものすらなかった。

自分が飛ばされているのだから、近くに同じように飛ばされた人もいるのではないかと、淡い希望をもっていたのだかその可能性はかなり低そうだ。

だがそうなると。


「…………姉さん達は…………大丈夫かな…………」


自分の姉も同じ光に巻き込まれていたはず。

この広大な空間のどこかにいるのか、はたまた全然違うところに飛ばされているのか、現状ではさっぱりわからない。

もしかしたら、自分はもう死んでいて夢を見ているか死後の世界にいる可能性まである。

わからないのだから、どうしよう無い。

また恐怖感で体が震えてくる。

頭を使い色々と考えることで少しでも気をまぎらわせる。

(……とりあえず、動くしかない。移動できる手段は得たんだ。わかる範囲のギリギリまで飛べば頭痛が起こらない範囲でまた見ることができる。それにおそらくだけど……)


心は目を閉じ、さっき頭痛を感じた限界ギリギリまでの範囲を知覚し、行きたい方向の物体に向けて意識を集中する。

ふっと、自分の周りの感覚がぶれた。


(ん?なにかに当たったかな?それになぜかあたたかい?でも、ひとまず成功だ。周りのものが全然違うし、少しずれたけど、狙ったものの近くに移れてる。)


目を開けてみると、ひときわ大きな膜のなかに、自分はいた。

自分の周りには様々なものが浮かんでいた。

何かの葉っぱや茎、ガラス容器にはいったカラフルな液体、宝石や水晶玉みたいなものもある。

なかでも水晶玉は、光を放っているものと、暗く見た目は普通の水晶玉のようなものの、二通りがあった。

心の周りを漂うものは光を失っているものが多いが、少しはなれたところにあるものは光を放っているものが多い。

試しに近くを漂う水晶に触れてみると、ポウッと光が水晶から溢れる。


「うわっ!!」


そして、その光は心の全身を覆い、ゆっくりと吸い込まれていく。

不安感や疲労感がスッと消えていくと共に、不思議と力が漲ってくる気すらする。


(なるほど、さっきのあたたかさはこの光か。それに頭痛と疲労感が何事もなかったかのようになくなってる。体が軽い。)


「でも…………これなんなんだろう?」


水晶は光を放出し終えると、他の水晶と同じように暗くなり宙を漂い始めた。


(触れると発動するのかな?でもいよいよファンタジーみたいになってきたな。なんだろうあれ回復アイテム?)


周りを見ると、まだまだたくさんの水晶が光輝いている。


(とりあえず、さっき目標にしたもののところに行こうかな。)


心は目を閉じてその物体に向けて飛ぶ。

移動は成功した。しかし


「よっ、うわっ!」


盛大に尻餅をついてしまった。


「……なんかこの感じ久しぶりだな。」


少し笑ってしまう。

心の目指したさきには、結構大きさな木造二階建てのログハウスが建っていた。

しかも膜のなかに直接転移すると、なんと重力があったのだ。


(今まで漂うしかなかったから、なんだかすごい安心感がある。)


ついつい尻餅をついた姿勢からそのまま玄関前に寝転がってしまう。


(すごい!ちゃんとよこになってやすめる!地面がある!しっかり踏みしめられる所があるのが、こんなに安心できるなんて知らなかった!)


久しぶりの地面におかしなテンションになり、心はしばらくごろごろしていた。

しばらくして…………

ふと我に返り恥ずかしくなってしまったが当初の予定を思い出し、玄関を開け中にはいる。

中はかなり豪奢な作りになっており、家具の一つ一つから壁紙、絨毯、立て掛けられた絵の一つ一つに至るまでかなりの手間とお金がかけられたものだろうとわかるほどだ。


「すごい!埃っぽくもないし、必要なものが大体揃ってる!!」


キッチンには食器が立ち並び、一つ一つが磨きたてのように輝いている。

コンロのようなものや食器洗い機のようなものもある。

心は階段を見つけ、上に駆け上がる。

そして目当てのものを見つけ出した。


「っっっ!!やったーー!!ベッドがある!!」


心はベッドに飛び込むんだ。

その柔らかさと肌触りのよさにとても驚いたが、ピタリと動かなくなる。

しばらくして、ベットルームからはおだやかで静かな寝息がきこえはじめた。









女体化(中途半端)ってある意味男としては色々死ぬよねプライドとか。まぁかわいければ許されるんだろうけど。

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