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道具箱とんでもライフ   作者: 海の男
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最愛の弟

稚拙ですまんな(自虐)

高校一年目の夏、僕らは剣道部の合宿で京都にいた。

うちの高校の剣道部は毎年大会で上位の成績を納める強豪校のため合宿も結構えぐい、四泊五日の合宿も今日で二日目、正直もう帰りたいくらいにはからだがやばいが1年は誰よりも早く動かなければならない。

あらゆる意味できつい。


「おーい!心!胴着まだかー!」

「はい!すぐ持ってきます!先輩!」


僕の名前は早乙女さおとめ しん海原高校1年、剣道部所属、趣味は釣りと読書。


「いそげよー!早く乾かさんと明日の稽古最悪だからな!」

「はい!先輩!」


剣道部は上下間系がしっかりしていてとても大変だがいろいろなことを学べるので個人的には経験しておくべき大切なことだと思っている。のだが……


「お~い!心く~ん」

「っ(ビクッ!)」

「あっ!渚先輩!おつかれさまです!」

「うん、近藤くんおつかれ、ちょっと心君借りていいかな?」

「え!?いや僕これから胴着」

「大丈夫です!心、行ってこいそれは俺がやる。」

「ありがとう、近藤君、それじゃ心くんはこっちにきて。」

「…………わかりました」


今来た人は早乙女さおとめ なぎさ僕の姉だ。

年は二つ上、高校三年生、女子剣道部の部長もしていた。文武両道の才女で正直弟の僕は肩身が狭い。何より身内が部活にいるのが辛い。


「それで先輩?自分は何をすれば?」

「ん~?今はお姉ちゃんでいいのに~。」

「いや、合宿中だし。」

「固いなー、まぁいいや、マッサージよろしく~」

「また!?て言うかなんで今!?」

「だって~、こころちゃんにやってもらうのが一番気持ちいいんだもの~。」

「こころちゃんはやめて!」

「え~?なんで~?女の子みたいにかわいいんだからいいじゃ~ん。」

「それが嫌なの!男らしくなるために剣道始めたのに!」(モミモミ)

「えー、そのままのこころちゃんが私は好きだよー。」

「姉さんに好かれても嬉しくないよ……」(ぎゅっぎゅっ)

「えー、ひどーい、でもそういいながらもマッサージはしてくれるこころちゃんほんとカーワイ。」

「…………ハァ」(トントン)

僕の姉はいつもこんな感じだ、生まれたときからこの調子でからかわれ続けたせいでもう慣れてしまっている自分がいるのが悲しい。もとよりうちの家は女が強いこともあって姉に頭が上がることは生涯ない気がする。

と、そんなやり取りをしていると。(ガラガラ)と扉が空く。


「はー、いい風呂だった~、って渚先輩!また弟君ラチってきたんですか。」

「だーってー、こころちゃんにマッサージしてもらわないとやる気でなーい。」

「しんです!」

「はっはっは、こころくーん、もう諦めた方がいーよー、もう女子部のあいだでは完全にそっちの名前が定着しちゃってるし~。」

「なん……だと……」

「そうそう、こころちゃんは可愛いんだからこころちゃんでい~の~。」

「…………(しょぼん)」

「……でもほんと心くんは可愛いなー、先輩!良ければこころくんを私にくださ」

「あ゛?」

「なんでもないです!すいませんでした!」

「??」


(あんたなにやってんの!!先輩が重度のブラコンなのは周知の事実でしょうが!!)

(いやー、今ならなんか機嫌良さそうだし、わんチャンあるかなって……実際こころくんかわいいし……つい……)

(それはわかるけども!!あんたのせいで明日の稽古きつくなったら全力で恨むからね!!)


「こころちゃーん、私はちょーっとあの後輩達にお話があるから今日はもう部屋に戻っていいわよー。」

「「「!!??」」」

「ん?わかった。……今日はってことは明日も呼ぶき?」

「フフフッ、当然よ。」

「ハァ、わかったよまた明日。」

「は~い、また明日ね~。」


僕が部屋を出ると中から

「せんぱ……まっ…………そ……は……ムリ!!アッ!!」

何か聞こえてくる気がするけど聞かなかったことにした方がいいと直感が告げているので逃げよう。そうしよう。

しばらく歩いたところで近藤先輩から姉さんに聞いておいて欲しいと言われていたことを思いだした。たしか明日の練習メニューの進行についてだったかな。戻るか。

来た道を戻り、部屋の扉を開けた。

「姉さん?明日のメニューについて質問が」あるんだけど、と続けることはできなかった。最後に僕が見たのは、今まで見たことがないほど必死の形相で僕に手を伸ばす姉さんの姿と、足元を照らす眩い光だった。


[少し時間は戻って女子部屋]

「さーてさて、さっきのはどう言うことかなー?霞ちゃーん?」

「違うんです。誤解です。許して」

「ギルティ」

「イダダダ!せんぱっ!待って!その間接はそっちには!まがらな!ムリ!……ア゛!」

「「ガクガクブルブル」」

「…………(クルリ)」目が二人をとらえる。

「「ビクッ」」

「もちろん、連帯責任よね?」(ニッコリ)

目が全く笑っていない。そんな恐ろしい笑顔が目の前にあった。と、ここで、唐突に床が光を放つ、気絶してる一人を除き全員が床を見て驚いた。よくよく目を凝らすとそこには、幾何学模様が光を放っているのがわかる。訳のわからない状況でフリーズ仕掛けてる頭を必死で動かし対策を考えようとしたところで、ガチャリと扉が開く、入ってきたのは「姉さん?」最愛の弟だった。

(いけない!こころちゃんまで巻き込まれてしまう!)

からだが勝手に動いていた。あり得ないほどに早い判断だったと自負できる。がしかし無情にも、伸ばしたうでは、弟に全く、届かない。


光が収まる、変な虚脱感が体を蝕む。いまだに霞む目をなんとか開き周りを確認する。足元には大理石の床が見え、その上にさっきの幾何学模様と同じものがある。

よく見ると周りに数人の人影が見える。

一人の豪奢な身なりの男性が近付いてくる。


「異世界より選ばれた4人の戦乙女よ!!どうか我が世界をお救いください!!」

(4人?戦乙女?異世界?なによこれ?というか4人?)

周りを見渡す、視力がなんとか回復し確認するがそこに

「こころちゃん?」

弟の姿が見えない。

弟の 姿が 見えない

こころちゃんが

いない?

理解した瞬間、無意識だった。

話しかけてきた男の胸ぐらを掴み上げ、床に叩きつきていた。床の大理石が割れるほどのあり得ない力が出ていたがそんなのは関係ない。

「こころちゃんを!!弟をどこにやった!!」

答えない男に全力の拳を叩き込む。

やっと事態を認識した数名が渚を止めにかかるがとてもじゃないが止められそうにない。

「ヴ ア゛ア゛ア゛!!」

広間にしばらくの間、殴打音と泣き叫ぶ女の声が響いた。












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