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道具箱とんでもライフ   作者: 海の男
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楽しくいこう

豪奢な家具が揃う木製の一室で女が一人椅子に揺られながら足を投げ出している。

足元には様々な物や部品らしきものが落ちていると共に何枚もの紙や宝石のようなものが散らばっている。

紙にはそれぞれに幾何学的な模様が刻まれ、よく見ると一つ一つ微妙に違う。

椅子に座る女はピクリとも動かなかったが唐突に口を開くと


「……ア゛ー……帰りたーい……というかせめて……

そとにでたーい……。」


喋りだすの声はかれたようにがらがらだ。

見た目はまだまだ若く10代のように見えるのだが見た目と声が全くあっていない。


「ハァ……あれからもう何年たったのか……もうわからないな」


その時、ピ~!と音が鳴り響く、女が目を向けるとポットの湯が沸いてるのが目に見える。

女がてをかざすと、ポット下の幾何学模様が消え、ポットの音も徐々になりやんでいく。

すると、いきなり棚が開き中からカップや茶葉などが勝手に飛び出し、机の上にきれいに並べられ、お茶の準備が出来上がる。

もちろん女は一歩も動いてはいない。

出来上がったお茶を女がゆっくりと飲みながら部屋の片隅にある機械に目を向ける。

機械は大きく、よく見ると複数の機械が連結されているのがわかる。

その機械についたグラフのようなものを見るとほぼ満タンなようだ。


「フム、貯まりきったか……それじゃ出掛けますかー。」


そういって女が立ち上がると食器がひとりでに動きキッチンの食器洗い機のようなものに勝手に入り洗浄が始まる。

女は壁にかけられたバックをしょい、玄関の扉を開け、外にでようとした。

すると唐突に、全ての音が消えた。

部屋のなかでわずかな音をならしていた機械も沈黙している。

まるで時間が止まったかのように中で動いていた水すらも止まっている。


「あー、やっちゃった。もー、本当この癖がなおらないなー。家を出るたび鍵忘れてたの思い出すわー。」


そういって女が手をかざし、部屋の角の機械のスイッチをいれると同時に音が戻り、機械が動き出す。


「ヨシッと、んじゃ改めて、いってきまーす。」


扉を閉めると改めて周りを見渡す。

周りの景色は黒いが暗いわけではない。

よく見ると所々空間がぐにゃぐにゃと歪んでるようにも見える。

慣れないとやはり気持ち悪いが、さすがに慣れた。


「さて今日は~、どーこーにーしーよーうーかーなっと!」


突然、女の姿が消える。

ほんの一瞬の事だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ヨット!……だいたい拠点から12キロってとこかなー」

(だいぶ狙ったとこに飛べるようになったな。本当に前は色々やらかしてたからなー、極めればここまで便利とはねー。いやー、アイテム様様ですわー。)


「さて、それじゃ早速、鑑定といきますか。」


バックから取り出されたのはドライヤーのような機械。


「てってれっててーてーてー(地声)鑑定銃レジェンドー。」

(……………………………………………………ハァ、虚しい)


反応ないとなんかもう……虚しい。


「まぁそりゃそうだよねー、他に人なんているはずないしー。さーてさて、このアイテムはー?」


手元には泡のようなもので包まれたアイテムが漂っている。

見た目敵には機械的なボールのように見えるが。

銃の先端をあてがうと横凪にレーザーのようなものがアイテムの全体をスキャンしていく。

しばれくすると。


結果

[ゴーレムの炉心]

[品質:良 原理:神生]

[生活用ゴーレムの炉心、戦闘は想定されていないため貯蓄魔力量こそ低いものの耐久性は高く長期間の稼働が可能、またこの炉心はあらゆるエネルギーを動力に変換可能のハイブリッド型制作者の狂信的熱意を感じる逸品である。]


「きたーーーーーーーー!!初っぱなから大当たりだわこれ!これさえあればボッチ脱却あるでこれー!」


(これを使えばもしかしたらあの子も……)


「こうしちゃいられない、周りのもんサクッと調べてすぐ帰んなきゃ」


数時間後…………


「っよし!ついた!ただいま!」

私は玄関を叩き開け、階段を駆け上がり、二回の扉を開く、そこには一見20代くらいの美女と見間違えるような精巧な出来映えの機械人形が、見つけたときと変わらない美しい姿で椅子に座り込んでいた。

椅子に座り込む人形の中枢には穴がぽっかりと空いており、そこがおそらく炉心であったところなのだろう。

今まで炉心と人形のエネルギーがわからず色々なものを試し、探していたのだが、今回こそ、正解だと思いたい。


「頼む!久しぶりに誰かと会話がしたいんだ!!動いてくれ!頼む!」


自分のありったけの魔力を込めた炉心を私はゆっくりと人形の中枢に差し込む。


そうして人形は…………





後悔はしてないと思いたい

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