妖々夢6面=First 彼の世にて
霊夢の背後で開いた障子から、幽々子が歩いて出て来る。
「あらあら〜博麗の巫女さんが何の御用事かしら。ああ、お花見かしら?」
「アンタが黒幕?そうね、お花見はウチの神社でするわ。そう言う訳だから集めた春、返しなさい。」
そう言ってお祓い棒を構える霊夢。
調料が包丁を取り出して、刃に腕を捻じ上げられている。
「もう少しで封印が解けるの。待って頂戴?」
「ふぅん、封印が解けるとどうなる訳?」
二人が問答をしている間に、調料が逃げ出した。
刃がそれを追う。
それを横目で見た幽々子は、そのまま話を続ける。
「桜がすごく満開になるの。」
「・・・」
「と、同時に『何者か』が復活するらしいわ〜。」
「興味本位で復活させちゃ駄目でしょ。何者かも分からないのに。」
「あら、私は興味本位で人も妖怪も死に誘えるわよ?」
と、そこで水を差す声。
「かッ、勘弁して下せぇ!もう何もしやせんって!」
「うるせェ黙れこの野郎!逃げんじゃねェ!」
調料がチョロチョロと逃げ回り、刃がブチ切れながらそれを追いかけ回している。
やれやれ、とばかりに霊夢はため息を吐いた。
「ハァ。全く、緊張感の無い・・・。」
「まあ良いじゃない。でも貴方のそのなけなしの春で、ちょうど満開になりそうね?何者かのオマケ付きで。」
「ま、冗談はここまでよ。幻想郷に、春を返して貰うわ!」
「じゃあ私は見事、桜を咲かせて見せるわぁ〜。」
ふわり、と二人が浮き上がる。
霊夢はお祓い棒、幽々子は扇で互いを指し、二人は同時に啖呵を切った。
「花の下に還るがいいわ、春の亡霊!」
「花の下で眠るがいいわ、紅白の蝶!」
「何もしやせんからいい加減諦めてくれやせんかね!?」
「てめェが一発殴られるまでは追ってやらァ!!」




