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天夜と紫
胡座、腕組み、難しい顔でふよふよと逆さまになりながらスキマを漂っていた天夜は、む、と言って顔を上げた。
「紫、ジーク君見つかったよ。有難うね。」
「どういたしまして!それじゃ天夜、ここ、何も無いけどゆっくりしていってね!」
どういたしまして、と言いつつ、紫は天夜と自身をスキマに入れる。
それで天夜と紫はスキマを通り、ある家に着いた。
「おや、紫、今は此処を家にしているのかい?」
「そうよ。お茶、どこにしまったかしら・・・。」
「お茶ならいいよ。それより僕が幻想郷に居ない間に何が変わったのか、教えてくれないかい?」
お茶を探して振り向いた紫に天夜はそう、実に楽しそうな調子で声を掛ける。
心なしか感じられるのだが、彼の声には何かこう、慈しみが乗っている様だ。
「わかったわ!紫ちゃんにドンと任せて!」
そんな天夜に対し、紫はそう答え、起きた事を感情たっぷりに次々と語って行く。
それはまるで子が親に今日あった事を報告するかの様であり、兄弟に愚痴をこぼすかの様であり、恋人に甘えるかの様であった。




