異変か、寒い春か
久々の投稿
今年は故あって忙しいのDeath
博麗神社に来た魔理沙は、炬燵で惰眠を貪る駄目巫女に、唐突にこう言った。
「異変だぜ。」
「ん〜・・・何がよ?」
炬燵から這い出しながら答える霊夢。
後ろで刃が洗濯物を取り入れている。
それと霊夢を見比べ、魔理沙はため息を吐いた。
「全く、言わなくても分かるだろ?この冬の長さだよ。明らかにおかしいぜ。」
真剣に告げる魔理沙。
霊夢は蜜柑を剥きながら、のほほんと返す。
その後ろで、刃が木炭に火を付けている。
「冬が長いだけじゃない。そんな事よりみかん美味しいわよ。」
蜜柑を口に放り込む霊夢。
続いてもう一つの蜜柑を魔理沙に渡す。
その後ろで刃が鍋で茶を沸かしている。
「確かに美味しいぜ。・・・じゃない!どう考えても異変だ!もう5月になるぜ!?」
バン、と炬燵を手で叩きながら言う魔理沙。
霊夢は蜜柑の皮で遊んでいる。
その後ろで、刃は炭火のアイロンに、幾つか火箸で炭を入れている。
「異変なら紫が解決しろって言ってくるわよ。それまで待てば良いの。ただ寒いだけでしょ?」
呑気な霊夢。
後ろで刃は吹きこぼれそうだった鍋の火を慌てて止めている。
「じゃあ私が先に異変を解決しても良いんだな!?手柄は貰うぜ、霊夢!!」
業を煮やした魔理沙が神社を飛び出す。
それを視線だけで見送る霊夢。
後ろで刃が茶を鍋から大きな容器に移している。
冷蔵庫で保存するつもりの様だ。
「・・・暇ねぇ。」
呟く霊夢。
後ろで刃が服にアイロンをかけている。
「霊夢、まだ洗ってない服はあるか?」
「んー、たぶん無い。」
その返答に、うむ、と頷いた刃は台所へ移動しながら霊夢に聞く。
「そうか、なら昼飯は何が食いてェ?」
「そうね、また『カレー』を食べたいわ。」
刃はそれを聞いて思案する。
「カレーか・・・スパイス類が足りるかどうか・・・コリアンダー、カルダモン、ターメリック、クミン、パプリカ。それで、ナツメグ、フェンネル、ローレル、クローブ。あとはフェヌグリーク、シナモン、チリパウダー。幾つか足り無ェが、まぁ十分か。昨日下ごしらえしたあのジャガイモとニンジンを流用すれば早いな・・・。」
ぶつぶつと呟きながらカレーライスをカレー粉から手作りで作る刃。スパイスの調合の時点で何とも良い香りが辺りを漂っている。
ちなみにこのスパイスは、サンから仕入れた物である。
霊夢が香りを堪能していると、突如炬燵の向かい側から声がした。
「良い匂いだねえ、霊夢。」
「!?」
見れば、天夜がいつの間にか隣でスプーンを持ってカレーの配膳を待っているではないか。
霊夢はそれに何かを言おうとしたが、諦めて言葉を呑み込んだ。
と、そこにカレーを持って来た刃。
「お待ちどう。刃さんカレーの完成・・・おォ、天夜、お前も食べて行くのか。待ってな、もう一皿持って来らァ。」
そして巫女は一心不乱に、
龍人は談笑しつつ、
巫女補佐はおかわりの配膳に手を焼きつつ、
カレーを食べ終えた。
と、霊夢が呻く。
「うっ」
「どうした霊夢。」
「・・・気持ち悪い。」
「食べ過ぎだ、馬鹿。じっとしてろ。」
そう言って3人分の食器を持って台所へと戻って行く刃。カチャカチャと洗われている食器同士が当たる音が聞こえる。それをBGMに、頰杖をつきながら天夜は霊夢に告げた。
「じっとしてるのは良いけど異変だからそのうち解決にも出かけてね?博麗の巫女としてさ。倉庫に陰陽玉があるから持って行くと良いよ。それじゃ、ご馳走様でした。」




