楼閣の主と春集め
久方振りの更新ですね、ハイ
すみませぬ
白玉楼にて、珍しい事に、主人が従者を呼ぶ声が響く。いつもなら逆なのだが。
「妖夢ぅ〜?妖夢ぅ〜?」
幽々子が妖夢を呼び始めて十数秒。
廊下の向こうからトタトタと、軽快な足音と共に妖夢が駆けて来る。
妖夢はそのまま、幽々子のいる部屋に入室する。
「お呼びですか幽々子様。」
「妖夢、庭に枯れた桜・・・西行妖があるでしょう?咲かせて見たいと思わない?」
突拍子もない幽々子のその言葉。
妖夢はただただ困惑する。
「はあ。桜、ですか。」
妖夢のその態度に幽々子が何か言おうとしたが、それより先に、意外な同意が障子の向こう、調理場から響いた。
「桜ですかい、あっしとしては料理の染料とかに使えるんであれば有難い、と言った所でさぁ。しかしアレを咲かせようなんて一体どうやるんですかい?・・・いえ、あっしが聞いても無駄ですね。料理以外に出来る事などありやせんし。」
野菜を刻むのと同じぐらいの早口で言う調料。
余りの早口に妖夢ばかりか幽々子まで疑問符を浮かべているのに気付き、手を止める。
「あー、うん、桜ハ、良イデスネ。」
最早片言の調料。
それを聞いて、二人は気を取り直す。
「えっと、で、幽々子様。西行妖を咲かせるにはどうすれば良いんでしょうか?」
「ねずみさんから貰った手紙によると〜『春度』って言うのを集めれば良いそうよ。」
「何ですか『ねずみさん』って・・・。」
と、反対の障子が開き、矠が入って来る。
「話は聞かせて貰った!然らば小生に任せて貰おうか。『春度』であろう?それならば知っておる。妖夢!支度せィ!調料!幽々子殿を頼むぞォ!!」
そう言って一人で飛び出して行く矠。
妖夢もはいと答えついて行く。
後には
従者を勝手に動かされた幽々子と
料理しか出来ないのに護衛にされた調料が
取り残された。
「いざとなったら守ってくれるかしら〜?」
「・・・が、頑張りやす・・・。」




