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紅魔雑談

久方ぶりの更新

その分長いよ、いつもより。

これで許してちょんまげ

再び場面は紅魔館へと戻る。


さて、若と話をした後、メイド長の業務を手伝おうと考えた御堂は妖精メイド達に遠巻きに注視されながら、能力を発動した。


「えー、『完璧』に他の能力を遮断する!」


すると・・・何も起こらない。

御堂が首を捻っていると、周囲の妖精メイド達が急に動きを止めた。


「ふむ?成功・・・ですかい?」


御堂がそう呟いた途端、また妖精メイド達が動き出した・・・が、また止まった。


「・・・成る程、考えて見れば。時を止める権限はメイド長のもの、と言う訳ですかい。俺はその隙間に入り込んでいるだけ、と。」


御堂は頭の中で政亜が『それを気にしても仕方あるまい』と言うのを想像して、取り敢えずキッチンへと向かった。



レミリアは椅子に座って紅茶を飲みながら、一人で運命を覗いてほくそ笑んでいた。


「咲夜は、覚えてるのかしらね?男性に興味は無いのかって聞いた時の事。」


レミリアは昔―――と言っても数年前だが―――咲夜に恋人や夫は要らないのか、と聞いた時の話を思い出し、苦笑した。

そのまま、ここには居ない相手に語りかけるかの様に一人で話し続ける。


「『一緒に仕事ができる人が居れば良いんですが。』たしかこう言ってたわね。」

「そうだね、それは僕も聞いてたよ。」

「わきゃッ!?」


唐突に隣から声が聞こえて、レミリアは反射的に弾幕を打った。

直撃を喰らったモーニは吹き飛んで壁に当たり崩れ落ちたが、何事もなかったかの様に立ち上がりレミリアに話しかけて来た。


「いやあ吃驚びっくりだよ。」

「びっくりしたのはこっちよ!!危うく紅茶を吹き出す所だったわよ!!」


モーニはレミリアに怒鳴られてもどこ吹く風。近づいてレミリアの頬に手をやり、何かを摘み、口へと運んだ。


「今日のおやつはクッキーみたいだね?」


食べカスが頬についていてそれを食べられた。その事を理解したレミリアは、真っ赤になって、照れ隠しに怒鳴り散らす。


「な、何よ文句ある!?この私のおやつにケチをつける気!?」


誰でも『問題点はそこか?』と言いたくなる様な事を喚くレミリア。

それに対し、モーニはペロリ、と舌舐めずりをしながらこう言った。


「いやいや。僕としてはクッキーより・・・君を食べたいんだけどね?」

「う、うー・・・。」


頬と耳を、湯気すら出そうな程に真っ赤に染め、呻くレミリア。


「で、でも私みたいな幼児体型の「君は僕の事は嫌いかい?」いや、その、うー・・・。」


自分で挙げたコンプレックスを躱され、たじたじのレミリア。調子に乗ったモーニはレミリアの耳元で、囁く。


「前からずっと言ってるじゃないか・・・僕は、君が、好きだ、って。」


ボン、と音が聞こえそうな程にレミリアは真っ赤になり、何事か口走りながらモーニの顎に頭突きをして、再び何事か口走りながら走り去って行った。


「〜〜ッ□¥○%☆・・・!!」


ゴン!


「痛っ!?」

「か、身体もちゃんとレディになるまで待って頂戴ーーー!!」


それを、モーニは満足そうに顎をさすりながら見送った。



所変わって、図書室。

相変わらず政亜とパチュリーが高速で魔法の術式について議論している。


「そこに水の術式を流用して、と。」

「成る程ね・・・これはどうかしら?」

「それなら無属性のままで良いだろう、術式の起動から現象迄のタイムラグは増加するが複数での詠唱待機が可能になる。」

「でも、属性の利便性はどう?」

「そこだ。利便性か汎用性か・・・。」


と、そこに絶が近づいて来る。

小悪魔も絶の後ろからついて来た。


「若、意気投合ト言った所カ?」


ニヤニヤしながら告げる絶。


「絶か。ふむ、まあそうだな。一人で術式を弄る方が効率が良いかもしれないが・・・仲間が居た方が、楽しいだろう?ああ、あと『若』と呼ぶな。」


政亜のその返答に、絶は意外そうな顔をし、そしてまたニヤニヤしだす。

『仲間』と言われたパチュリーは、少し頬を染めている。


「成ル程?惚れタか?」

「何を馬鹿な事を。絶、それは俺が恋愛沙汰は苦手だと知った上での言動だろう?全く、これだから悪魔と言う奴は・・・。」


絶の言葉を、被せ気味に政亜が否定する。

また、小悪魔は苦笑いを浮かべている。


彼らはそのまま、四人で雑談を始めた。



そして、紅魔館、門前。

ゴウが美鈴と共に、攻撃をかけて来た妖精達を迎撃していた。


「おりゃー」「すすめー」「わたしのしかばねをこえてゆけー」「やられたー」「いくぞー」「とつげきー」「やっちゃえー」


思い思いの言葉を叫んで、二人を攻め立てる妖精達。また、チルノが妖精の軍勢の後方で腕組みをしながら立っており、大妖精もその傍でおろおろしている。フラムは、と言うと・・・


「突撃隊長フラム!出る!」

「たいちょー」「いけー」「つづけー」


複数の妖精を指揮下に、炎を纏った拳を突き出しながらノリノリで隊長などをしている。


「ハ、美鈴。ありゃ熱そうだな?」

「構いません!受けて立ちます!」


軽口を飛ばす剛と真面目な美鈴。

二人の性格がよく分かるやりとりだ。

そして、チルノもまた動き出す。


「フラムがごうならあたいはみすず!大ちゃん、ふしょーへーのかいしゅーはまかせる!」


言うが早いか、チルノはフラムの隣に並び立つ。

大妖精が祈る様に両手を組む。


「彗さん・・・早く・・・。」


そして、フラムが遂に剛に飛び掛かり、チルノが両手を美鈴に向けたその時、大量の水が妖精達に降りかかった。


「だめだー」「おぼれるー」「しぬー」「また彗が水を・・・わぷっ!?」「わー」「す、彗さぁん!!」「くらe、きゃー」「なにをするー」「ごぼぼぼぼ」「すいにみつかった!にげろー!!」「にげるんだよぉー」「きゃははー」


妖精達が水に飲まれて行く様を、剛は肩を竦め、ヒュウ、と口笛を吹きながら、美鈴は帽子を取り、やれやれ、と溜息をつきながら見送る。

やがて妖精達全員が流された後に、水の塊がふわふわと飛んできて、人型をとった。

そしてそのまま水の人影、彗は口を開いた。


「いつもありがとう、門番さん。」

「いえ、構いませんよ、彗さん。最近は平和ですからね。いつもの事とは言え、気を引き締めるには丁度良いと言うものです。」


美鈴がそう言うと同時に、剛がこれ見よがしに無駄な動きで大きく腕を振りかぶり、美鈴を攻撃する。

それを、これまた無駄に大きく避けた美鈴が離れた位置まで退がったのを確認した剛は、彗にウインクしながらこう言った。


「と、言う訳でここからは武闘家の時間だ。精霊サン、茶々を入れてくれるなよ?」

「ああ。それじゃ、僕は帰らせて貰うよ。」


彗がその場を去る。

そして、それを合図に剛と美鈴は地を蹴り、拳を交わし、一度互いに大きく退くと、笑みを浮かべて言葉を交わした。


「腕を上げたなぁ!?美鈴!」

「そちらこそ、です!!」


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