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商人の売るもの

連投

煮込め


間違い

2個目

「ここで商品を買いたくなる〜ここで商品を買いたくなる〜・・・さて、後催眠完了!」


サンはピシャリ、とナコト写本を片手で閉じて、そう言った。

段々と本から発せられていた怪音が引いて行く。


パンッ!


「ハッ!?」

「うっ、何だ!?」


やがて、手を叩く快音で霊夢と刃は目を覚ました。

そして二人が見たのは、目の前で風呂敷を敷き、その上で店を広げる胡散臭い赤髪紅眼の男。サンである。


「さて、何をお求めっすか?」


二人は何か、ここの店で購入しなければならない様な気がして仕方がない。


「あー、食料品はあるか?」

「あるっすよ。どういった物をお求めで?」


刃がそう聞くと、サンは手揉みをしながら言葉を返す。

・・・益々(ますます)胡散臭い。


「霊夢、何が食べたい?」

「そうね、これまで食べた事が無い物が良いわ。」


二人がそう話していると、サンが鞄から、生きた魚をするりと引き出し、こう言う。


「じゃ、海の魚とかどうっすか?鮪に鰹、鯖、秋刀魚・・・。どれも一級品っすよ。」


話している間も、サンに尾びれを掴まれた魚達がビチビチしている。


「一級品、か。テメェ馬鹿(たけ)ェ値段で売るつもりじゃ無ェだろうな?」

「いえいえそんな!商人は信用が命!お安くしとくっすよ!」


睨みながらそう言う刃に、サンは両手を顔の前で振りながら否定する。


「ふーん、私の勘だとその魚とこの魚が一番新鮮ね。」


大きな魚を指してそう言う霊夢。

恐らくまぐろだろう。


「お目が高い。さて、営業トーク開始っす。」


サンはそう言って深く息を吸い、一気にまくし立てる。


「産地直送、冷凍どころか釣れたてまぐろ!口に入れれば脂がトロリ、焼いて頂けば頬落ちる!釣った時間は5分前!さぁ買った買った、美味しいこの品!出血特価の大サービス!にて、値段はなんと一円ポッキリ!買わない奴はお呼びでないし、買うと言うならおまけ付き!さぁ買った買ったそこの巫女補佐、買えるのは今このひと時だけ!さぁいかがっすかいかがっすか!美味しい鮪、いかがっすか!?」

「うるせェ。が、五円分買おう。」


サンの長い営業トークをうるさいの一言でぶった斬る刃。

しかし、しっかりとまぐろは買う事にした様だ。


「五円で、五匹っすね。」

「「五匹!?」」


サンが平然と言い放った言葉。

これには霊夢も刃も驚く。


「いやいや待てテメェおかしいだろ。」

「誰が1キロ一円なんて言ったっすか?一匹丸々で一円っすよ。それに、異変が解決したら宴会を開く。それには沢山食べ物が要る。基本じゃ無いっすか。魔理沙さんも幹事として今まさに飛び回ってるっすよ?ほら。」


そう言ったサンが上を指差すと、魔理沙が箒に跨り飛んでゆくのが見えた。


「あ、因みに会場は博麗神社みたいっすね。」


その一言に、霊夢が怒り出す。


「ふざけんじゃないわよ!?ただでさえ参拝客が来ないってのに魔理沙ったらまた妖怪呼んで宴会する気!?」


突如として憤慨する霊夢に、刃は少々戸惑っている。

と、またサンが口を開く。


「おや、妖怪は賽銭を入れないんっすか?」

「そうよ!!それよ!!!」


間髪入れずに霊夢が叫ぶ。


「は?おい、霊夢、何が『それよ!』なんだ?」


刃が恐る恐る、聞くと。


「妖怪共にもお賽銭を入れる様に伝えないと!!こうしては居られないわ!妖怪共に言って来る!!」


そう言い残し、霊夢はカッ飛んで行った。

それを茫然と見送るサンと刃。


「・・・あー、補佐の刃さん。名案があるっす。」

「あ?何だ?」

「賽銭じゃなくて宴会の会費って事にすれば良いんじゃないっすかね。」

「成る程な?それで行けば良いか・・・博麗神社の基本収入から考えて宴会の参加者にサービス出来るのは二円分ぐらい・・・あとオレが追加で五円・・・。」


刃はそのまま、サンの店で様々な食材、酒、調味料を買った。

買って、どうやって運ぼうかと思案していると、商品とサンが唐突に消えた。

刃が騙されたのか、と思って帰ると、博麗神社に購入した商品が置いてある。


「訳分かんねェな・・・何だったんだあの行商人。今考えたら紫とか言う奴より胡散臭いじゃねェか。」

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