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猫と猫
連投
1個目
迷ひ家にて。
猫妖怪の二人は向き合って座っていた。
千はやる気の無さそうな半眼でゆらゆらと揺れている。
橙は、正座でそれに向かいあい、気まずそうにキョロキョロとあちこちを見ている。
沈黙。
橙の動きが激しくなる。
沈黙が続く。
千は、橙が『一人でやって見ろ』と主人に言われていたのを見ていたので一人で自分の処遇について決めるのを待っていたが、そろそろかわいそうかな、と口を開いた。
「で、ぼくはここに住めばいいの?」
「にゃっ!は、はい!そうです!そうしましょう!千さん!・・・くん?」
驚き、尻尾を逆立てながら答えた橙は、ふと途中でどう呼べば良いかと迷う。
「千さんでも千くんでも千でもいいよ。橙ちゃんはどうするの?」
「わたしもここに住んでるので、えっと、そう、あんないします!」
「うん、分かったよろしく。あといつも通りでいいよ。」
「?」
首を傾げながら疑問符を浮かべる橙。
「あー、敬語はいらないってこと。」
「あ、はい!わかりました!こっちが台所で・・・」
ぱたぱたと走って行く橙を追い掛けながら、千は首を捻った。
「敬語が何かわかってないのかな・・・?」




