人形と異邦人
連投1
夜、まだ異変が起きていた頃。
ジークはアリス宅で、目を覚ました。
「ウ、ここは・・・?あ、そうデシタ。ここはアリスさんの家で・・・ooooh!?女性のベッドを借りて寝ていたなんてなんてハレンチなんデショウか!?」
一人で騒ぐジーク。
それを咎める様に上海人形がやって来て、両手で口の前でバツを作り、ジークに話しかける。
「シャンハーイ」
「wooooow!!?ア、上海さんデスか。お世話になってスミマセン。うるさかったデスか?かさねがさね申し訳アリマセン・・・。」
上海人形は謝るジークの頭をぽんぽんと叩き、ある一方を指し示す。
釣られてジークがそちらを見ると、アリスがソファに三角座りで膝と胸の間に顔を伏せたまま眠っていた。
「ahー・・・えっと、申し訳アリマセン。」
上海人形はアリスの隣まで飛び、ジークに手招きしている。
ジークがそちらへ行くと、上海人形は何かを伝えようと試行錯誤しながらボディランゲージを図った。
「エエット。アリスさんを?持ち上げて?ベッドまで連れて行け?デスか?そそそ、そんな!寝ている女性に勝手に触れるナンテ!?」
照れながら拒否するジークに、上海人形は二度軽く自分の胸を叩き、『私がいるから勝手ではない。やれ。何をしている。』とばかりにアリスを執拗に指し示す。
「・・・・・・・・失礼、シマス・・・。」
とうとうジークはアリスを横抱きに抱き上げ、ベッドまで連れて行った。
「こ、これで良いデスか?」
頬を染めたままのジークに対し、上海人形は腕組みをしながら満足そうにうなづいている。
と、その時アリスが何事かを呟いた。
「・・・・ク。」
「ha?」
何を言ったのか聞こうとするジーク。
上海人形は仕事は終わったとばかりにアリスの枕元に着地して動かなくなった。
「・・・ジーク。あやまるから。ねぇ、置いていかないでよぉ・・・・。」
アリスのその余りに弱った様子に、ジークはベッドの隣の椅子に座り、声を掛けた。
「違うジークデスが・・・ワタシならここに居マスよ。」
「ジークぅ・・・。」
「what!?」
寝惚けているのか、アリスは手を伸ばし、ジークの服の袖を掴んだ。
ジークは驚いて顔を真っ赤にする。いや、元から真っ赤だったか。
兎も角、それからジークはアリスが目を覚ますまで忙しない、落ち着かない様子で椅子に座っていた。




