巫女と補佐の暴走、行商人の逆襲
連投
之
参コ目
さて、異変は解決。
仕事を終えた霊夢と刃は、博麗神社に帰って来ていた。
「さて、今日のご飯は何?刃。」
「食材が無ェ。霊夢、食材の店はどこだ?」
「それなら人里ね。ついて来なさい。」
「おう、わかった。」
二人は互いに間髪入れずに言葉を交わす。
そして霊夢が何の前置きも無く飛び立ち、刃がそれに続く。
まるで互いがどう動くか分かっていたかの様だ。
二人が飛んでいると、眼下に馬鹿でかい鞄を背負った赤髪の男を見つけた。
「おい、霊夢。」
「何?」
刃は無言で男を指し示す。
男は気付いているのかいないのか、時々足を早めて霊夢と刃からの距離を一定に保っている。また、その手には人間の物と思わしき腕があり、その上、男は人里がある方向に向かっている。明らかに危険人物だ。
男を見た霊夢はこう言った。
「怪しきは退治よ。刃、合わせなさい。」
「わかった。オラ、よォ!」
「む、芭蕉扇!」
霊夢と刃が弾幕を放つ。
刃の牽制射撃が先行、それに足を止めた男に霊夢の一撃が炸裂する。
立ち昇る土煙が晴れ、次に男の姿が見えた時には、男は扇を手にして笑っていた。
男の隣に弾幕が着弾した跡が見える。
また、腕は男の手から消えている。
「・・・チッ、近づいて殴ってやらァ!」
「ちょ、刃待ちなさい!」
その笑みにキレた刃が突撃。
何かを感じ取った霊夢は刃を止めるも、刃は止まらず突き進む。
「ソイヤァッ!!」
「よ、カラドボルグ!」
刃の霊力を纏った拳を、男はいつの間にか取り出した剣の腹で防ぐ。
そして間髪入れずに男の手から剣が消え、代わりに禍々しい魔導書が男の傍らに浮かんでいる。
「ナコト写本は魔術媒体としてはどんなもんなんすかね?」
男、サンがそう言うと同時に魔術が発動。
刃が蔦で雁字搦めにされる。
「ぬォッ!?」
「おー、結果は上々っすね。」
サンが上機嫌にそう言った途端、霊夢が急襲する。
「この!私の料理人を離しなさい!」
「「料理人!?」」
霊夢の言葉にサンだけでなく刃も驚いている。
また、霊夢の急襲は、鉛玉によって弾かれた。
サンは一人で上機嫌だ。
「小型電磁砲の調子も良いっすね。じゃ、〈拘束〉」
「くぅっ!?」
霊夢も捕らえられ、力任せならぬ霊力任せに引き千切ろうとするが、蔦は取れない。
「さて、ナコト写本の本領発揮っす。ナコト写本は後催眠の為の本っすからねぇ。」
サンが本を開き、二人に一定のリズムを持った怪音を浴びせる。
やがて、二人の目から光が消えていった。




