異国人は如何にして助かったか
少し時間は巻き戻る。
謎の植物が随分と生えている森に、ジークは居た。
「・・・ここはどこデスかね?変な気配も感じマスし・・・。マア取り敢えず、進んで見マショウ!」
そうしてジークが歩き始めたのが五分前。
今は・・・
「wooow!!!wolfデス!ヤバイデス!!!」
狼に追いかけられていた。
何とか木を壁にして逃げ回っているものの、体力の限界が近い。
「こんな所で死ぬなんて嫌デス!誰か居ませんデスかぁぁぁ!!?」
叫ぶも、特に何も返事は聞こえない。
と、運の悪い事に、木の根に引っかかり、転ぶ。
「ouch!ア・・・ッ!」
その隙を見て、狼が飛び掛かる。
しかも追いかけて来ている狼の数が三匹に増えている。
ジークが死を覚悟し、目を瞑ったその瞬間。
「シャンハイ!ホウライ!」
女性、いや少女か、の叫び声。
何を言っているのか分からず、ジークが目を開けると。
「シャンハーイ!」「ホラーイ!」
見えたのは剣を持つ人形と槍を構える人形。
そして人形達が狼を斬り裂き、突き、穿つ。
状況が全く分からないジークが目を見開いていると、後ろから足音が近づいて来る。
「貴方大丈夫!?怪我は!?」
「だ、大丈夫、デス。」
「・・・貴方はジーク・クロードで合ってるかしら?いえ、合ってるわよね?」
「エッ。何故ワタシの名前を・・・?」
ジークは唐突に名前を当てられ、何事かと驚いている。
「覚えてない!?私よ!アリス!アリス・マーガトロイドよ!?」
必死の形相で迫られるジーク。
だが、記憶にその様な名前は無く、ジークは目を白黒させる。
「エッ、ちょっ、知りませんデス、スミマセン・・・。」
「そう・・・。取り敢えず、この森は危険よ。私の家に案内するわ。」
「エッ。」
「どうしたの?」
「いや、女の子の家に上がるナンテ・・・。」
ジークは異国の出身ではあるが、下手をすれば日本人より奥手であった。
それが日本に来た理由の一つである程に。
が、しかし。
「何言ってるのよ、私と貴方の仲でしょ?」
「いや、初対め、ちょ、話を聞いて下さィァァァァァァ!!?」
むんずと掴まれ、しかも空中に浮かび、叫びながらジークは連れ去られた。




