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紅魔郷EX=狂

スペルが終わり姿を現した二人のフランは目を丸くして、こう言う。


「ナンデダレモ」「シンデナイノ?」

「早々若が死ヌかヨ。もシ、若が死ヌなら死に様ヲ見テみたイ物だナ。シかしマサ、何故ソイツは動カなイ?」


それに答えたのは、鎖が巻き付いたまま、寝転がって戦況を眺めていた絶だ。

更に正人が拘束しているフランが動かない事を怪訝そうに指摘する絶。


「わ、分かんない。・・・ないてるの?」

「な、泣いテ、無イ・・・!!」

「うわっ!?」


正人に羽交い締めにされて拘束されていたフランは、涙を流していた。

しかしフランは言われて初めて気が付いた様で正人を振り払ってしまった。


その結果、魔理沙、政亜、パチュリーに相対する三人のフラン、と言う図が出来た。

勿論床に絶と一人のフランが転がっている。

正人は戦力としては何も出来ない。


「フランドールスカーレット。降伏しろ。貴様を打ち倒す策を今、思いついた。傷付きたく無ければ大人しく地下に戻って孤独に、独りで、永遠に、過ごす事だな。」


政亜の降伏勧告。

それは孤独、独り、永遠の三つの単語をやけに強調した口調だ。

しかしフランはそれに反応、突如動きを止めて二言三言漏らした後、叫び始める。


「コドク?」「ヒトリ?」「エイエンニ?」

「「イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」

「QED「495年ノ波紋」・・・・!!!!」


二人のフランは続けて叫び、なり振り構わず狂った様に、手当たり次第、当てずっぽうに弾幕を撒き散らす。

そして一人はスペルを発動。


「モウヒトリハ嫌ダ!!!」

「地下ハ何モ無イ!!」

「希望モ!自由モ!!未来モ!!!」


叫びと共に放たれる弾幕の数々。

スペルによって放たれる壁や本棚、天井や床に当たる度反射する弾幕に加え、他のフランが放つ大玉小玉何でも御座れと撒き散らされる弾幕が彼等を襲う。


「ふむ、想定範囲内だ。」

「こりゃ危ないぜ。」

「きゃっ!?」

「大丈夫か、パチュリー。」

「・・・あ、ありがとう。」


政亜は飄々とした様子で弾幕を逸らし、

魔理沙は言葉とは裏腹に危なげなく躱し、

パチュリーは被弾しかけて政亜に弾幕を逸らす事によって助けられている。


ハナセェェェェ!!!!」

「煩イな、オい。すコし黙っテいロ。」


絶に縛られているフランも鎖をガチャガチャと鳴らし、叫んでいる。

その時、正人が絶に近づき、話しかけた。


「あの子、ないてた。」

「ダかラ何だ、マサ。」

「ぜつ、あの子のとこにつれてって。」

「オ前、死ヌ気か?」

「ううん、ちがうよ。しなないためにぜつにおねがいしてるんだから。」

「・・・・・ふム・・・・・ハァ・・・やレやれ。仕方あルまイ。チャンスを一度だケ、くレてやロウ。願ウハ自由、代償ハ敵対スル者ノ解放!」


少し思案し、大きな溜息を吐いた後黒魔術を発動する絶。

途端、絶とフランの1人を縛る鎖が解ける。

そして絶は正人の首根っこを掴み、肩に乗せ、正人に尋ねる。


「どイつだ、ドいツの所へ連レて行ケバ満足ダ?答エろ。」

「うーん・・・いちばん右。」

「OKだ。捧ゲルハ魔力、請ウハ神速!!」


猛スピードでフランに近づく絶。

しかしその動きは直線(ゆえ)、無数の弾幕を喰らい、その度に無数の藁人形が絶から這い出てくる。


「・・・そロそろ藁人形ノ数が無イ。こレ以上ハ俺も死に兼ねン。悪いガ此処マでダ。」


絶はそう言ってむんずと正人を掴み、四人のフランの内正人が指定した一人に向け、正人を投擲した。


「うわぁぁぁ!!!」


「「「シネ!」」」


フラン達は、絶好の獲物が来たとばかりに牙を剥き、襲い掛かる。

しかし。


「駄目ェェェェェェェェェェェ!!!!!」


正人が指定した一人のフランが正人を正面から抱きしめ、弾幕に背を向け、庇う。

弾幕は直撃、フランの背はズタボロ、見るも無残な傷跡を残す。

しかし何とか正人は無事だ。

それを確認したフランは泣きそうな顔で微笑み、正人をもう一度、抱き締める。


「大丈夫?良カった・・・。」


抱きしめられた正人は慈しむ様な手つきでフランの頭を撫でながら、こう告げる。


「・・・ねえ、孤独だったんだね、独りだったんだね。ぼくが、初めてできたお友だちだったんだね。だから、逃げるのが許せなかったんだね。ごめんね、逃げちゃって。君はもう独りじゃないよ。ぼくが一緒に、いてあげる。一人じゃ足りないならにーさんもいるし、みどーもいる。ぜつもいる。それでも足りない?なら君のお姉さんは?そこの魔女さんは?君を想うひとは、君が思ってるよりいっぱいいるよ・・・?」

「ウ、ひぐっ、ぐすっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!さびじがっだよ!ごどぐだっだよ!!まざぁぁぁぁぁぁ!!!!」


何時の間にか、三人のフランは消え、正人に抱きしめ返されたフランは号泣している。


「(・・・狂気の治療には誠意や友愛が必要だ。それも一切の混じり気無しの、だ。その点において正人は適任だった。館の者では言わずもがな、俺や絶ではどうしても悪意や打算が混じる。しかし唯の善意のみで狂気から救えるとは考え難い。(ゆえ)に、俺が精神を追い詰め、鞭とし、正人の救済、即ち飴の糖度を上げたのだが・・・少々効き過ぎた様だな。まあ問題あるまい。)」


政亜がそう考え、一息つくと同時に、絶が長い溜息を吐く。


「最初カらコうしテれば良カっタのニナ。」

「私達が助かる所かフランまで助けるなんて・・・・・言葉も無いわ。」


パチュリーはそう言って、少し回復した魔力でフランに治癒魔法をかける。


と、その時大図書館の扉が開いた。


「無事ですか!?今応援を・・・アレ?」


一番に転がり込んで来た小悪魔は目を丸くして、泣きじゃくるフランと苦笑する正人、疲れ果てた様子の絶を順に見る。


「ふう、なんとか『良き運命』に辿り着けたみたいね。フランはもう私の言葉は聞いてくれなかったもの。・・・所で人間、フランにくっ付き過ぎじゃn痛い!離してモーニ!」


息を吐き、腕で額を拭いながら入って来たのはレミリア。正人に詰め寄ろうとしてモーニに引き離されている。


「レミリア、今のフランちゃんと話す権利は無いよ。君にも、僕にも、見ていることしか出来なかった此処の館の全員にも。」

「くぅ、でもフランが人間如きに・・・!」


ここに来てシスコンを発揮するレミリア。

フランに抱きつかれている正人を睨んでいる。しかしモーニの言う通りだと言う自覚はあるのか、殺気は全く込められて居ない。

続いて現れたのは、霊夢と刃。


「・・・霧を止めるから手伝え、って全部終わってるじゃない。とんだ無駄足ね。」

「おい霊夢、魔理沙がいるぞ。」


咲夜はレミリアの隣に何時の間に現れたのか、佇んでいる。

そして更にその横から、御堂が現れる。


「こりゃどう言う状況ですかい?若。」

「何、一連の騒動が今片付いた所だ。」


陳腐になった様な気がしなくもない

なんだかなぁ

でもこれ以上は出来そうに無い


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