紅魔郷EX=魔
読者諸氏は、図書室にもう一人、人間が居る事を覚えているだろうか。
「あんなのまともに戦ってたら死んじまうぜ。魔理沙ちゃんは師匠から慎重さを教わったんだぜ〜、なんてな!」
そう、このドサクサに紛れて本を盗もうとして居る魔理沙だ。
政亜は契約更新と言ったので、絶は契約書を破り捨て、新しく契約を結ぼうとした。そしてその後、新しい契約を結ぶ暇は無かった。何が言いたいかと言うとつまり、今の魔理沙は自由なのである。
魔理沙はそのまま、適当に魔道書を風呂敷に包んでいった。
そして、政亜とパチュリー。
彼らは、最早動けなくなっていた。
魔力が遂に切れ、何も出来なくなったパチュリーと、その前に立ち、パチュリーを庇って弾幕を逸らす事しか出来ない政亜。
やがて、三人のフランの内二人が弾幕を放つのをやめ、政亜とその後ろのパチュリーを覗き込む。
「・・・今ナラ殺セル?」
「・・・今ナラ壊セル?」
「ふむ、万事休す、か・・・!」
「ごめんなさい、紅魔館の事情に付き合わせて。」
呻く政亜に、パチュリーが謝罪する。
そして左右から、フランが掌を二人に向け、例の文言を言う。
「「キュットシテ・・・」」
と、その時。
「やぁーっ!!」
「そこまでだぜ!」
左のフランを正人が全身を使ったタックル―――とはいえ、突撃しただけ―――で抱きつく様に阻止し、右のフランを魔理沙が爆裂系統の魔法で吹き飛ばす。
一応は窮地を脱した政亜は、思考を加速させ、策を練る。
「(助かったと思うにはまだ早いな。吸血鬼は高い再生力を持つと聞く。十字架が効く可能性は、いや、さっき十字型の弾幕を自分で撃って平気そうだったな・・・)」
「ムゥ、邪魔!外ニ出タイダケナノニ!」
「秘弾「そして誰もいなくなるか?」!」
魔理沙に吹き飛ばされたフランは憤慨し、弾幕を撃ち続けていたフランはスペルを発動させる。
「・・・・・。」
何故か正人に羽交い締めにされているフランは動かない。
フランのスペルが発動、絶と正人に拘束されていない二人のフランが搔き消え、弾幕のみが皆を襲う。
「おいそこの人間と魔法使い!流石に見てられないから助太刀してやるぜ!報酬ははずんでくれよ!?いくら出す!?」
「そうだな、コインいっこ、なんてな?」
「いっこじゃ人命も買えないぜ!!」
「その分不法侵入はチャラにしてやる。」
軽口を叩きながら、魔理沙は弾幕を躱し、又政亜は弾幕を操作、安全地帯を作り上げる。
無論、パチュリーはその安全地帯に居る。
「・・・・・少し魔力が戻ったわ。」
「そうか、温存してくれ。」
パチュリーが言うと、即刻言葉を返す政亜。
フランの姿は消えたまま、弾幕の勢いが激しくなる。
しかし魔理沙には当たらず、政亜にはそもそも当たろう筈もない。
そうこうしている内に、スペルが終わり、二人のフランが姿を現わす。




