紅魔郷EX=方
「キャハハ!禁忌「スターボウブレイク」」
「アハハ!禁弾「カタディオプトリック」」
フラン二人でのスペルカード攻撃。
虹色の雨が降る中、青い大玉が高速で跳ね回った挙句、更に小型の弾幕を撒き散らす。
それは数、密度共に暴力的でさえあり、これには流石のパチュリーも堪らず切り札を切る。
「火水木金土符「賢者の石」!!」
宣言と共に、それぞれ火・水・木・金・土の属性を持つ五冊の魔導書がパチュリーの周りを飛び回り、それぞれ固有のパターンで弾幕を撃ち出す。
しかし最早ルール外のスペルを放つフランに対し、普通のスペルを放つ筈も無く。
更に五冊、又五冊と次々に本が浮き上がる。
やがて、五十もの魔道書が宙を舞い、フランを追い詰める。
又、政亜は―――
「ジャア、コレハドウカナ、カワセルカナ?禁忌「恋の迷路」ダヨ!」
フランを中心に、渦巻状に放たれる弾幕。渦巻は所々途切れていて、そこを走るのがこのスペルの正当な攻略法だ。
しかし政亜は付き合う気は無い、とばかりに目の前に来た弾幕を操り、方向を捻じ曲げ、弾幕の中をゆっくりとフランに近づいて行く。
更には外の世界、つまり現代社会の人間なのに、飛んでいる。
「下らん。『恋』と聞いたからには、『迷路』と聞いたからにはもっと複雑なものを考えていたのだがな。まあ、生まれてすぐ幽閉された者の描く恋などこの程度か。」
「ムゥ、アタレアタレアタレアタレアタレェェェェ!!」
スペルが終わり、フランは政亜に向け、無数の弾幕を高速で連射する。
しかし弾幕は寧ろ、政亜を躱す様に動いて―――いたのだが。
政亜がふらり、と傾く。
「ぐ、何だ?これは、眠気、か?」
政亜はそう言い残して、右手で顳顬の辺りを抑え、地に落ちた。
さて、絶はどうだろうか。
彼は―――格闘戦を行っていた。
しかしそれは高速であり、壁や天井などをも足場にした異次元の戦いだ。
余りにも速過ぎてパチュリーや政亜には時々二人の姿が空中に見えるのみとなっている。
「ドうセ本体でハ無イだろウ、クたばレ。」
そう言って腕を振るう絶。
では四人の内、本体は誰だろう?
そんな疑問を呈する暇も無いフランの猛攻。
「アハハ!アナタハ逃ゲナイ!壊レナイ!」
狂気的な、しかし嬉しそうな笑みと共に吸血鬼故の高い身体能力による、重量と速度、両方を備えた拳が絶に突き刺さる。しかし絶は―――彼もまた、人外。凄まじい一撃を受けても平然としている。
「抜かセ。俺とテ死ぬ。ツまリ壊れル。」
「デモ今壊レテ無イヨ?・・・ア、ソウダ。試シテミヨウ。キュットシテ・・・ドカーン。」
言葉と共に絶に掌が向けられる。
そして、無邪気に、ゆっくりと、何かを握り潰すかの様に握り込まれる右手。
それは絶の死が確定した瞬間だった。




