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紅魔郷EX=東

やっほ

できたし

魔理沙を捕らえ、再び本を読み出した政亜はパタリ、と本を閉じ、溜息を吐いた。


「・・・これならパチュリーノーレッジと話していた方が有意義だな。」


目敏く聞き取ったパチュリーは、政亜に対して提案を持ちかける。


「ん、パチュリーでいいわよ。それより政亜、貴方がさっき構築した魔法式、中々革新的ね。魔女の私が見ても充分価値があると思うわ。それで、提案があるのだけれど。」

「了解した、パチュリー。それで提案と言うのはッ!?」


政亜が言葉を返す途中で、図書館の奥から繰り返し轟音が響く。

轟く破砕音に、パチュリーは顔を青くする。


「ッ、あの子の暴走ね。雨を降らせて閉じ込めて・・・そして迎撃・・・あと、小悪魔はレミィに伝えて頂戴。」


ブツブツと、されど的確に指示を出すパチュリー。小悪魔が全力で図書館の入り口から飛び出て行く。


「何だ?あの子とは・・・ああ、成る程。」


一人で納得する政亜にも指示が下される。


「悪いけど政亜とそこの悪魔。自分で行動してくれるかしら。厄介な事になったわ。」

「了解した。おい絶、契約更新だ。その魔法使いも戦力に加えるぞ。」

「了解ダ。おイ、魔法使い。下手な真似ヲするナよ?殺さレたケれば別ダがナ。」

「冗談じゃないぜ。」


絶が契約書を破り捨て、政亜がそれに何か言おうとした、その時。破砕音が一際大きく響いて、その直後、静寂が訪れる。油断なく警戒するパチュリー、政亜。

絶は人間にも友好的だがやはり悪魔、ニヤニヤしながら音の響いていた先を眺めている。そこからフランドール・スカーレットが現れ、パチュリーの魔法を無造作に振り払う。


「今日ハパチュリーシカ居ナインダネ。」


絶と政亜を無視して告げられる声。

絶は酷く気を悪くした様子でフランの眼前に仁王立ちする。

そして、政亜は存在を悟られぬ様、コソコソとフランの背後に回る。


「邪魔、ドイテ。」

「退けト言ワれテお前ハ退くノか?」


何を馬鹿な事を、とばかりに言う絶に苛ついた様子のフランは手を向ける。


「キュットシテ・・・」

「(掛かった。A6縛陣、だ。これは侵入者撃退用のトラップだが・・・。)」


フランの注意が絶に向いている隙に、政亜が術式を起動、本棚や壁、椅子や机から無数の糸が射出され、フランを雁字搦めに縛り付けて動きを封じる。

フランが糸を振り払おうと体に力を込めた頃には、


眼前には肥大化した右腕を構える絶が、

背後には魔力球を掌に生み出した政亜が、


どちらも高速で、迫っていた。


魔丸掌まがんしょう。」「喰ラえデーモンブロウ。」


先ずは政亜の掌底しょうていが命中。

魔力球が破裂し、威力は倍加。絶の攻撃に対して身構えていたフランは不意打ちを喰らい、体が逆「く」の字に折れ曲がる。

そこを急襲する、肥大化したばかりか、爪が鋭く、硬い外装に覆われた、正に悪魔の腕。受けたフランは今度は「く」の字に折れ曲がり、屈んだ政亜の上を吹き飛んで行く。


「・・・!?」


「陽動が上手ク行っタナ、若。」

「若と呼ぶな、絶。追撃するぞ。」


驚愕で声も出ないパチュリーを尻目に、絶は軽く息を吐き、政亜は油断なく構え、突撃。


「魔力砲!」


突き出された政亜の拳を追従するかの様に四つの光弾が撃たれる。

それはフランが激突した位置に立ち上る煙を切って着弾する。


「全弾命中。絶!正人は何処だ!」


声を張り上げる政亜。

しかし彼の活躍も、ここまでだった。


「アア、ウットウシイウットウシイウットウシイウットウシイウットウシイ!!」


莫大な力の奔流が、空気を揺らす。

それは油断の無い政亜をオーラだけで吹き飛ばし、絶が顔をしかめる程。


「何デコンナ目ニ・・・何デコンナ目ニィィィィ!!!!」


フランの姿が搔き消え、絶が無造作に眼前を殴る。

すると何時いつの間にそこへ移動したのか、絶と互いの拳を打ち合わせるフランが現れる。


「ヘェ、ナカナカヤルネ。」

「ソりゃドうモ。」


軽口を叩く絶と後ろに跳び、無意識に間合いを取るフラン。

吹き飛んだ政亜は必死に策を練っている。


「(ここまで彼我の差が激しいと撤退しか無いがしかしそれを許してくれる筈は無い。取れる手段としては・・・援軍に期待するしか無いか?)」


政亜がそう考えている内に、パチュリーが本格的に臨戦態勢に入る。


「く、〈業火インフェルノ〉!」


フランは地獄の業火を妖力波で搔き消し、パチュリーに告げる。


「ダメジャナイ、ルールヲヤブッチャ。」

「ルール?〈封氷コキュートス〉!」


飛来する封印の氷塊を全て弾幕で撃ち落とし、フランはパチュリーに再び告げる。


「スペルカードルール、ダヨ?禁忌「クランベリートラップ」ドウカナ?」

「そう、スペルカードルールね。じゃあ日符「ロイヤルフレア」。」


四方から放たれる妖力が濃縮された弾幕。

それをパチュリーが放った巨大な火球が焼き尽くす。


「ムゥ、禁忌「フォーオブアカインド」!」


瞬く間にフランの姿が四つに分かれ、別々にパチュリー、政亜、絶に襲い掛かる。

尚、パチュリーのみ二人掛かりだ。


「「「「アハハハハ!禁忌「レーヴァテイン」!!」」」」


更に四人のフランは手に燃え盛る魔剣を召喚し、斬り掛かる。


「く、月符「サイレントセレナ」!」

「操符「害するは報いなり」。」

「イケニエ「虚無と化す技巧」!」


各々、スペルカードでこれを受ける。


パチュリーのスペルでは雨の様に弾幕が降り注ぎ、また同時にパチュリー自身からも放射状に弾幕が撃たれる。弾幕で剣の届かない位置までフランを下がらせた。


政亜のスペルが発動すると、政亜に向かっていたフランの弾幕が全て逆行、フラン自身に牙を剥く。


絶がスペルを発動した途端、相手のスペルであるレーヴァテインがフランの手から消え、絶に向かっていたフランの弾幕も同時に塵と化す。


絶はニヤリと笑い、政亜は鼻で笑い、パチュリーはまさかと目を剥いた。

フランは苛立ち、更に攻撃が激しくなり弾幕ごっこの範疇を超える。


「ここからが本番らしいな。」

「あア、若。策に期待しテいルぞ。」


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