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紅魔郷4面 悪魔の館

 ぶ

  そ

   く

  で

 す

魔理沙は誰も居ない廊下を猛スピードで飛んでいた。


「なんでこんなに誰も居ないんだぜ?」

「お答えしましょう。」

「うわっ!?」


魔理沙がふと疑問を呈すると、隣に突如として並走するメイドが現れる。


「こちらはお嬢様の命では通しても良い方向ですから、守備を配置していません。・・・お帰りはあちらですよ。」

「お帰り、ってお客様だぜ?もうちょっともてなしてくれても良いんじゃないか?」

「いえ、貴方は不法侵入者ですので。」

「そうかよ。ま、このまま押し通るぜ!」

「どうぞ、ご自由に。そちらにはお嬢様のご友人がいらっしゃいます。失礼の無い様になさいませ。」


魔理沙はそのままの勢いで廊下を爆進した。

咲夜が持ち場に戻ると、御堂に声を掛けられる。


「メイド長、あの不法侵入者、話聞いてやせんね。」

「・・・何故知っているのですか?」

「いや、音の反響を『完璧に』聞いてたんでさぁ。不法侵入者は今頃若の所でしょう、可哀想に。ロクな目に遭わないんじゃありやせんかね?」


音の反響のみを聞き分け、遥か遠くの廊下での話を聞き取ったという御堂。

その事実に戦慄する咲夜を他所に彼は話し続ける。


「全く、若の所に行ったら多分『此処は破られても異変は解決しない。つまり絶対に破れなくても問題は無い』とか言ってる若によって罠とか謀略とか全員での袋叩きとかに遭うに決まってやすよ。あの不法侵入者も馬鹿な事をしやしたねぇ。・・・・・どうしたんですかい?そんな化け物を見るような目でこっちを見て。何かおかしな事でも言いやしたか?」

「いえ、失礼しました。」


短い返答に御堂はこう、言葉を漏らす。


「・・・もうちょっと喋っても良いんじゃありやせんかね?」

「職務中ですので。」

「つれやせんねぇ。」


その後、二人は霊夢と刃が来るまで無言で廊下で待機した。



一方、人の話を全く聞いていなかった魔理沙は、大図書館へと突撃した。

バァン!と音を立てて、大図書館の扉が魔理沙によって開かれる。


「邪魔するぜ!」

「図書館では静かにしろ。」


途端、飛んでくる政亜の叱責。

だが魔理沙は無かったものとして独り言を続ける。


「おぉ、本がいっぱいだ。後でさっくり貰っていこう。」

「もってかないでー。」

「絶。やるぞ。」


寝室から帰ってきていたパチュリーは自分で動く気が無い様だ。

もってかないで、とは言いつつ立ち上がる気配が全く無い。

また、魔理沙が『貰う』と言った途端、政亜から殺気が漏れ始める。

そして名を呼ばれた絶が椅子からやれやれ、と言った様子で立ち上がり、スタスタと歩いて行き、魔理沙の背後の逃げ道、つまり大図書館の扉を塞ぐ。

絶の動きは余りにも自然で、魔理沙に逃げる機会を失わせた。

そうして前後を挟まれた魔理沙は流石に無視し続ける訳にはいかず、政亜にこう言う。


「・・・中々物騒なお出迎えだぜ。」

「本を持って行こうとは中々太々(ふてぶて)しい客、いや侵入者だな?俺の目の前で本を盗もうとは良い度胸だ。」

「持って行くなと言われて持って行かないなんてこの魔理沙様には相応しくないんだぜ!そう言う訳でお前を倒して頂いて行くぜ!」


そうして、魔理沙が政亜に勝負を挑もうとした時、魔理沙は首根っこを掴まれ、引き止められた。


「おっト。オ前の相手ハ俺ダ。」

「は、離せ!」


魔理沙は絶との勝負を拒否する。

よって弾幕ごっこは成立しない。


「そうシたイのハやまヤまダガ、仕事なんデな。」


ジタバタと暴れる魔理沙を猫を捕まえるかの様に掴んだまま持ち上げ、空中に浮かせる絶。

しかし、魔理沙は飛べる。

魔理沙は直ぐに加速、離脱しようとしたが。


「・・・対価ハ魔力。奪ウハ翼。」


絶がそう言うと同時に前方に引っ張られる様に飛ぼうとしていた魔理沙がガクン、と落ち―――絶がまだ掴んでいる為―――宙ぶらりんになる。


「なっ!?何しやがったんだ!?」

「黒魔術ダ。魔法使いなラ知っテいルだろウ?」


それを聞いた途端、魔理沙の動きがピタリと止まる。

そして魔理沙は怪訝そうに、絶に尋ねる。


「黒、魔術?黒魔法じゃなくてか?」

「少なクとモ俺ノは黒魔術だナ。」

「ふーん・・・離してくれ。暴れないから。頼むぜ。」


しばし考え込んだ後、魔理沙は懇願する。

彼女は自分が不法侵入者だと言う事を忘れているのだろうか?

そして、その声に応えたのは絶ではなく、政亜。


「絶、契約を用意しろ。」

「オい、魔法使イ。此処ニ署名しロ。」


政亜の命令により、懐から紙を取り出す絶。

契約書、と書かれており、いくつか条件が連ねられている。


「悪魔の契約か!これは珍しいぜ。どれどれ?」


契約書の条件を見ると、こうだ。


一、暴れるな。

二、逃げるな。

三、不審な動きを見せれば殺す。

四、上三つは霧雨氏が館を一度出るまでの間有効とする。

五、「館を出る」のは連続して十分以上館の外に居なくてはならない。


「3個目が物騒すぎないか?ま、構わないぜ。ええと、ここに『霧雨 魔理沙』っと。」

「契約成立ダ。一度お前ガ館を出レば効果ハ無クなる。良心的だロ?」

「ああ。・・・ここの本、読んで構わないか?それぐらいは許される筈だぜ?」


そう言う魔理沙に、政亜は容赦なく告げた。


「黙れ不法侵入者。お前の処遇は保留だ。絶、見張っておけ。」

「ええー・・・そりゃ無いぜ・・・・。」


魔理沙のその声は勿論、黙殺された。





(( _ _ ))..zzzZZ

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