紅魔郷3面=Another 門[前]番と補佐
魔理沙の後に続く霊夢と刃は、紅い館の門の前に居た。
筋肉男に喧嘩を売られ、刃が買った為である。
「ここを通りたいのならオレを倒せ。腑抜けは帰りな!」
「喧嘩を売られて買わ無ェ訳にはいか無ェな。西の番長、刃だ。」
「じゃあこちらも名乗ろうか。我流格闘家、剛だ。」
そして彼等は弾幕ごっこではなく・・・殴り合いを始めた。
「フッ!」
刃が高速で踏み込み、右ストレートを打つ。
非常に速く、剛の顔を狙い、体重の乗った一撃が放たれる。
剛はその狙いに気づき、向かって左側から来る拳に左手、そして右手を添え、刃の拳を捕らえ、引くと同時に刃の軸脚を払う。
結果、刃は宙に浮き、ひっくり返って頭から地面に激突・・・するかに思われたが、空いていた左手を地面につき、バネの様に左腕をしならせ、空中で前転、そのまま着地する。剛は敢えて、その着地に手を出さない。
そして振り返った刃に剛はこう告げる。
「思ったよりやるな?」
「男なら真っ向勝負しやがれ。テメェみたいな拳を流す相手は嫌いだ。」
「おいおい、殺人拳を正面から受けろってか?」
「テメェ十分受け切れる身体してんだろうがよ!」
軽口の応酬。
その後再び、刃が攻勢に出る。
刃が全力で突き出した右の拳が再び、剛に捕らえられかけた瞬間、嘘の様に踵を返す。
刃が全力で突き出した筈の拳が、元の位置へと戻っているのだ。
「なっ!?」
再び引き絞られた刃の右腕が、剛が寸前で顔と拳の間に滑り込ませた左腕を直撃する。
「―――ヘヘッ。連拳、と呼ばれた技だ。」
ニヤリ、と笑う刃に、剛は左手を水気を切るかの様に振るい、構え直す。
しかし、剛は考えを変えたかの様に、構え直したその両腕から力を抜き、頭を掻きながらこう言う。
「・・・有効打、だな。オレの負けだ。」
「は?まだやれるだろ?」
驚き、問いかける刃。
しかし帰って来た返答は。
「いや、今のは『弾幕ごっこ』とやらを変則的にやったつもりだったんだが。」
「・・・・。」
黙る刃。
そこで、霊夢が口を開く。
「良いじゃない。通して貰えるんならさっさと行きましょ、刃。」
「あ、ああ。そうだな。」
しかし、また別人の声。
「待ちなさい!門番は私です!ここを通るなら私を倒して―――」
美鈴だ。門番としての職務を全うしようとする彼女に、剛が声を被せる。
「待てよ、美鈴。野暮は無しだぜ?コイツは中々骨がある。通してやれ。」
「骨がある相手こそ通してはいけないでしょうが!!」
美鈴と剛がそう、言い争っている間に、霊夢と刃はさっさと門をくぐり抜けた。




