紅魔郷1、2面 魔精夜行絵巻
原作に寄せつつ、二次設定も壊さず・・・
難しいなぁ(´ω`)
魔理沙は猛スピードで飛んでいた。
そして道を阻む妖精達を吹き飛ばす・・・その前に水の塊が妖精達を飲み込み、地上へ連れて行く。
魔理沙は不審に思ったが、邪魔じゃないなら良いんだぜ、とカッ飛んで行った。
そして、後に続く霊夢と刃。
霊夢は刃の危なっかしい飛行に―――流石に飛行まで初心者に楽々こなされては博麗の巫女としても幻想郷の住人としても面目が立たないので―――少し安心しつつ、魔理沙と同じく妖精達を連れて行く水の塊を不審に思う。
すると、黒い球体がふよふよと漂っているのを見つけた。
「オイ、霊夢。あれは何だ?」
「あれは確かルーミア。闇の弱小妖怪ね。まあ弱小って言っても一般人じゃ勝てないけど。」
「よし、ならアイツで少し練習・・・ぐ、が!?」
「何?」
途端、辺りを襲う重圧。
刃は息を詰まらせ、霊夢はさすがと言うべきか、落ち着いた様子だ。
刃と霊夢が辺りを見回すと、ルーミアと霊夢の間に水の塊が割って入って来た。
水の塊はゴポゴポと音を立て、中から青年の形をした水がせり出して来る。
「無用な攻撃はやめてほしいな、博麗の巫女さんとその補佐さん?」
「アンタ何者?大妖怪の類?」
「ああ、自己紹介がまだだったね。僕は彗。水の大精霊と呼ばれているよ。ま、ここに居る僕は分体だけどね。さて、補佐さん、練習がしたいなら僕が相手になってあげるよ。」
彗がそう言うが早いか、重圧が減る。
そして彗は刃に向き直り、両腕を広げる。
と、同時に黒い球体から人間の腕を齧る少女が現れる。
「むしゃ、んむ。あれ?彗と博麗の巫女と・・・誰なのだ?」
「オレは刃、博麗の巫女の補佐だ。」
「そーなのかー。じゃあねー。」
そのまま、ルーミアは再び黒い球体を纏い、ふよふよと飛び去った。
後には微妙な空気の霊夢、刃、彗。
「あー、練習。していくかい?」
「そうね、刃。練習しときなさい。アンタ結構天才だけど弾幕ごっこ一回もやった事無いでしょ?」
「ん、じゃあ頼む。」
「任された。じゃあ、まずはこの動かない的を撃ってみようか。」
彗がそう言った途端、水の塊が蠢き、四つの小さな水の球が空中で静止する。
「まるでチュートリアルだな。オラ、よッと!」
刃は順次、撃ち落とす。
霊夢は欠伸をしている。
彗はかるく目を見開き、少しばかり驚いている。
「弾幕のコントロール精度は上々だね。じゃ、次は僕が撃つから、避けてご覧。」
様々な軌道で撃ち出される水弾。
刃はまるで格闘戦をしているかの様にその場で全てを躱し、拳を構えている。
「成る程?そこそこやる様だ。じゃ、僕と弾幕ごっこをしてみようkガッ!?」
「あたいけんざん!しょうぶだ!」
話している途中の彗の真下から急上昇して来た氷の羽を持つ少女。つまり何が起こったかと言うと。
少女は彗の顎に頭突きをかましたのである。
「痛たたた・・・・そうだね、まあ良いや。チルノ、そこのお兄さんの練習相手をしてあげてくれるかい?」
「スイ、わかった!やいそこのおにいさん!あたいとしょうぶだ!」
「・・・女はガキでも殴ら無ェ主義なんだがな。ま、やろうってんなら容赦し無ェ。」
チルノの挑戦を刃が受ける形で、『勝負』が成立する。
すると、チルノと刃の周りを結界が包み、霊夢と彗は弾き飛ばされた。
「おっと。」「!?」
結界は直方体となり、横槍が入らない状況を形成する。
霊夢は紫の話を聞き流して居たのだろう、結界に驚いている。
「なるほど?喧嘩専用場所ってェ訳か。」
「いくぞー!せんてひっしょー!!」
チルノはそう言うが早いか、懐から一枚のカードを取り出す。
「氷符「アイシクルフォール」!!」
チルノは左右に弾幕を撃ち、同時に刃に向けても色の違う弾幕を撃ち出す。左右に撃たれた弾幕は弧を描きつつ、刃の方へと向かって来る。左右から迫る弾幕と、直接刃を狙う弾幕の同時攻撃である。
それを刃は―――
「なるほど、弾幕ってのはこう言う物だったのか。」
―――等と呟きながら、危なげなく全てをギリギリで躱してゆく。
「なんであたらないんだー!」
「喧嘩には慣れてるから、拳の届く距離なら気配で避けられる。西の番長と呼ばれたこのオレを舐めるなよ?」
そう言いつつ、刃は弾幕を生成。
そのまま両者は互いに通常弾幕を撃ち合う。
しかし、少しずつ距離が近づいている。
「オレの喧嘩殺法、目に焼き付けやがれ!」
「このぉー!!」
距離が近づくにつれ、刃は笑い、チルノは顔を歪ませる。
そして遂に。
「いたっ!?」
「オレの勝ち、か?」
刃が弾幕の隙間を縫ってチルノに近寄り、デコピンを喰らわせた事によって勝負が決まった。
同時に結界が解除され、彗がチルノに駆け寄り、霊夢がフワリ、と刃に近寄る。
「チルノ、大丈夫かい?」
「あたいさいきょーだからだいじょーぶ!」
「なら良かった。一応〈治癒〉」
彗がチルノの額に治癒魔法をかけているのを横目に見つつ、霊夢は刃に声をかける。
「アンタ案外強いのね。まあ、拳の届かない距離からの速い・・・そうね、光線とかには気をつけなさい?」
「んなモン撃つ奴居るのか?ヤベェな、幻想郷。」
「ま、勝負は終わったし行きましょ。早くしないと置いて行くわよ?」
「な、おい、待てって!」
これにて霊夢と刃は、歩を進めた。
一方、霧の湖のほとり、つまり地上では。
「ちるのがちるのー」「ごぼぼぼぼ」「すいやばーい」「すいだーにげろー」「ちるのまけたー」「おぼれるー」「HA☆NA☆SE!」「だいちゃんにがしてー」「ふみうー」「ちるのー」「すいー」「しぬのー」
「え、ええっと、あの、起きて下さい!」
水の塊に捕らえられた妖精達が口々に思い思いの言葉を口走り、彗とチルノを出迎えていた。
その近くには『だい(大)ちゃん』こと大妖精がおり、その隣でうたた寝している水の塊ではないきちんと色のついた彗を起こそうとしている。
「ああ、大ちゃん有難う。あの紅い霧は妖精達を狂わせるみたいだからね。僕の近くは大丈夫だけど逃げた子は居ない?」
分身体の方の彗が、大妖精に声を掛ける。
「あ、彗さん!どうしましょう!?フラム君が逃げちゃいました!」
「あいつにげ「チールーノー?」むぅ・・・ふらむ、にげたのか?」
「うん、よくできました。」
『フラム』を『あいつ』と呼んだチルノを彗が叱り、チルノが不承不承ながらも言い直す。それを彗が撫で、チルノは嬉しそうにしている。
言動からすると、チルノは『フラム』が嫌いな様だ。
彗はチルノを撫でながら、大妖精に自分の所見を告げる。
「まぁ、フラム君なら早々やられる事もないだろう。そもそも君達妖精は死なずに『一回休み』になるだけだし。」
「それでも心配です!」
「うーん、分かった。探してみるよ。」
そう言って彗は胡座をかいて座り込み、集中し始めた。
当然の様に、いや、当然チルノが彗が胡座をかいた内側に座っているが、それはご愛嬌だ。
_(┐「ε:)_




