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酒呑み鬼と酒造り鬼

ちょっと考えて、また投稿する事にした。

ちなみに書き溜めは少しだけあるヨ。


では本文行ってみよー

ここは人里離れた、森の奥の洞窟。

そこには無数の、巨大な木樽が並んでいた。

辺りには濃いアルコール臭が漂う。

普通の人間なら近づくだけで酔うだろう。


そしてその洞窟の中心で話す妖怪が二人。


片方は二本のツノがあるちまっこい女性の鬼で、ずっと瓢箪から酒を呑んでいる。完全に酔っている様だ。なお、手に鎖が付いている。


もう片方もちまっこい。だが、男性の鬼でツノが二本の内一本折れており、筋肉質だ。また、女の鬼の話を聞きながら時折木樽に立て掛けられたハシゴを登り、木樽の中の酒をかき混ぜている。


「なぁ、酒鬼しゅきぃ〜、聞いてくれよぉ〜。」

「何だ、萃香すいか。」


ずっと呑んでいた方、萃香が樽を混ぜていた方、酒鬼に話しかける。

酒鬼は冷淡な様にも取れるが、誰に対しても淡々とした鬼である。


「こないだ紫の奴がさぁ、『天夜ったら『僕の可愛い紫』なんて言ってくれて!』とか惚気のろけてきたんだよ〜。」

「・・・ふむ。」


酒鬼は萃香の話を半分聞き流しながら、樽の中の酒を少し口に含み、利き酒を始める。

たが、萃香もお構い無しに話を続ける。


「それで思ったんだよ、私もこう、恋人とか欲しいなぁーってさぁ。」

「ふむ、今年も中々良い出来だ。・・・その話を俺にしてどうする。恋人ならば他を当たれ。」


酒の出来に納得した酒鬼は、そう、萃香に冷たく言い放つ。

ちなみに何度も言うが、酒鬼はこれでも優しい対応をしている。


「そういう酒鬼は恋人とか居るのk・・・・・あー、いや、御前(おまえ)は酒造が恋人、か。」

「よく分かっている。」

「むぅ・・・。」


冗談のつもりで言った『酒造が恋人』を肯定され、少し拗ねた様子を見せる萃香。

酒鬼はそんな萃香に気付かず、むしろご機嫌、と言った様子で樽と樽の間を歩いて行く。

その先、洞窟の更に奥には、かまどと戸棚、簡素な寝床があるのみだ。


「あれ?おい酒鬼、酒造りは?」

「そろそろ腹拵えを少し、な。」

「そうか、私はここで呑んでるから一緒に呑みたかったら来なよ?」


萃香はそう言って、再度酒をあおり、ちら、と酒鬼の方を見た。

しかし、期待していない事は声から滲み出ていた。

故に―――


「ああ、久方ぶりに、そうしようか。」

「ぶっ!?本当か!?やった!」


―――酒鬼の返答に、口に含んでいた酒を吹き、酒鬼に直撃した。

ポタリ、と服からしたたる酒の雫。

だが萃香と酒鬼は微塵も気にせず、盃を掲げ合う。


「乾杯だ。」「乾杯♪」


二人はその日、日が落ちるまで酒を酌み交わした。


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