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家庭料理は良いものだ

数時間後の話になるが・・・

刃は、ふと寒さを感じて目を覚ました。


「う、うぅ・・・・ん?ここは、ああ、そうだったな。神社、神社だ。そんでもってオレがこんな所に居るのは全て秋山・・・じゃねェ、天夜のせいだ。」


そう言って、刃は体を起こし、辺りを見回し、誰も居ない上に夜であると気づく。

そのままどっこいしょ、と爺臭く立ち上がり辺りを物色するが・・・。


「(ハラが減って死にそうだ。背に腹はかえられん、冷蔵庫冷蔵庫・・・いや、こんな古臭い建物にある訳無いk・・・あったじゃねェか。)」


古い台所に、ポツンと異彩を放つもの―――電気式冷蔵庫が置いてある。

まあ、台所自体が板張りだがすみは土間で井戸であったり、ガスコンロに見せかけて炭火だったり、和洋どころか時代さえ統一感の無い状態なのだが。


「これ電源どうなってるんだ?訳がわからんな・・・・。」


ブツブツと言いながら刃は冷蔵庫を開ける。


「・・・ほとんどからじゃねぇか。しかし生魚と野菜か・・・手軽に食える物は無さそうだな。」


刃はそう言って冷蔵庫を閉め、そのままタンスを調べにかかる。


「これは、あー、日記か?」


日記には色々とつづられている・・・。



☆月%日

今日は白ご飯とお味噌汁を食べた。

なんて贅沢だろうか。


☆月X日

今日は宴会になった。

魔理沙がキノコを持って来たが、誰も食べなかった。

折角の宴会だから奮発していいお酒を買って来た。


☆月♪日

少しお金が心もとないので、倹約として、

今日のご飯は昨日魔理沙が持って来たキノコにした。

食べると笑いが止まらなくなった。

神降ろしで無理矢理止めてやった。


☆月U日

今日は特に書く事も無い。

でも色々道具を修理に出したら資金が底をついた。


☆月*日

お賽銭が一円入っていた!

と思ったら子ダヌキのイタズラだった。

勿論探し出してボコボコにしてやった。


☆月Q日

今日はお茶も無かった。


☆月&日

ひもじい


☆月=日

なんと紫がご飯をくれた!!

三日ぶりのまともな食事だ。

ついでになんか強そうな妖怪と変な男が幻想入りし「人の日記を見るのは楽しい?」


「うぉッ!?」


日記を読んでいた刃に突如としてかけられる冷たい声。

日記の持ち主、霊夢である。

驚いて叫ぶ刃。


「・・・取り敢えず、返して。」

「お、おう。」

「・・・殴られる準備は良い?」


拳をゆっくりと握りこむ霊夢。

しばし二人の間に沈黙が流れる。


「・・・・・あー、そう言われて誰が素直に殴られッ!?危ねェなオイ!」

「あら、人の日記を読んで殴られないとでも?って躱すな!当たりなさいよ!」

「冗談じゃ無ェ!」


体術を駆使する巫女と、鋭いそれを危なげなく躱す刃。

争う理由は下らないが、凄まじい攻防が繰り広げられている。



約、20分後。

二人共息を荒げる様子も無いが、精神的に疲れてきた様だ。


「やるじゃない。」

「そっちこそ、な・・・。しかしそろそろ不毛たァ思わねェか?」

「ま、確かにそうね。久々にいい汗かいたわ。」


いい加減バカらしくなった二人は暴れたことでぐちゃぐちゃになった部屋の掃除を始めた。そして刃がふと、口を開く。


「・・・なぁ、お前がマトモにメシえてェのってさ。」

「何よ?」

「宴会のせいじゃェか?」

「そうかもしれな「グゥ〜〜〜ッ」


響き渡る、腹の音。

霊夢は赤面し、お腹を押さえた後、刃を親のかたきでも見るかの様に睨みつけた。


「・・・。アンタ、聞いた?」

「聞い・・・。」


刃がそう言いかけると、赤面したまま、霊夢がゆっくりと拳を握る。


「ちょ、聞いてねェって!だがまあ、オレも腹が減った、何か適当に作るが霊夢も食うか?」

「ふぅん、じゃあ、お願いするわ。」

「うし、物凄ェ美味いやつを食わせてやる。覚悟しとけよ?」

「あーうん早くして頂戴。」

「釣れねェ奴め。」


約、五分後。


「ヘイお待ちどう、ッてか。魚はオーソドックスに焼きで、野菜は揚げてみたぜ。」

「ガツガツ」


一心不乱にかき込む霊夢。


「って聞けよ。ま、良いか。美味そうに食ってるし。」

「むしゃむしゃんぐんぐ・・・・・ん!」


空になった皿を突き出す霊夢。

そして刃は霊夢を―――


「おかわりならねェぞ。冷蔵庫が空になったからな。白米しか無ェ。」

「えっ」


―――地獄に突き落とした。

この世の終わりのような顔の霊夢を横目に、刃はある事に気づいた。


「あっそういやオレ何も食ってねェな。」






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