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人喰い妖怪と行商人

ここは人里離れた、かと言って妖怪の住処でも無いし、建物も何も無い普通の平原。


「ふむ、ここら辺で良いっすかね。」


そう言って、見慣れない燃える様な赤毛の男は足元に渦巻いていた魔法陣を消し去った。

その男は巨大な鞄を背負っており、紅玉ルビーの様な目を光らせ、人里目掛けて歩き出した。

が。


「うおっ!?」


男をただただ暗いばかりの闇が覆う。

視界が塞がれ困惑する男。


「あなたは食べてもいい人類?」

「駄目っすよ。喰われちゃ商売出来ないっすからね。」


そこに響く少女の声。

男は当然ながら、それを拒否する。


「そうなのかー。でもこれで3日何もたべてないのだ。何か食べ物持ってないかー?」


すると闇から少女が現れ、食べ物をねだる。

何を思ったか、男はしばし思案した後、こう言った。


「まあ、自分の腕ぐらいなら食べて良いっすよ。商売道具で何とかするんで。」

「わーいやったのかー!」


ガブリ、と少女が男の腕に噛み付くが。


「か、硬いのかー。」

「あっ、ごめん悪かったっす。ええと〈硬化〉並びに守備系スキル解除。スキルオーダー・〈蜥蜴の尻尾切り〉」


男がそう言うと、男の腕がポロリ、と綺麗な断面で落ちる。


「これで食べられる筈っすよ。ああ、君名前は何て言うんすか?自分はサンっす。」

「私?ルーミア。サン、腕ありがとー。」

「じゃあルーミアさん良い一日をっす!」

「さよならー。なのだー。」


そう言って二人は別れた。

サンは人里へ、ルーミアは湖のある方へ。

サンは馬鹿でかいかばんを背負って、

ルーミアはサンに貰った腕をかじりながら。


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