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第20話

「紗弥、どうしたんだ? なんか最近その……積極的というか……」


「………」


 高志は勉強道具を鞄に仕舞いながら紗弥に尋ねる。

 そんな高志の方を振り向き、紗弥は真剣な表情で高志に尋ねる。


「高志……」


「何?」


「あのさ……どこにも行かないよね?」


「え? どこに?」


「だから……その……ずっと私の側に……居てくれるよね?」


 そう言ってきた紗弥の顔はなんだか不安そうだった。 なんでこんな事を紗弥が聞いてくるのか、高志は何となく想像がついた。

 最近はクリスマスの為にバイトを探したり、プレゼントを探したり、デートコースを調べたりとコソコソしすぎていた高志。

 その結果、紗弥に不安を与えてしまったのだろうと高志は考える。


「紗弥」


 高志は紗弥の名前を呼び、紗弥を優しく抱きしめる。

「大丈夫だよ……俺はずっと紗弥の側に居るから……」


「ホント?」


「あぁ……最近はちょっと忙しくてさ……今は言えないけど、ちゃんと説明するから……だから今は俺を信じてくれ」


「うん……」


 紗弥はニコッと笑みを浮かべて紗弥の背中に手を回す。

 不安だった気持ちが紗弥の中から無くなり、安心感が紗弥の心を包む。

 考え過ぎていた自分が馬鹿らしいと思えてしまうくらい、紗弥は高志の言葉を聞いて安心した。


「そろそろ寝よっか、明日も学校だし」


「うん、そうだね」


 高志達がそんな話しをしていると、部屋の扉が少しだけ開き、どこか別な部屋に行っていたのであろうチャコが部屋の中に入ってきた。


「ニャー」


「ん? チャコ、お前どこ行ってたんだ?」


「ニャ………」


 そんな高志の言葉に、なんだか疲れ果てたように返事をするチャコ。

 そのまま自分の寝床に真っ直ぐ向かい、チャコは丸くなって眠り始めた。


「なんだあいつ?」


「遊び疲れたんじゃない? それよりも私達も寝ないと」


「あぁ、そうだな」


 高志と紗弥は二人でベッドに入り、横になる。

 紗弥は高志に腕に抱きつき、顔を少し赤らめながら目を瞑る。

 高志は隣で紗弥が寝ている事に緊張しながら、目を瞑り、早く寝てしまおうと眠気が来るのを今か今かと待つ。


「ねぇ……こうやって二人で寝るのってさ……始めてだよね?」


「そ、そうだな……」


「高志が隣に居ると……安心する……」


「そ、それは良かった」


 そんな事を言っている高志の心の中は激しく動揺していた。

 好きな子が隣で寝ていると言うだけでもドキドキなのに、加えてそんな事を言われてしまっては落ち着いて居られるわけが無い。


(あぁヤバイ……なんか隣から凄く良い香りがしてくる……紗弥の胸とか思いっきり腕に当たってるし……)


 そんな事を高志が考えていると、暗闇の中で何かが動いているのを高志は感じた。

 なんだろうと高志が不思議そうに見ていると、その物体は高志の胸の辺りにやってきた。


「にゃー」


「チャコ? お前寝たんじゃ……」


「にゃ……」


 チャコは高志と紗弥の間に無理矢理入り、丸くなって再び寝始める。


「あら? チャコちゃんも一緒に寝る?」


「ごろごろ……」


「残念、チャコちゃんに隣取られちゃった」


「し、仕方ないな……」


 そんな事を言いつつも高志は内心安心していた。

 あのままでは紗弥に何をしてしまうか分からなかった。

 これで落ち着いて眠れる、そう考える高志はチャコの頭を撫でる。


「んにゃ……」


「ありがとな……」


「………にゃ」


 これで落ち着いて眠れる、高志はそんな事を思いながら再び目を瞑る。

 そして数分後……。


「スー……スー……」


「ごろごろ……」


「………ぶっ………眠れん」


 高志の頬にチャコの前足がぶつかる。

 隣に来たチャコの寝相のせいで、高志はことごとく眠気を吹き飛ばされていた。


「勘弁してくれ…………イデッ」


 高志はそんなチャコの前足をどかす、しかし今度は後ろ足が高志の頬にぶつかる。

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