311話 マ・アース・ジャ・ハーナの神話「創世記」
まず初めに、神は、混沌の中から一粒、キラキラ輝く砂粒をつまみあげられた。
それは星となった。
神は星に降りられた。
星の世界は果てなく、ひたひたと、「水」に浸されていた。
一日目、
神はそのあふれんばかりの水を「海」と名付けられた。
水のないところは、「空」と名付けられた。
次に神は海の底の底から、ひとつかみの「土」をつかみ出し、放られた。
それが「山」となった。
次に神は「火」をおこし、暖をとった。その火が燃えたあとに草木の芽が生えだし、やがて大きな「樹木」となって山を覆った。
最初の七つの子が、マ・アース・ジャ・ハーナの愛し子である神である。
パルベ(水)、ゲム(海)、ガザカンド(天空)、オル・フェーケリヤ(土)、エルト(山)、ベルパ(火)、ネシウス(樹木)、である。
二日目、
神はその御足で大地を踏まれたのち、降りたところを「大地」と名付けられた。
そこまでつくったら眠くなったので、「夜」をつくってお眠りになった。
三日目、
ひと眠りして起きると、「昼」をつくられて、世界を飽くことなく眺められた。
それから、はたと思いついて、ラスカニャには「太陽」を。アカラーには「月」をつくられた。
そして、「雲」で空を覆われた。
できた世界を神は眺められ、ひとまず満足のため息を吐かれた。
それが「風」となった。
四日目、
神はまた海の底の底から土をつかみ出し、今度はセパイローをつくられた。
五日目、
セパイローはマ・アース・ジャ・ハーナの夫となり妻となって、世界を旅してまわった。
六日目、
マ・アース・ジャ・ハーナとセパイローは、ともにたくさんの神をお産みになった。
七日目、
バンヴィが生まれた。
セパイローの真似をして、勝手気ままに別の星をつくろうとし、シカの姿に変えられ、追放された神である。
マ・アース・ジャ・ハーナの神話「創世記」




