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この冒険、1つの無謀がMを生んだ!

作者: 一条人間

 前書き、これは友達に参考で書いて見てと言われて書いたらノリに乗って本来の目的を忘れた作品です。

 この作品に作者一条の趣味は一切含まれておりません。そのあたりご了承ください。

「来ちゃったよ、今の10倍のレベルアベレージの魔窟」

 ほんのちょっとの好奇心だったんだ。まだレベル5のくせに超級モンスターのいる領域に行くなんて無謀だと思った。けど確かめたかった俺のVRでの操作はどこまで通用するのかを。

 スライムやゴブリンなんかを相手にしていても歯ごたえが無く、順当にレベルを上げて進むのなんてつまらないと思ってしまったのだ。

 だからこれは挑戦だ、俺の限界を確かめるためのバカな挑戦。


 幸い死んだとしてもどこかのゲームの様に現実世界で死ぬわけじゃないし、VRの機器には痛覚を遮断する機能も付いている。死んだら最後に立ち寄った町か村、野営地にリスポーンするだけだ。レベルが低いからお金もアイテムも失わないし序盤のみの無茶だ。


「でも、思ってたよりもこれやばいんじゃね?」

 レベル50のエリアの洞窟来て再認識した。モンスターってこんな殺意溢れてる思わなかったのだ。

 周りの冒険者はみんな5~6人のパーティーを組んで戦闘をしておりソロで戦っているプレイヤーなんて見かけない。しかもみんなレベルが60、70超えの熟練者。つまりはそういう事だ。


 しかもモンスターは始まりの草原で倒したような等身以下か少し大きい程度のモンスターではなく、もっと強大で自分の4,5倍もある屈強な魔物ばかりだった。

 サムライ・ブラックオーガ、魔人エキュスコート、ドラゴパラサイト、悪魔使いキューピッツ、みんな見上げるほど大きく、とても一人じゃ勝てそうもない。


「ここでやらなきゃ男じゃねえからな!やってやんよ俺の武士道」

 レベルとプレイヤースキルは別物だ、相手のパターンを読み攻撃を避け確実に決定打を入れる。即興の判断力、速度、練度それはゲームステータスではない己の持つポテンシャルなのだ。

 たとえ防御力0で一撃即死の攻撃を放つ化け物が相手だとしても、熟練のプレイスキルがあればたとえ素手であっても容易に勝利することができるという。


 (俺ならどうだ?初見だけど動体視力には自信がある。それならギリギリな綱渡りだけど勝負ができるんじゃないか?)以上短絡的な俺の思考より。


 エム男は剣を構えて戦闘態勢に入る。もちろん剣は”錆びた剣”(攻撃力2)、布と絹の服装の防御力を合わせても10を超えるかどうか。つまりザコそのもの。

(いいんだよ、無茶言われると燃えるのが俺って男なんだよ!どう負けるか、逃げるかじゃない……勝負はどんな窮地でも勝つことを諦めないことが大事なんだ!)


「っしゃぁぁぁぁぁーーー!行くぜこら!覚悟しろよ」

 エム男は走り出した、己の限界を確かめるために。いや、限界突破するために!アク〇リオーン!?違う天元突破の方だ。


 向かう先は大型モンスター”ドリュス”人型に近い容姿で強靭な肉体と闇属性の魔法を使うモンスター、コ〇ンの犯人がムキムキで角生えてるような感じだ。きっとあいつが全ての事件の犯人の黒幕だ!

 ちなみに討伐推奨レベルは62とかなりの高レベルモンスター。一撃でも攻撃を喰らえば確実に死ぬ。

 蟻と象の対決が始まろうとしていた。


「っっ!!」

 ドリュスは彼に気付くと筋肉を軋ませ一瞬であ15メートルほどの距離を詰め、勢いに任せての大ぶりなパンチを目下の彼に振り下ろした。

「あっぶねぇ!そんな攻撃単調すぎて避けんのなんか簡単なんだよっ!」


 振り下ろされた拳により巻き上げられた土煙から腕を伝って上る彼、大口を叩くだけあってなかなかの身のこなしだ。そしてドリュスの反撃が来る前に頭頂部まで上り詰めた。

「くらえ!ソードスキル”牙突”!!」


 ドリュス顔に飛び降りる形でエム男が錆びた剣を振り下ろす。ちなみにそれ牙突じゃないから、袈裟斬りとかだからね?ソードスキル覚えてないでしょ絶対。

 ダメージ判定になるかわからない、むしろゼロの値が出てしまったら「死ぬしかないじゃない!」とどこかのマミさんのように発狂するしかないがそんなことは予想内、肉を切らせて骨を断つだ。


 キーン……、ヒュルヒュル~……サクッ。


「へ?」

 一瞬理解できなかった。何今の音?もしかしなくても、もしかするよね?もしかしてだけど~もしかしてだけど~これってこの剣折れちゃったんじゃないの~?

 恐る恐る手元を見る。確かにそこには刀身がぽっきり逝った剣があった。

「そういうことだねっ!」


 重力にに逆らう事は出来ない。落ちるエム男は虚しくドリュスの手に捕まった。おのれアイザック・ニュートン貴様がリンゴなんて見て重力を発見しなければ今このゲームはきっと違うものになっていただろうに!


「これはまさにヨソウガイってやつだ」

 グッバイ冒険者生活、また生き返る教会の神父様の蔑む瞳が俺を待っているのか。

 ギリギリと万力で締めるように握りつぶされるエム男、もうレベル5にはどうすることもできない。レベル5?レベルファイブ……、そっか妖怪ウ〇ッチ映画やるんだっけ……。全てを諦めた瞬間だった。


 ドリュスは大きく振りかぶって洞窟の壁目がけてエム男を投げた。そうか彼はボールなんだ!天職が見つかってよかったね!

「がっっ!」

 とてつもない衝撃と共にエム男は壁にめり込んだ、『エム男を相手のゴールにシュゥゥーーーーッッットォォォォ!!!!超エキサイティング!!!』エム男の体力はみるみる減ってそして0に……ならなかった?


「ふっふっふっふ、こんなの現実で受けたら即死だったよな、スキル『根性』取っておいて正解だった。俺はこの意志が生きる限り何度でもよみがえるさ!」

 まさに外道!ではない初期の職業における戦士のスキルだ、スキルポイント2で取得できる有能なスキル『根性』HPが満タンの時に即死の攻撃を受けても死なずに1残るお決まりスキル。

 1の残ったところで何ができるかと言ったら何もできない、死待つのみだ。まさに無能!


「という事で帰りますか、ですぽーんしましょう……この状況じゃ帰れない!」

 壁にめり込んで身動きができない、これでは壁画と一緒、このまま新アート冒険者の壁めり込みシリーズができてしまう!まずい、第一号だけは避けないとさらし者だ。


「え、待って待って!それは聞いてない!確かに死体蹴りって追加点はいるよ?グランドフィニッシュだよ?それFPSの話だから!これRPGだから考え直して!さっきコ〇ンの犯人とか言ってごめんなさい!だから追撃はオーバーキルはよろしくないです……せめて追撃1の易しい覚醒スキル辺りで……」

 どっかのライナーさんの様に壁にタックルをかましたドリュス。おいてめぇ絶対に悪意感じるからな次あった時覚悟しろよってもう会いませんけどねー!ばーか!


  バーーーン!!!


 冒険者エム男は残念ながら死んでしまいました。皆様見送って差し上げましょう彼岸と此岸を無事渡れるように。あ、追伸あんまりダメージ受けると壊れるそうです色々と。


「ちょっと待てい!勝手に殺すな!てか生き返るんだよ!もう一回いいか?あれは武器が悪いだろどう考えても!」

 協会で目覚めると同時にエム男は走馬灯のようなものへのツッコミと自分の非力さに泣いた。そうだよ錆びた剣とかなんで使ってたの俺?ただのガラクタじゃん。


 そして再びの再戦、今度は武器をそろえた。鉄の剣と銅の盾、頑張った草をどれだけ刈った事か。攻撃力は8と前とは比較にならない、そしてレベルも7と少し上がったのだ。今度こそリベンジしてやるからなコ〇ンの犯人。

 エム男は何も言わずに突っ込む、もう御託はいらない。ここからは俺のステージだ!勢い良くドリュスに切りかかるエム男にもう何の躊躇もない彼は修羅になったのだ!


「ヒット&アウェイって知ってるか?これがそうだ」

 足元を切り付けて振り払われる前に逃げる。時間がかかって姑息だが確実な戦法だ。

 奴の攻撃の届く範囲外までにげてまた接近するこれなら攻撃を受けることはない……はず?


「うそだろ?魔法とか使うのおまえ?なに肉弾戦専門じゃないの?」

 もう諦めよう、地道に冒険した方が身のためだ。こんな事無謀だったんだ。あ、でも一応根性発動しとくから。死にたくないもん!人間だもの!


 ちゅどーん!ずごごごご……ぺかー、どっかーん!!


「っふ、敗北だよもう俺は戦えない。煮るなり焼くなりエロ同人誌みたいに好きにしろ」

 潔いのだろうか、もう彼には抵抗の意思はなく。セ〇ジュニアに自爆されたヤ〇チャのようだった。


 純粋にエム男に振り下ろされる右ストレート、無慈悲で殺意に溢れている。こんなポリゴンの集合体に負けるなんて、あ、でも実際に子供たちに悪影響及ぼしたな、ポケットに入るほうのが。


 その拳がエム男の体を潰そうとしたとき一つの異変が起きた。


「ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

 俺の意識は教会ではなく、現実世界の自分の部屋に飛ばされた。どういう事だ?ワケガワカラナイヨ、なんでゲーム世界から、機器に接続していはずの意識が戻った?


 なんだ!何が起きた?コ〇ンの犯人に負けて黒柳〇子の頭から出てくる黒飴みたいなのに爆破されて、それで拳に潰されて……それで衝撃が、でもそれが妙にリアルで全身潰されたみたいに圧迫された痛みが全身に伝わって……。


「そうか!わかったぞ!頭の中に爆弾があるんだ!」

 いいえ、違います。爆弾なのはあなたの発言です。あながち間違ってもいないのがさらにムカつく。

「でもめちゃめちゃ痛かったはずなのになんで全身あざもないんだ?」

 いや、違う。痛いと感じたのは現実ではないんじゃないか?仮説を立てるとするなら考えられる可能性は一つ。そうそれは、そうそれは……そう、それは……もう一回死んでみればわかる。


「よし、前回セーブしないまま強制終了したけどデータ残ってた残るはおまえだ!コナソの犯人!」

 言っちゃった!ずっと隠してたけど言っちゃった!そんなことはどうでもいい。てかこれちょっと違うし、敵のドリュスの前まで来たしもういボケないぞ。


「検証だ、俺の仮説はこう。VRゲームをしている時点で意識、脳から発せられる全ての信号がゲームの信号へと置き換わる。その逆も然り。つまりゲーム内で受ける感覚全ては脳が知覚できる情報に置き換わって受けとるわけだ」

 これこそ探偵ものの真骨頂、推理の時間だ!じっちゃんの名にかけても、麻酔を打つ眠りの何たらでもいい。真相を明らかにしようじゃないか。そう俺の新たに目覚めた性癖の為にも。


「つまりだ、ゲーム内での受けてる感覚には少なからず互換に作用する全てがあるはずだ。のはずなのになぜか痛覚だけは脳は受け取らない。どうしてか?答えは簡単痛みは負の感覚であり、人体に悪影響を及ぼすかもしれないからだ。」

 VRゲームしてる時点で危険極まりないのは黙っておこう。

 そして目の前に敵いるけど気にしてないよ?だってスタート画面開いてる状態だもん!メタァァ。


「そしてだ!俺がさっき体験したことは何か?おそらく大量の情報による出力機器又はゲームシステムの異常だと推測する。俺は大量の痛みを経験した。2回死ぬくらいに、正確には根性付けてるから4回か、ゲーム上ステータスと敵のパラメーターは比較できるはずで、こんなバカが変なことをしなければ計算内で収まる処理で済んだはずだ」

 エム男がペラペラしゃべる。逆にこんなに知的に話すなんて気味が悪い。だがそれが覚醒した彼だ。


「俺が受けたダメージは一体現実で受けたらどんなに痛いだろう?4回死ぬのを短時間で行うんだ。相当のダメージを痛覚に異状なく処理しなければならない。結論から言おう。これは多量の情報による機器のバグだ!そしてもう一つ気付いた」

 エム男がコナソの犯人ドリュスに突っ込む。しかも装備なしで。元から裸と変わらない防御力だが。

 敵はプログラム通りにエム男を迎撃する。だが今回に限って状況が違う。それは彼のVR機には大きな欠陥を生むことが判明したからだ。


「俺はこのえも言えぬこの痛みが病みつきになってしまった!」

 ドリュスが水平に腕を振る。吹き飛ばされれば即死間違いないし、だが彼は避けない!そうさ!彼は目覚めたんだ!異常性癖10のうちの一つMに。

 横薙ぎされた腕に吹き飛ばされていつも通りにHP1になるエム男。しかし今回は痛覚が遮断されていない。よって直接脳が痛みを感じているのだ。現実ならば全身打撲、骨折、内臓破裂。内臓ってってポリゴン体に内臓はないぞーなんちゃって。


 人は死にに直面すると快楽ホルモンを100~200倍も分泌させる。どんな生物も死の直面には等しく快楽を与えられるのだ。だがどうだろうか?この状況、死の直面に何度も立ち会うことができるこの仮想世界で。痛覚を直に感じれるこの状況。


 残りのHPを消すためにとどめを刺すドリュス。もう分かっているだろう、これがМだ。

「最高の快楽だ!痛みが、死ぬことがこんなに気持ちいなんて!もっと痛みを欲してしまっ……」

 本日6回目の死が彼に訪れた。今回はゲーム攻略のための死ではない。己の快楽のための死だ。

 きっとエム男は快楽で新たな境地に立っているのだろう。

 久しぶりの投稿ですねー!今まで何をしてたか?そんなもの決まっています、怠惰ですよ。

 すみませんサボりです、これからは真面目に書くのでどうか読んでいただけると嬉しいです。

 Mなのは黒桜先生ですから!

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