ルースの告白
「リーナさん、俺、言わなくちゃいけないことがあるんだ」
リーナとルースが付き合い始めて一年が過ぎたある日。
ルースが緊張した面持ちでリーナに言った。
「怒らないで聞いてほしいんだけど……」
そう言って、続きをなかなか言い出さない。
リーナは嫌な予感がした。
「……浮気したの?」
「違う! そんなことはしてない!」
「じゃあ、別れ話?」
「それも違う!」
「じゃあ、何したの?」
リーナがそう言うと、ルースはしばらくの間もじもじしていたが、意を決したかのように口を開いた。
「俺、ランスなんだ」
「は?」
「だから、俺はランスなんだ」
「……ホントはランスって名前なの?」
「……本当の名前はランクルースっていうんだ」
「じゃあランスは愛称?」
「うん」
「……別に、ルースでもいいじゃない」
リーナが呆れたように言うと、ルースは「違うんだ」と言った。
「名前のことじゃなくて、ランスは俺なんだ!」
「……ランスって呼んでほしいの?」
「そうじゃなくて……」
そう言うと、ルースは次の瞬間、竜のランスに変身した。
「は!?」
リーナはポカンとして、目の前の小型竜を見つめた。
竜になったルースは、ウルウルした目でリーナを見つめていた。