雪は溶け・・・
雪は溶け、春休みがやってきた。高校生活最後の春休みだ。
だが、僕は学校行事の都合上、学校に何度も顔を出していた。
当然、その中には彼女もいた。
お互い、生徒会に所属していたのだ。
でも僕は、仕事に力が入らなかった。
彼女のことが頭から離れないのだ。
僕は何をしてしまったのか。
失礼なことをしてしまったのではないか。
もうかかわらないほうがいいのではないか。
他にもたくさんのことを考えた。
考えすぎて、頭が回らなくなっていた。
僕はいつも、頭が回らなくなったら友達の家に泊まる。
そのときは友人Aは使わない。いや、使えないのだ。
きっと心配もする。面白い話には食いつくやつだ。
今の顔を見せてしまうと、更に詳しく話さないとならなくなる。
だから、僕は違う友達の家に泊めてもらう。
笑えば、つらいことも忘れられるのだ。
なので、今回もいつものように友達の家に泊まったのだ。
でも、いつもと違う出来事が起こったのだ。
知らないアドレスからメールが届いた。
“こんばんは。友達からアドレスもらって、送りました。よろしくね。”
女の子の名前と一緒にこんな内容のメールだった。
最初は誰かわからず、泊まり先の友達に聞いてみたら、
その人の悪い話がそこそこに出てきたのだ。
でも、僕はそんなことどうでも良かった。
誰かにかまってもらいたかった。
その日以来、連絡を取り続けた。
わかったことといえば、
同じ授業の女の子とのことだ。
席まで覚えているのに、顔が出てこなかった。
きっと、彼女のことで頭がいっぱいなのだろう…