僕の生きてきた道。
時は春。昼下がりの教室に居る十五の僕。
いつものように授業を受け、放課後に遊び、家へと帰る。
散らかった部屋。鞄を投げてため息をつく。
昨日も今日も明日だって似たような日々が続く。
飽きてきた毎日。 だから僕は決心した。
“部活を作ろう!”
部活とは言いつつ同窓会を創設した。
でも、大会には出たのだ。楽しい日々だった。
仲間達と笑い合い、時には泣き、本当に楽しい日々だった。
そして、雪の降る日に僕は告白された。
好きでもない。
嫌いでもない。
仲間だった。
友達だった。
断る理由なんてない。
だから僕は付き合うことにしたんだ。
今となってなぜ付き合ったのかさえ分からない。
ただ心のスキマを、寂しさを埋めたかったのかもしれない。
でも僕の心はそんな偽りの恋では埋まらなかった。
愛されていた。
貴女は僕を好きだと笑ってキスしてくれた。
でも、一方的な恋は長続きする事はなかった。
貴女に支えられていたことに気づいたのは、別れてからだいぶ後のことだった。
嗚呼。僕は貴女に助けられて居たのか。
きっと僕は、僕は今更ながら貴女の笑顔に助けられていたことに気づいたんだ。
埋まらなかったのは心じゃない。
愛されることじゃない。愛することだったのだ。
少しだけも貴女を見ていれば、僕の心は満たされたのだろうか?
僕には悲しみしかないのだろうか?
でも、僕は思った。
貴女から貰った愛を、勇気を、次の人の為に、次の人を愛するための糧にしようって。
僕は自分を変えるために部活を辞めた。
気持ちを切り替えるためだ。
愛してくれた貴女を見るのが辛かったから。
また、昔と変わらない日々が始まった。
昔に戻っても変わったことがあった。
寂しさが、虚しさが広がったのだ。
時は経ち、二度目の春が来た。何故か今年は良く雨が降る。
僕は雨上がりの放課後を歩いていた。
そこには一人の女の子がいた。
僕達はこの出会いをきっかけに遊ぶようになった。
僕がこの人を好きだと思うときには彼氏がいた。
そして、失恋した。
より大きくなった虚しさは、儚くも忘れ去ろうとしていた。
この時には好きになるのがとても怖くなっていた。
きっと告白なんて今まで以上に恐いのだろう。
この時、昔僕のことを好きだと言ってくれた人のことも一緒に忘れていたことに僕は気づかなかった。
傷は癒え始め、十七になった僕の冬がきた。
冬とは言うものの、暦では春で、もう雪が溶け始めていた。
そんな季節。
僕に、二度目の彼女が出来た。
僕を好いてくれた理由は分からなかったけど、愛してくれた。でも僕はまた過ちを犯してしまった。
僕はまた彼女という存在をちゃんと見ていなかった。
今回の彼女も長続きしなかった。
この時からだろうか。僕は何かの真似をして、詩を書くようになった。僕の友達には小説を書くのが好きな人がいた。これからはそいつをA君としよう。
A君とは小さい時から仲が良く、今までのことも知ってる。だから今までの詩を見せた。どんなことを書いたのかあまり思い出せない。思い出したらまた別の作品としてだしたいものだ。