プロローグ
前に投稿した作品の改良バージョンです。脱字誤字や、ご感想、ご意見がございましたらお手数かけますがお知らせいただけると幸いです。
私が朝目覚めて感じたのは、身を切る様な冷気だった。
「んッ…」
ほんの少しの隙間から差し込んでいる朝焼けの光。燃える様に赤々しい日の光は、毎朝見ても飽きない。
「これが作り物の色だ何て…思えないなぁ…」
これが私の口癖。
この国は万物の心を創り、心…、夢を喰らう獏が納める白之陸。名前の通りこの国には元々、白以外の原色は無い。今は他の国…正しく言えば紅之陸や蒼之陸、翠之陸、等と言った陸々から〝色〟を売り買いしているのだ。
だが色はとても貴重な物で、国を治めている獏が輸入したり輸出したり…。しかも、色が鮮やかなのは都市部のほんの一部だけ。私の様な田舎に住んでいる者はほとんど、髪も、瞳も、身を包んでいる衣服も、何もかも真っ白だ。
現に私の髪は白いし、瞳の色も死んだ魚の様な濁った乳白色。それに特別美人と言う訳でもなく、至って平凡。
「あーあ。貧乏でも良いからせめて紅之陸とか、そう言う風なお金持ちの陸に産まれたかったなぁ~!!」
それに白はあまり使われない原色で、色の売れ行きが非常に悪く、文明レベルが他の陸と比べて極端に低いのだ。
「うぅ…さむッ…!」
貧乏なせいでろくな色が買えず、暖房を整えるにも紅之陸から輸入した赤色が必要な為暖房設備は全く整っていない。
私は水をくむべく桶を両手に一つずつ持ち、外に出た。
その瞬間、目に飛び込んでくる無数の光。
「眩しッ…」
この陸の王獏は、余った白色を各地にばらまき、ご迷惑な事に雪と言う物を降らせる。
「まぁ…」
この白銀に輝く雪に、紅之陸から輸入した赤色を節約した様な朝焼けを見て、
「田舎でもいっか」
と、不思議と私は納得してしまうのだ。
「さーて、水を汲みに行きますか!!」
私は誰に言うでもなく、赤色の朝焼けに向かって叫んだ。
調子に乗って、鈍い銀色の光を放つ山脈に走り出す。
そして、転んだ。