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2-1 同僚ジルベール

 

 エリスの執務室にはたくさんのパンが溢れていた。

ほかほかと湯気がたっているパンもあった。

「「ふわぁ~」」


 思わずチャチャと共に歓声を上げた。

チャチャから飛び降り、チャチャもパンの近くに行くように誘った。


 たくさんのパンがあり、目移りしてしまう。 

パン特有の小麦のいい香りがぷんとあたりに香って引き寄せられる。


 まず目についたのは食パン。小さくなったコレットと同じくらいの大きさだ。白くてふわふわしてまだ焼きたてで暖かい。


 このままジャムつけて食べる?

それとも焼きトーストにする?外はカリッと中はふわっとさせる?

バターたっぷりとりんごのジャムつけて食べるのもいいな…


 そして、夢にまでみたエッグサンド、ツナサンド以外のサンドイッチ、フルーツサンド。

真っ白の食パンに負けず真っ白の生クリームにルビーのように輝くイチゴが挟まってる。イチゴは私の顔ほどある。たまらずコレットはかじりついた。



 す、す、す、すごい、美味しい。生クリームがしつこくなくしっかりとパンとフルーツのなかだちをしている。苺があまずっぱくてみずみずしい。


他にもクロワッサン、メロンパン、クリームパン、パン、パン、パンパン祭りやー。


 はー、素晴らしい景色。

 すべてがおいしそう。


 今まで、ずっと運んでくれた食事を食べていたけど、やっぱりたくさんの種類の中から選ぶって楽しい。今度からは時間をかけてでも注文票をじっくり見よう。




 

ふふふ、チャチャも食べてる食べてる。器用に食べてる。ふさふさのしっぽがゆれてる。

アップルクランベリーのパンすきなのかしら。クリームチーズが入ってて美味しそう。私も食べようっと。




お腹もこなれてきた頃お互いの姿を見て笑った。

「チャチャ、ヒゲにジャムついてるわよ」

「ご主人様も、パンクズいっぱいからだについてますにゃ」

 あら、やだ。夢中で体当たりしながらパンを食べたからかしら。


 お互い体をキレイにするためにコレットはクリーンの魔法をかけた。

爪の先から頭の先まで…そのとたん、コレットはいつもの大きさに戻った。

「まぁ、もどるのは一瞬ね」

「にゃー」

「戻ったらチャチャとはおはなしできないのね。残念」




 お腹も膨れて人心地ついたので、満足満足。残った食事はまとめて家でまた食べるかーと周囲を見渡せば、こちらを見ている人物と目が合った。

その人物は執務室のソファーに座ってニコニコと笑っていた。目は笑ってない。



 その瞬間、私は固まった。


 なんでジルベールがここにいるのよーーーー!!



 いつも笑いながらしゃべるけど、絶対私のこと馬鹿にしている同僚で同い年のジルベールがそこにいた。

ジルベールは水色の髪に切れ長の目をしており、ゆっくりと喋りおだやかだ。常に笑顔のため優しげに見える。







だが、私にはわかる!

こいつは腹黒で貴族らしい貴族。

こいつに隙を見せてはいけないと私の第六感がサイレンを鳴らしている。

 ジルベールの幼馴染の赤髪のだれだったかな、アレンだかアルジーだかそいつの方が好感度がもてる。

なんせジルベールは姑息だ。

ジルベールの姑息な技、秘技、告げ口だ。

ジルベールの告げ口でなんどエリス様におこられご飯を嫌いなものぜめにされたか。


そして、ジルベールの秘技は告げ口だけではない。ジルベールの秘技、流通を止めるだ。

前怒らせることしたらしい、その時ずっと楽しみにしてた本の流通やすきな食べ物の流通を止められた。

貴族の権力と金の力だ。

こわっ。自分のせいで流通止まるってただただ単純に怖いし申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

あの時はとりあえずすごい謝った。謝り倒した。

なんとなくなので私はジルベールが苦手である。



だから、できればできればジルベールとは関わりあいたくない。

が、奴は高頻度でからんでくる。暇か?暇なのか?!





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