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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

殺人相談

作者: cat

※この作品はフィクションであり、実際の団体、地名等を中傷する意図はございません

ここはアメリカ、テキサス州、ヒュートンという都市、そこの町外れにある、路地を1つ構えているだけの小さな売店のような施設


ここは殺人相談所、殺人についてお困りの方を、正しく、安全に殺人が出来るよう手助けする施設


そして私はここののオーナー、もちろん名前は語らないわよ、女に秘密は多いもの♡


でもまぁそうね、外見的特徴だけは言っておこうかしら、その方が貴方達読者も便利でしょうし


私は、魔女のように黒く、目が隠れるほど大きな帽子を被り、正装とでもいうような、シンプルな黒のワンピースを着用しているわ


髪は紫色で、それをツーサイドアップに纏めてる、え?あなた何歳なのかって?失礼よ、女性に対して


瞳は漆黒とでもいうべき黒、まるでこの世の闇だけを見ているかのような、黒い瞳をしている…


おっと、こんなメタ発言同然の自己PRをしていたら、早速誰かお客様が来たみたい

この、殺人相談所へ


前から、ゆっくりとこの相談所に歩いてきている、見たところショートヘアーの金髪が可愛らしい、女の子ね

現在時刻は夕方4時くらいだけど、制服を着用している辺り学生かしら?今制服、流行ってるものね


金髪の少女が、この女性の前に机越しに立ち止まった


「すみません…あの、こちらが、殺人についての相談を受けてくれるお店だと聞いたのですけど、間違いないでしょうか?」

掠れた声で、私にそう聞いてきた、弱った声色と、ハイライトを失ったような青い瞳が、彼女がここに相談に来るほどにまで至った経緯を、物語っていた


「えぇ、そうよ、ここは殺人相談所、お店ではなくて、これでも一応ちゃんとした施設なのよ、非公式だけど…まぁそれはいいわ、とにかく座りなさい」


「はい、失礼します」

少女はゆっくりと、女性に言われた通り机の前に置かれていた椅子に座った


それと同時に、女性はいつの間にか水を取り出していて、それを私の前に置いてくれた



「さてと、改めて殺人相談所へようこそ、私はここのオーナー…本日はどのようなご相談でしょうか?お話し、聞かせてもらってもいいかしら?ゆっくりで、大丈夫だからね」


女性は私に気を回しているのか、慎重に、丁寧な言葉遣いで私に話しを進めてくれた


この子…ただの女の子じゃないわね、ふふふ、面白い


「はい、ありがとうございます。私の名前は、ソフィア・ブラウンって言います。私は、訳あって先日、ここの近くにあるアラモネット高校に転校して、この街に来たんです。」


オーナーは時々頷きながら、面と向かって私の話しを聞いてくれた


「アラモネット高校には、無事に転校出来たのね」

「はい、それで、転入した初日、クラス全員の前であいさつをする事になったんです。」

「うんうん」と、オーナーは頷きながらしっかりと話しを聞いてくれる


「私は、少しでもクラスに馴染もうと少し面白い挨拶をしたんです。そしたらどうやらその挨拶がうけたみたいで、私ヒスパニックなんですけど、そのグループの輪に入る事が出来たんです」


この事を話している時のソフィアは、一瞬だけ、楽しかった時期を思い返しているかのような、幸せそうな顔をしていたから、私はそんな彼女の感情を更に沸き上げさせてあげた

「へぇ〜、すごいじゃない」


「そう…ですかね///…けど」

この瞬間、ソフィアの表情が一気に変わった

私に相談に来た際の表情よりも更に重く暗い、絶望に満ちた表情に一瞬で変わり果てたのだ


「その日も…友達と、下校しながら男子の陰口で盛り上がってたんです…そして学校を出ようと校門に向かう途中に、1人の、男の先生に、呼び止められたんです。私はなんだろうと思い、友達に先に帰らせてその先生について行ったんです。そのまま私とその先生以外誰もいない部屋に連れられて、そこで私は…触られた。」



空気が固められたように、急激に重たく、鋭くなった

夕日が徐々に沈んで影が伸び、ソフィアの体を暗がらせる


「なんで…なんで、こんな事になったんですか?私が、なにをしたって言うんですか!?私なら、私に覆い被さってくるあいつを無理矢理追い払う事も出来たけど!でもそれ以上に怖くて、冷静さの全てが消え去るほど怖くて!恐怖で…なにも出来なかった、どうにか逃げてこられたのはよかったけど…でも」


ぽろぽろと、ソフィアの瞳から、涙がこぼれ落ちていっている、だけど彼女の顔からは、怒りと憎しみがぐちゃぐちゃに混ざり合った表情が、露わになっていた


「許されていいはずないですよね!!!こんな事!!!私は…私は、私の身体が、あいつ如きに奪われた!私の人生が!あいつのせいでもう嫌になった!!!許せない!許せるはずがない!そう思いますよね!!!だから殺したいんです!あの男を!!!」


「...、分かるわ、貴方の気持ち、怒りや憎しみだけでなく、悔しさもあったのでしょうね、2つの意味で、だけどその内の1つは、徐々にもう一方の悔しさに飲み込まれて消えつつある。本当に、許せないわよね」


オーナーは、私に感情の全てをぶつけられたのにも関わらず、私の気持ちに、一切の私情を感じさせる事なく、寄り添って話してくれた、それが私にとってどれだけ嬉しくて、それだけでどれだけ救われたのかなんて、きっと、私にしか分からない


「大丈夫、ちゃんと分かってるのよ、貴方の憎しみ、そして、貴方の正体も」

「え///知ってたんですか?私の事」


「もちろんよ」顔を合わせた時からね「私は殺人相談所のオーナーよ?今の貴方の、たった1人の味方」


今の一言で、私は、私の心の全てをオーナーに捧げてもいいと思えた

それくらい、言葉だけでは到底言い表せないほど、純粋に私は、救われた


けどそれでも、憎しみが消えるわけはない


「そんな貴方にだからこそ、この殺し方が相応しい」

オーナーは私に、一本のハンドガンを手渡した


「これは?」

「貴方なら私なんかに頼らなくても、きっとその男を殺せたのでしょう、だけど貴方は、私を頼った。だから私も貴方の想いに応えようと思ったの。これは市場どころか世界中のどの諜報機関すらも把握していない極秘中の極秘武器、撃っても音が一切鳴らず、そして弾の音速に匹敵するする速度で発射される…私の1番のお気に入りよ」


「そんな、それだけ貴重な物を、どうして」

私が疑問に思ったことはそれだけだった、だけどそれすらもオーナーは、何の躊躇いもなくこう応えてくれた

「言ったでしょ、これは貴方に相応しい殺し方だと、これを扱える人間は世界にそうそういない、だけど貴方なら、きっと問題なく操れる、これは、貴方にしか出来ない殺し方なのだから、オーナーとしてそれを進めたに過ぎないわ」


「オーナー///」

「じゃあ早速、私が思う1番ベストな殺し方を教えるわね、だけどこれは絶対にそうしろってわけじゃなくて、あくまで私が1番推奨する殺り方って事は分かって頂戴ね」

「はい」私は素直にそう返事した


「まず前提の話だけど、おそらく貴方ならば、夜の校舎に忍び込んで男を発見、もしくは誘い出す事は容易なのでしょう?なら、貴方のやりたい殺し方をまず聞いておこうかしら?」

「やりたい殺し方?」

「そう、貴方はその男をどう殺したい?怯える権利すら与えず即死させたい?それとも、死以上の恐怖を与えてからじっくりと殺したい?これ、どうでもいいことのようで実は結構重要なの」


確かに、言われてみれば殺し方は重要な事、この選択肢を間違えれば、折角のこの手で殺めた事での達成感が半減してしまうかもしれない、これは慎重に選ばないといけない。だからこそ私は、自分自身の直感を信じた


「私は、あの男を、死んだ方が遥かにマシと思えるほどの恐怖をじっくり与えさせて、逆に生への執着が芽生え始めた段階で、あれを殺したいです…!」


オーナーは少し考えるような仕草をした後「そう、分かったわ」と言って、私に殺しの大まかな流れを推奨してくれた


「それなら、男と正面から殺しに行った方がいいかもしれないわね、未知への恐怖もいいけど、自分の恐怖が何からきているのかがはっきりしている方が人は追い詰められにくく、ただ恐怖だけを感じられる」


「奴に余計な感情は与えないって事ですね?」

「そう言う事、そして、いざ男と対面したらの話だけど、まず最初に銃はチラつかせる事をおすすめするわ、その方がより恐怖の矛先が分かりやすくなる、そして、貴方は何らかの技術を駆使して誰1人として気づかれずに男に近づくのでしょうけど、向こうはそれを知らないのよね?なら、種明かしのタイミングは考えた方がいいわ、完璧を求めるのならだけど…タイミングを間違えると殺しに支障はなくともほんの僅かな安心感を与える事になっちゃうから」


「能力の種明かしは、した方がいいんですか?」

「まぁ別にどっちでもいいわ、してもしなくてもあんまり影響ないでしょうし、ただやるならタイミングに気をつけた方がいいわよってだけ」

「なるほど」


続けて、オーナーは具体的にどの部位をどの順番で撃てばいいのかを示してくれた


「先ず初めに、左右どちらでもいいから腕を狙うといいわ、ただその銃で普通に撃つと腕が飛びかねないからそこは上手く調整してね、そして、そうなると男は多分痛がって倒れ込むと思うから、続けて左腕を撃ち抜いて、ここでは腕に直撃させて吹き飛ばしても大丈夫よ、で、こうなると弾は残り11発残ってると思うけど、後は貴方の自由に撃ってくれて問題ないわ、ただ両足は撃ち抜いた方がより効果的だから、よかったら狙ってみて。人の身体の支えは腕と脚、この2つを撃たれると、人は身体の支えを失い恐怖心がじわじわと膨れ上がってくるから。全部で13発ある弾をどういう風に使うかは全て貴方の自由、止めの1発に頭か心臓に撃ち込む感じかしら?ただ、これは弾を装填しなかった場合の話」


オーナーは自身のポケットから、予備の弾5ダーツを取り出した


「貴方が望むなら控えの弾もいくらでも貸してあげられるけど、どうする?」

「...、いえ、控えの方は大丈夫です。最初の13発で殺します」


「そう」と、オーナーは優しく微笑んだ



本当に、私はオーナーに感謝しても仕切れない、ここを訪ねてみて本当に良かった。襲われた時は、目の前の景色がなにも見えなくなっていた。あのままだと私は、ただがむしゃらにあの男を殺しに向かっていっていただろう。だけどオーナーに尋ねてみて、私にあった最高の殺し方を教えてくれて、私の正体にきづいていながらも、それでも私に寄り添って進むべき道を示してくれた…本当に、ありがとうございます、オーナー…行ってきます


「ありがとうございました、オーナー、私、必ず殺り遂げてみせます」

「えぇ、頑張って」

オーナーは最後まで、私を暖かく見送ってくれている


「あの…オーナー、料金の方は…」

オーナーは少し間を置いた後、こう答えた


「確かに、相談所として活動していくためには、どうしてもお金は必要になる、これは仕方ないわ…けどね、それは今すぐ払えって意味ではないの。貴方はまず、目の前の殺しに全力を注ぎ込みなさい、そして、必ず殺り遂げてみせること。その上で、貴方が満足のいく結果が得られたのなら、その時の貴方が妥当だと思うがままの金額を払うといいわ、だから今は1ドルも支払わなくて大丈夫よ」


笑顔で、当たり前のように言っているが、これがどれだけ凄い事を言っているかぐらい私には分かる。オーナーは、私にとって聖人のようなお人だった


「ありがとうございます!私、絶対に!殺して見せます!!!あの男を!!」



















この日の夜、ソフィアを触った男性教授が、夜遅くまで校内を彷徨いて歩いていた


「くそ、まさか逃げられちまうとは、転校してきた時からうまそうな奴だと思って目をつけていたんだが、くそ」

と、ぶつぶつと独り言を呟きながら廊下を歩いていた


辺りには、生徒達が皆帰って明かりが消された教室達が、暗い静けさを作り出していた


しかしその中にひとつだけ、何故か灯りがともっている教室があり、男はなんだろうと思い教室の中へと入ってみた


「いらっしゃい、その節はどうも、昼間はお世話になりましたねー」

すると中には、昼間自分が触ったはずのソフィアが、教室の中にある机の一つに、銃を持って座っていたのだった


「き…君は、ソフィア!?へ、へぇ、まさか君の方から戻ってきてくれるなんてな、、、」男は銃を片手に持つソフィアを見て、自分へ報復に来たのかと思い、それに怯えて無意識のうちに少しずつ後ろへ下がって、ソフィアから遠ざかろうとしている


「あれ?なに逃げてるんですか?先生、私は()()何もしてませんよ、あなたは何かしましたけどね」


「ち、ちがうんだ、あれは…ちょぅと、気の迷いというか…その…や、やりたくなったんだよ、君と私の力で、清らかなる事をさ」「あれが清らかな事ですか?それにしてはあなたが一方的に楽しんでたように見えましたけどねぇ」


「そ…それは…だ、だいたい、どうやってここに来たんだ!校内には、まだ大勢先生が残ってる筈だろう」


「あぁあれですか?ご心配なく、1人にも気づかれずにここまで来ましたから」


「なに?どういう事だ?」

困惑した様子でソフィアに聞き返した


私は机からおり、敢えて誘うようにゆっくりと男の方へ歩いく


「それはですね〜、こういう事ですよ」

男は私が銃を持っている事もあってか私に対して身動き一つとらず、ただ突っ立っているだけだった


そして、ソフィアが男の右横に歩いていってしばらくしたその瞬間、男はソフィアが、突然まるで消えたように見えなくなった


「!なんだ!?」驚いて辺りを見渡してみるがソフィアの姿は見当たらない、そんな中突然、右腕に皮膚がえぐれたような激痛が走り、見てみると、そこには銃で撃ち抜かれ、弾丸が体にめり込んでダクダクと出血している右腕があった


「ひぁああああああああああああ」と間抜けな悲鳴をあげ、男はその場に倒れ込んだ


その直後、どこからかソフィアが姿を見せた


「あれ?先生どうしたんですかー」と、煽り口調で問いかける


「はぁ、何を…なにをした???」


「さぁ、なんでしょうね〜」


人間の眼は瞳孔が受け取った光を虹彩で調節し、水晶体で屈折させた後、最終的に視神経を通じて脳へと伝達され、像として認識することでモノを見る事が出来る


だけどその眼の中には一点だけ、視神経の通っていない部分が存在する、それを視神経乳頭と言う


視神経が通っていないならそこが光を感知する事は出来ない、光を感知出来ないなら、当然像を作り出す事も出来ない、つまり視神経乳頭のある位置というのは人間が目で絶対に視認出来ない箇所という事、所謂盲点。そしてこれは、全ての人間に例外なく存在する。

私は、相手の目に対してどの位置に立てばその人の盲点に入れるのかを完璧に把握している、今もそれを応用してこの男の盲点に入り、姿を見えなくさせた所で、この男の右腕を撃ち抜いた。

学校に残っている人全員に見つからずにここまで来れたのも、道行く人全員の盲点に入り込みその都度やり過ごしながら進んだから。


けど、私はこの能力をコイツに明かすつもりはない、何故姿が消えるのか、どこから撃ってくるのか分からないままじっくりと痛ぶられていく恐怖…最低限そのくらいは味わってもらわないと元がとれない


「はぁはぁ」男の呼吸が段々と過呼吸のように荒々しくなってきた


「うっさいわね、ちょっと黙れなさいよ」


「頼む…助けてくれ!俺が…俺が悪かったんだぁぁぁ、俺は君に!とんでもない事をしてしまったぁぁ、教育者として、絶対にあってはならない事をしてしまったんだぁぁぁ!!だからだのむ…命だけは、命だけは助けてくれぇぇぇえぇぇぇーーーーーーーー」


余りに情けない命乞いが終わったと同時に私は男の右肩を撃ち貫いた「ぎゃああああああああああ」


「うるせぇよ、この後に及んで何教師ぶってんだよ、自分がなにしたか分かってんの?」


私はまた、ゆっくりと男の盲点へと歩いていく


「貴方は私を恐怖に呑み込ませた、貴方には分からないでしょうね?自分の身体が侵食されていくような恐怖、時間が止まったように思考が侵される恐怖、そして、今も感じてる、永遠に続く恐怖の毒…とにかく怖かった」


私は男の盲点に入った、男はまたしても突然私が消えたような感覚になり、どこに行ったのかと辺りを見渡している、尤も、顔を動かされてもそれに合わせて私も移動すればいいだけ


「もう貴方には何一つ期待してないから、懺悔も、後悔も、絶望も、だから…」


「頼む!!!悪かった!!!俺が悪かったんだ!!!ごめんなさい…ごめんなさい!!!」


「懺悔には期待してないって言ったよね?英語も分からないの?まぁもういいわ」


私は男に銃口を向ける、男は当然それは見えていないが「お願いじまずゆるじでぐだざいなんでもじまずがらぁぁぁ」


と、本当に見るに耐えないほど哀れな命乞いを繰り返している

私は無視して男の左腕を撃ち、続いて右足、左肩、右腕、右肩、頭部に軽く、背中、に弾を撃ち込んだ


男は見るかぎら弱り果てていて、たぶんこのまま何もしなくても勝手に死んでいくだろうという所まで追い詰めた


「う…あ…あ…たす…けて…」男は最後まで命乞いを続けている


私は、男に詰め寄るように問い詰める

「どう?痛い?怖い?恐ろしい?いっとくけどそんなよんじゃないからね、私が襲われたあの恐怖は!」


そういった後、男はなにか言おうとしていた気もするが、そんな時間を与えるまでもなく私は男の心臓を撃ち貫いた


男は、死んだ


私はしばらく静止した後、突然自分の中にこの上ない達成感が込み上げてきて、私はこの興奮を体全体で包みながら、体を弾ませ、意気揚々と教室から出ていった、その帰り際に、私は1発男の頭を撃った




















その日の夜、アメリカ中を震撼させた事件が起きた、FBIのトップが、何者かに暗殺されたと言う


誰が殺したのかを、私は知っている、今日相談に来てくれたあの娘、ソフィア。

こんな噂を聞いた事はない?16歳にしてFBIの最終兵器と呼ばれる、天才少女の噂を


それがあの娘


顔を合わせただけで分かったわ、明らかにあの年齢の少女とは雰囲気が違っていた


この街に来たのもただの引越しじゃない、目的は恐らく、此処(殺人相談所)


この街に殺人を推奨している政府非公認の相談所があるという情報をつかんだFBIが、彼女にその捜査を依頼してそのためにあの学校に転入してきた…といった所かしら


けど学校側はその事を全員か、又は一部を除いて知らされていなかった


だからそうとは知らずに、その男は彼女を襲い、それで恐怖に囚われたあの娘は自分の能力で簡単に殺せるにも関わらずすぐにこの相談所を突き止め、敢えて私に相談を持ち掛けてきた


そして、殺しを達成した彼女はこれを機にFBIに見切りをつけ、組織を裏切る事を決意した、トップの人間を殺害したのは、その意思を示すため…「そうでしょう?ソフィア」


オーナーの目の前に、ソフィアが大量の札束を持って立っている


「はい、その通りですオーナー、よく分かりましたね」

「分かるわよそれくらい、ところで、相談金の方なんだけど」

「そうですね、はい、こちらです」


ソフィアは7桁あるであろう札束をそのままオーナーに手渡した


「まぁこんなに、ありがとう」

「いえ、私は、あなたのお陰で、なんの未練もなくあの男を殺す事ができました、そのお礼をさせていただいてるまでです」


「ふふふ、ありがとう」


私はその札束を、全てしっかりと受け取った



ここは殺人相談所、殺人についてお困りの方を、正しく、安全に殺人が出来るよう手助けする施設


あなたも何か、殺人についてお困りになっている事はございませんか?お困りの際は是非、我が殺人相談所まで

あら?次のお客様かしら

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