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こんな世界なら…
世界は理不尽だ。
産まれた環境、場所、家庭によってその先の人生が全て決まってしまうのだから。
私も、その一人だった
私の親は言わば毒親と言う者だった。
毎日のように降り注ぐ暴言と暴力。
食事さえまともにもさせて貰えず、中卒で働かされる毎日
先に産まれた優秀な姉から、私は出涸らしとまで言われた
そんな毎日に、疲れてしまったのだ
そして私は、家で、ナイフを片手に持っていた
これを刺せば全てが終わりを告げる
辛かった人生も、あの親からも、逃げることが出来る
そう考えるとナイフをこちらに向ける手が止まらない
ナイフの刃先には首。
勢いをつけて、私は首にナイフを突き刺した
鋭い痛みが走る。
ようやく開放されたんだ
なんだか清々しい気分だった。
そして私の視界は真っ黒に染った。