運命の相手じゃなかったといわれて、婚約破棄され、真実の相手の妹と婚約すると言い出した王太子殿下に復讐をすることにしました!
「運命の相手に出会ってしまったんだ……生まれ変わって再び出会おうといった相手と出会ってしまったんだ!」
ロマンチストだと思っていましたが、生まれ変わりという曖昧なものに縋るほど追い詰められていたとは……。私は熱はありませんわよね? と思わず婚約者の王太子殿下の額に手をあててしまいました。
「熱なんてない! 君の妹のユーリアが運命の相手だったんだ! 生まれ変わって再び出会おうといったレイリアの生まれ変わりで……」
「……」
そういえば生まれ変わってどうとかこうとか聞いたことがあったような。
敵同士として生まれたレイリアとレオンの恋物語って……いえこれって百年前のおとぎ話です。
敵同士の国に生まれた二人の男女、つまり王女と王子が許されない恋に落ちて、最後、相打ちで死んでしまい、皆が悲しみ、争いをやめようとなり戦争が終わったとかいう。
「……えっと」
「レイリアだと君の妹のユーリアも言ってくれた!」
レイリアと呼びかけたらそうだといったとか、あの演技派の妹ならそれくらいやります。
でもそれを言っても多分否定されるでしょう。
「だから幸い、君とユーリアは姉妹だ。姉妹を入れ替えて婚約者を……」
「……それは非常識です」
殿下は頭はお花畑ですが、眉目秀麗、知性もあり、ロマンチストなところ以外は満点な人でした。
「悪いが、もう決めてきた!」
「陛下はお許しになりません」
「僕が次の王だ、僕の言うことに従ってもらう!」
私は無理やり婚約を破棄されて、妹がその座につくことになったのです。
目の前でいちゃいちゃされて、あの時はどうだったとかこうだったとか前世の話をされるのは苦痛でした。
誰もがお話になったあの伝説は知ってますわ、その知っている範囲で前世のお話をされても証拠にもなりません。
妹は昔から調子を合わせるのがうまく、両親にも愛されていました。
というより、お姉ちゃんだから大目にみろという圧力に徹し、とうとうリアリストになった私はかわいくないということのなったのです。
妹が、お母様の髪飾りを壊したのはお前がきちんと見ていなかったからだと怒られたのは理不尽でした……。妹の面倒を見るために生まれてきたのではないです。
私は運命の相手とやらが大切なら、考えがありますわよと復讐の計画を練ることにしたのです。
「レオン様、レオン様、レイリアですわ。ほらほら、レイリアの証のほくろが首筋にあります!」
「違います。私がレイリアですわ。ほら、レイリアのように美しい声であなたに愛をうたいます!」
「レオン様、違います私がレイリアですわ!」
婚約式に押し掛けた数十人のお嬢さんたちを見て、皆が驚いています。
私は「レイリアの生まれ変わりを王太子殿下が探していて、妹は生まれ変わりじゃなさそうなのですが」ということをお茶会で言っただけです。
というかレイリアの生まれ変わりというお嬢さんがこれほど現れるとは意外でした。
生まれ変わりの証明ってレイリアと呼びかけたらはいと答えたのがそうなら、皆が私もレイリアの生まれ変わり認定をしてもらえるかもって思うようですというか、私がそう誘導したのですがね。
おとぎ話は皆が知ってますから、ふふ、レイリアである証拠はいくらでも捏造できますわ。
混乱に満ちた婚約式、陛下が生まれ変わりなどと聞いていたらばかばかしいと怒りだし、式を中止すると怒鳴りました。
あ、この混乱を招いたことに陛下はご立腹で、婚約はいったん破棄、生まれ変わりの証明を完全にできなければ、婚約者として認めないと言ったのです。
ええ。誰もかれも生まれ変わりといいましたが、結局誰も完全な生まれ変わりと認定されず、殿下のおバカ加減に怒った陛下が殿下を廃嫡し、妹は婚約を破棄されて、生まれ変わりを騙ったということで辺境送りになりました。
私があの運命の相手やらなんとかこうとかのくだりを話したのですけどね…妹の根性の悪さとともに。
私は次の王太子となった第二王子と婚約し、運命の相手でなくても平和に過ごせそうなのでこれでよかったと安堵していました。
相変わらず、レイリア様の生まれ変わりは現れていませんわ。
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