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異界の師、弟子の世界に転生する  作者: 猫狐
一章 幼少期編
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鑑定の儀

「レテ〜お昼ご飯よ!今日はパパも帰ってきてるから一緒に食べましょう!」

「わかったー!」


ベッドの上でごろごろしていると、昼飯のお声がかかった。父は普段軍隊という、いわばイシュリアやその周辺の村や街を見歩き、守る部隊に所属していて帰ってくることはほぼない。今日帰ってきたのは自分が誕生日だからだろう。


「そうだ、三歳になったんだからレテも鑑定の儀を受けられるな」

「もうあなたったら……先にご飯食べましょ?冷めちゃうわよ?」

「それもそうか!この話はまた後でにしよう!それじゃあ頂きます!」

「「頂きます!」」


そうしてモグモグとご飯を食べ続ける。時折帰ってくる父は母のご飯が本当に好きなようで、終始美味い、これは絶品、流石俺の嫁だとべた褒めしていた。最後は惚気の塊な気がしなくもないが、母親は嬉しそうだったので家庭内環境は良い感じだ。

三人食べ終わり、母が食器を洗いに行っている途中に父が先程の鑑定の儀の説明をしてくれる。


「レテ、鑑定の儀って言うのはな。自分が何が得意かを鑑定してくれる儀式のことだ。

例えばこの世界には魔法があるが、どの属性が得意なのか。どの系統が得意か……お父さんなら属性を武器に付ける付与系統の魔法だな。

付与の他にも魔法の範囲を大きくする広域化系統や逆に小さくして威力を底上げしたり、物凄い速さで飛ばせるようになる収縮系統。

魔法が得意じゃない子も特定の武具の扱いに長けている系統の子が出ることもある。

後はごく稀にだが、本人が産まれ持つ才能として特異能力が出てくることもあるらしいが……父さんは無かったよ。あっはっは!」


なるほど。つまり自分がこの前出した盾や恐らく出せる剣はこの特異能力に当たるのだろう。だから魔力の消費が少なかったのだ。


「さて!そろそろ行こうか!」

「私はお留守番してるから、帰ったら結果を聞かせてね〜」


スっと笑いながら立ち上がる父にほんわかと微笑む母。やはりここはいい家庭だ。すぐに外行きの服に着替えると、教会へ向かった。



「いらっしゃいませ。今日は……おや、お子様ですね。ということは鑑定の儀ですか?」


教会へ着くと、シスターがにっこりと笑う。

教会では鑑定の儀の他にも神への祈りやイシュリア様へのお手紙……なお内容は確認されるらしい、を届ける役割をしていたり、傷を治すために回復を担う場所である。女王にご意見箱が気軽に出来るのはなかなか凄いな、と思った。


「さて、では鑑定の儀を始めましょうか。えーっと……」

「レテ、うちの子はレテって言うんだ」

「良い名前ですね。ではレテ君。こちらへ」


そう言うとシスターに手招きされた方へと向かう。初めての事なのでドキドキだ。

どこか神秘的な雰囲気の部屋に入ると、中には四角の水晶が置かれていた。


「その水晶に手を当ててみて。それで貴方の適性が分かるわ」


言われたとおり、手を当ててみる。そうすると水晶は様々な色を示した後、まずは薄緑の色を示した。


「様々な色を示したという事は、様々な属性の魔法が使えるようです。特に、風属性が強いようですね。そのまま手を当て続けてください」


そのまま手を当て続けると、今度は水晶にノイズが走ったように光る。そしてそこにはこの国の文字で「顕現」と書いてあった。


「珍しいですね。顕現系統は自分の魔力を消費して、何かを顕現する事を得意とする系統です。それでは最後に特異能力があるかを確認します」


そう言うとシスターも側面に手を当て、魔力が流れる感覚がした。ドクン、と自分の心臓が鼓動した後、水晶に文字が表示される。



『愛』



「愛……?様々な特異能力を見てきましたが、こんな抽象的なものは初めてですね。他の方は精霊召喚など、わかりやすいものが多いのですが……」


シスターは混乱しているようだったが、自分は落ち着いていた。

なるほど。『愛』か。どうやら前世と同じ能力を引き継いだことで確定らしい。


「……はい、これで鑑定は終わりです。ではお父様に知らせに行きましょうか」


またシスターに手を引っ張られ、自分は水晶の部屋を出た。

まだ分からない事があると思いますが、今後詳しく出てくるので大丈夫です。この話を読んで下さりありがとうございます。

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