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異界の師、弟子の世界に転生する  作者: 猫狐
一章 幼少期編
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学習

あれから月日は経ち、自分は三歳になった。どうやら前の世界と同じく、十二ヶ月、三百六十五日で構成されているらしい。分かりやすくて助かる。

三歳になるまでの自分といえば、意識はあるもののすぐに眠たくなるわロクに動くことも出来ないわ、という事でまずは身体の中に魔力があるのかを確認した。


魔力とは前世でも振るっていた武器の基礎。魔法を使う時に必須となるモノだ。これが無ければ自分はどうしようかと少し考えたが、それは杞憂に終わった。

今でも身体のお腹に意識を向ければ満腹感とは違う何かが渦巻いているのが分かる。


試しに深夜に右手を伸ばし、魔力を込めてみれば前世と同じ白い盾が顕現した。

魔力は使えば鍛えられ、その総量や何かを行使する時に使う魔力が減る。ちなみにさっき出した盾はほぼゼロに近いのだが、これは自分の能力がそのまま受け継がれた特典なのだと無理やり納得させた。


次に言葉だ。幸いと言うべきなのか、これも前世に使っていたものと発音は変わらずにいた。

しかし文字の形態は違うようで、母親に絵本を初めて読んでもらった時の衝撃といったら凄かった。なぜ発音が同じなのに文字は違うのだと。それからは必死に絵本をせがんだり、子供向けの小説をこっそり読んだりして文字を覚えていった。


そんな三歳の誕生日、窓からぼーっと外を見渡す。

子供向けの絵本に書いてあった知識を元に、ふと物思いにふける。


(……はるか昔、イシュリア皇国は女王イシュリアの元設立され、同時に今の首都の名前となっている。イシュリアとその横にいる守護者は絶対的な力の持ち主であり、その力で国や異界からの侵略を踏み倒した)


ぐるりと窓から首を出して見渡すと、煌びやかでは無いものの白く整えられた街。そう、産まれたのはその首都「イシュリア」だった。

と言っても都の真ん中の富豪様という訳ではなく、普通の家庭らしく住宅街の一角である。


(いつかは外を自由に歩けるようになったら色んなところを探検しに行こう……って、んん?)


そんなことを考えていると何やら路地裏の方から泣きながら走ってくる女の子とそれをニヤニヤしながら追いかける男の子三人が見えた。自分よりも年上……いや、元の年齢的には年下なのだが今は年上だ。ともかくその人が所謂イジメにあっているのを早々に見過ごすほど人として腐ってはいない。しかし対面に出ることも出来ない。となれば手段は一つ。魔法である。


自分が出した盾は恐らくこのイシュリアでは異端と呼ばれても仕方の無い、いわば能力に近い。

この世界における魔法とは、炎や風、水や土などの力を行使するのが一般的であるからである。そう読んだ小説に書いてあった。

なので自分は風の魔法を使う。手っ取り早いのが良いだろう。

三本の指に風を素早く収縮させ、追っている方の男子三人に発射する。


「へぶっ!?」


威力は加減したつもりだが、頭にバチンと命中したそれは仰け反り、尻もちを付かせるには十分だった。それに繋げて、掌を広げて風の範囲を少しだけ広げて、追いかけられてた女の子も範囲に入れて声を出す。


『次は殺す』


そう言って最後に手を大雑把に振って強風を起こす。それで四人とも怯えてしまったのか、女の子と男の子三人は散っていった。

……これ、自分がトラウマ植え付けてないだろうか。そんな心配をしながら窓から首を出すのをやめて、ベッドにゴロリと転がった。

正直見切り発車なのでストック等はありません、毎日コツコツと考えて書いていますので御容赦ください。

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