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異界の師、弟子の世界に転生する  作者: 猫狐
二章 学院編
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授業の開始

「では今日から本格的に授業を始めるぞぉ!何かわからない事があったらすぐに聞くんだからなぁ!」


そう言ってスイロウ先生が授業を始める。

まずは魔法の基本。属性の話から始まる。


「魔法は基礎的な属性に、火、水、土、風がある。この前の対抗戦の前の決闘でレテ君が見せた砂嵐。あれは土と風の混合魔法である。このように一つの属性で使うものもあれば、知恵次第でこうやって混合魔法を使えるようにもなるから、是非図書室で本を読んで欲しいぞ。

それと例外な属性がふたつある。それは光属性と闇属性だ。それぞれ、得意な生徒がいるな。一応光から説明してもらって、先生が補足しよう。ではレンター君。光属性とは何かね?」


そう名指しされたレンターは静かに語る。


「光属性とは、その文字と言葉通り光を操ります。ただし基礎の四属性と違い、光に直接的な攻撃力はありません。ですが光と炎を合わせる事で目くらましと攻撃を成立させる、言わば補助的な属性だと思います」


そう説明すると、ぱちぱちと先生が拍手をする。


「その通り。光とは目を通して何かを与える属性で直接的な攻撃力は無い。だけれども、他の属性と組み合わせることによりその属性の効果を引き出したり、目くらまし、他にも色々な事が出来るぞ。では闇属性とは何かな?ミトロ君」


次に名指しされたミトロは眼鏡を正すと、ゆっくりと話す。


「闇属性も基本的に補助的な役割と考えています。ですが、光属性と決定的に違うのは、光が空間に溢れているその事に作用すること、つまり目に映る前提の補助に対し闇は目に映らなくても補助が可能な所です。

例えば光で目くらましをした時、光は一瞬届き目を瞑らせるのに対し、闇属性は暗闇を用いる事で継続的な目くらましが可能です。また、その闇という恐怖を与える性質から、他の魔法に対して威力をあげる効果も高く、その力に飲み込まれないことも重要だと思います」


そう言い終わると、ふぅと息をつく。その言葉にぱちぱちと先生は拍手を送る。


「その通り。闇も光も補助的な役割は変わらないが、補助の仕方が違ってくる。また光と闇に関しては専門の魔法も開発されるほどで、そのコントロールも中々難しい。慣れるまでには時間がかかることだろう。……さて、では次に行こう」


レテはその言葉を聞きながら、ふと外から違和感を覚えてそちらを見る。

空間に何かいる。というか、歪んで見える。つい今出てきた光魔法だ。


「すみません、御手洗に……」

「おぉレテ君、早く戻ってくるのだぞ」


そう言うとそそくさと教室を出て屋上に向かい、門を繋げる。門は光を伝って闇と闇で空間を繋ぐ、言わば複合魔法だ。

先程見えた場所に門を設置し、そっと上から岩を落とす。


「……!?」


おお、見事に門に入った。門を閉じてドタっ、と出てきた謎の不審者にかかっているその光を解く。


「……暇人かお前は」

「師、師よ……岩を落とすとは酷くないですか……」


現れたのは、岩を無防備に受けてピクピクとするアグラタムであった。


「不安を与えない為に避けず、砕かなかった事は褒めよう。けどお前職務怠慢までして何しに来た。監視か?」

「い、いや……師がきちんと勉強しているかと……」

「お前がいる方が勉強出来ない。イシュリア様の護衛はどうした、ほら。門を繋ぐからとっとと帰れ」

「……はい」


以前行ったイシュリアの私室まで門を繋ぐと、そのまま風を足に纏わて回し蹴りで門に蹴り込む。

ゴールイン。痛いと言いながらすっ飛んで行った。

門を閉じると、教室へと戻った。


「……では、光と闇も既に使いこなせそうだと?」

「はい。……正直、門を開ける時点でそうだとは思いましたがまさか擬態までバレるとは思いませんでした」


イシュリアの私室にて、アグラタムは報告をしていた。痛そうに尻を摩りながら。


「……抑止力。異界からの侵攻も暫く見ていません。彼はその抑止力たると思いますか?」

「はい。師ならば身体が大人よりも幼くとも、その技術と魔力で護れるでしょう」

「そうですか……」


ふぅ、とイシュリアは息を吐く。


「何も起きなければ良いのですが……こういう悪い予感は当たるものです」

「……えぇ。強すぎる魔力に異界の者達が惹かれるかもしれませんね」

いつも読んでくださりありがとうございます!

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