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君が代

作者: 薩摩の人


『微睡みの夢の世界の愉しさよ

君が余にして千代に八千代に』

           薩摩の人


時は令和の黎明期


余は眠りに眠って夢を四話くらい見た。


何故か自分好みの綺麗可愛い若い女が出ていたようで幸せであった。


現実世界の辛辣さよ


このギャップよ


敬愛する大伯父の良くない知らせと同時に地震とは


軽く眩暈を覚ゆ


大伯父の手術は五月連休明けの予定


なんという折の悪さよ


まだ鹿児島は比較的感染確認者が少ない というのが救い


早いほうがいいだろう


この話は今流行りの動画配信者の方の受け売りである


未来の世界


脳が電子情報管理下におかれる未来になるやもしれぬとな


その入り口がマイナンバー制度であり


マイクロチップとな


身体が朽ちても


脳のデータが例えば機械の身体に遷される


余は生身のまま人生を終えたい


という気持ちもあるし


どうせなら長生き出来るだけ長生きして


この世の成り行きを見届けたい


という思いもある


余は歴史学を学んだ端くれ


だからこそ哉


一族一等の知恵者


として存在したい欲もある


学歴や社会的地位が上の親族など 余なぞ序列的には最底辺の末端者であるが


一寸法師の志向もあなどる莫れ


末代になることが濃厚だけれども


遠縁の後世の者に


恐らく三百年以内には


余のような破天荒な知恵者が


先祖の「薩摩の人」またある時は「加治木の人」なる者の思想は如何なるものであったか?


と探る奇特な君も居るやもしれぬ


記録が無いので分からぬが


余の先祖がこのように記録を残したという情報は無い


祖父と叔母 くらいか


余もその一人


まあ島津家家老職の縁者ならば

島津文書に幾らかは記録もあろうが


最早そんな道楽をしておれる場合ではない故


もし己がルーツを辿る子孫が居るならば余の記録を見るがよい。


福岡大学歴史学科に


余が何故清の皇帝の裁判記録を研究したかも紙の媒体に残っておる筈である


簡単に言えば


中国が我が日本の敵対する時に備えるべき兵法を考察した。


異民族問題を突いて分裂を誘い

中国を弱体化せよ


これは中国がモンゴル等の異民族問題に対応した策と同様のものである


今回の疫病の争乱も


余の考察では無関係ではないようだ


元々この生物兵器は


台湾や香港等の独立・支配問題に密かに使われる予定ではなかったか?

というのが余の予想である


して予想外の何かが起こった


国を超えた勢力争い、派閥争いの最中であるかもしれぬ


人口削減計画の一環


との見方もある


まだ子細は判らぬ


さてこれもある流行りの動画配信者の方の受け売りであるが


これからは資本の時代ではなく


愛と心の時代になるという


個人的には貧乏であるが

貧乏性であるゆえ金があるわけではないが金には困っておらぬ


因みに博打は強かった


今はその博才が封じられており

正直なところ大きな収入源が絶たれ困ってもおり

一方で技能があるだけ、この鹿児島で博打と同様の金子を得る手段を持っておらぬので仕方なくやっておったので安堵しても居る


博打は沼で勝てど負けども

地獄行き


時と安らぎ


そして愛の貴重さといったら比べようがない


余の一族も蓄財はあったようだが

太平洋戦争に敗れ満州にて全ての財産と貴重な人物を亡くした


恐らく 令和の世も昭和と同様

いやそれ以上の事態になるやもしれぬ


経済は死に 財産を失うばかりか

ヘタをしたら一族根絶やし


もあり得るだろう


だからといって余は今は子供を作る余裕分はない


何人かの愛されし親族と協力し、ただ生き延びることを考えている


酒は飲まぬ 煙草は肺病にて絶煙


女は今は疫病の為買えぬ


不自由しておるがさすがに性慾の為には死ねんわ


もとより疑い深い故に天然物の女も居らぬ


居たら居で煩くて困る


昔そうであった


その一部は小説に書いたので暇なら見るがよい 文字通り他愛もない



といえば世の中の

天然物の女に不自由してるであろう男は絵空事

二次元 Vチューバーなるものにご執心の者どもも居る


他人の嗜好には文句は言うまいが

電子貨幣で一万やら五万やらひょいとお捻りを演者にくれてやる強者どもがおる


此れがなんとも度し難い


まさに差し詰め

強者どもの夢の過度



この先生業が立ち行かないどころか

住む家食べる物さえ事欠く可能性が高い筈であるから全く度し難き次第


余程財布の紐が弛いのか

脳天が弛いのか何れかであろう


今時点では未だ笑い事で済んで居る


このように絵空事の演者を愛することは叶うが


天然物の女から愛されることは恐らく

叶ってはおるまい


女に不自由している男もあまた存在しているという具合だ


実際に女が居るなら

服やら鞄やら靴やら化粧品やら

あるいは叙情的な旅館やらに金を出してやらねばならぬ世であるからにして


結婚すれば自動車だ、家だ


となる まあ他人事


そうでないご賢明な女史もあまた居られるだろうことを誤解なきよう断っておく


余は阿呆には違いないが時には頭は切れる時もある なはは


女から愛されたいと思うこともある


いや実は心層は毎日そう希望しておって


故に夢枕に好みの女が顕れるのかもしれぬ


誰しも自分を偽れぬ


ということだな


君が余と似たような容姿なら恐らく

若い時分には女には不自由すまい


されど加齢し賞味期限が切れる頃合いには天然物の鯛が釣れなくなるに違いないから覚悟しておくがよい


ちなみに釣った魚に餌をやった記憶が無い なはは


もしかしたらこれからは容姿や金が男の甲斐性の価値基準になっておった世が


一時的に相手の腹を満たす

つまり食糧を持つ男が女を得る自堕落が来るかもしれぬ


戦争中や戦後はそうであった記録がある


仏女がパンを求めて独兵に群がったそうな


貧すれば窮する


需要も変わる


これは昭和・平成生まれの人間の半生からはわかるまい


余は歴史から学んでおる故に



世の中には


知らぬほうが仏


という事実もある


フランス女の話ではない


余の従姉は


余と違って政治思想や歴史、世界情勢には無頓着な普通の主婦であるので

どこまで話してよいのか苦慮しておる


一般庶民には残酷な告知よ


ご主人は余の幼稚園の同級生で

和菓子職人である


仕事が減ったそうだ


今のところ 米と野菜には困っては居らぬ


米は知人 野菜は父親が作って居る


将来余が作る番になるかもしれぬ


生きておれば だが


食い物で女が釣れる時代がくれば

余にも再び女に不自由せぬ時代が来るかもしれぬ


だがそうならないことを願っている


恐らくそうまでなる過程に

大勢の人が不幸になる


余は他人の不幸を願わない


愛した女性の為に身を引いた人間だ


そして彼女は幸せな家庭を築いている


それだけは壊れないで欲しい


余はこのように一族郞党は勿論

学友 同級生 同僚 友人 知人からしてみれば浮き世離れした異端者である


笑う者も居よう 蔑む者も居よう


笑うならわらえばよい

嘲るなら嘲るがよい


余はこのように

三百年先のこと迄考えてこれを記して居る


凡人にこのような振舞いは気狂いか

気の毒な人間としか思うまい


だが余が非凡なる子孫よ


余が胸を見よ!


余が思想を学べ!


これが薩摩の人


加治木の人の生きざまよ!


此れが是なら学べばよい。


此れが非でも学べばよい。


余も君も 薩摩島津家槍指南役

俳人 山口誓子の末裔である


及ばずながら余の天賦の書才を以て此れを記す


人には人の役割がある


余は昭和・平成・令和での

余の役割を果たすまでよ


歴史を見よ

今を見よ

未来像を呈示し判断せよ


さすれば人は命ある限り

必ずや苦難を乗り越えるであろう


故に先祖が在り


余が在り


君が在る


君が代を


千代に八千代に

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