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時割れの双子  作者: 猫箱
9/53

2 ダイダラボッチ



―猫又―

尾の先が2つに割けた猫の妖。

普通の猫が百年生きると成る。

妖力はそれほど高くはないが、知能が高く様々な言語を操る。

また、ヒト型に化けることが可能。

修行を積むことでさらなる力を得ることができる。





「と、まあ、これが化け猫という妖なわけだけど…」

アケは読み上げた一枚の半紙をアカメの前に置いた。

「?」

アカメは書かれた絵を見て、首を傾げる。

彼らがいるのは、スイとアケの住処だ。

藁ぶき屋根に、5畳ほどの小さな部屋と小さな土間があるだけの慎ましい家。

火のついた囲炉裏の前で、アケは広げた紙と、猫を交互に見て眉をひそめる。

「あんまし似てねえな」

「?」

墨絵で書かれた猫又は、鋭く目を細め、牙をむき出しにして今にも獲物に飛びかからんとしている。毛は逆立ち、全身からどう猛さを表現していた。

反して目の前にちょこんと座るアカメは、見るからにまだ子猫で緊張感のカケラもない顔をしている。おまけに

「様々な言語どころか、猫語すら話せないじゃないときた」

アケはふう、と息を吐く。

どういうわけか、呼び名をもらっても、アカメは声をだせないままだった。

原因も分からず、アケはお手上げ状態だ。と

「まだ成りたてかもしれないわよ」

スイが後ろから、アケに抱き付くように顔を出した。

「成り立てって、どう見ても百年生きてるようには見えねえぞ?」

「そこはほら、なにか理由があるのかもね。

 現に尻尾が2つに割れているわけじゃない」

「まあ、そうだな」

ゆらゆらと左右に揺れる猫の黒いしっぽは、確かに先が2つに割れている。


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