表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正統なる叛逆者  作者: 太占@
29/36

霊長1

初投稿です。(錯乱)

 ◆◇ロロ視点(リンデバウム突入時)◆◇ 


 ラベ川での会戦にて敵軍を壊滅させた我々ダンメルク王国軍は、勢いそのままハノーファーの街とその周辺村落を落とし、2日前にリンデバウムを包囲。

 丸1日、兵を休ませた後、今から数時間程前に、夜闇に乗じて総攻撃を開始した。

 野戦での被害が大きかったためだろうか。

 市壁に見える兵は疎らで抵抗は薄く、城門の突破も容易であり、突入後、間もなくの内に残敵掃討戦へと移行した。


 「3人1組で家屋を洗え!追い詰められた鼠は猫を噛むぞ。ヘマするなよ!」


 アインス殿の指揮に従って、ティセリウス家の近衛隊は素早く動き始める。

 その流れるように組を作り散っていった様は、並々ならぬ訓練と、実戦での経験を覗わせ、ティセリウス家の精強さを物語る。


 これほど高い練度の兵ならば、いかなる戦術をも為し得るだろう。

 斜頚陣を組むことできるかもしれない。

 夢が広がるなぁ。


 今すぐにでも指揮を執りたいものだが、今は忍従の時。

 半ガリア共を利用してのし上がるまでの辛抱よ。


 ……ところで、今の指示に対して、我々はどう行動すれば良いのだろう?

 近衛達は予め組を決めていたようだが、臨時編入の我々は何も決めていない。

 リザと廻っても良いのだが、それは3人組の命令に反してしまう。


 公的には、私の主人はティセリウス家当主ではなくヘレナ伯であり、また、ヘレナ伯と我々以外の者は『ロロは国王に仕えている』と認識しているはず。 


 ……あぁ、あとミラ嬢もまた別の認識か。



 ともかく、大本の所属が違うため、微妙な線の命令違反は咎められないだろうが、無駄に反感を買う必要は無いので、現場責任者にお伺いを立てよう、ということだ。

 

 「ロロ君はお供と一緒に周ってくれ。下手に連携が取れない3人より、気楽な2人の方がやりやすいだろ?それに、お供の生尾人は中々強そうじゃないか」


 「フフンッ。褒めたって何も出ないのだぞ!」


 「了解いたしました。それでは」


 「ああ、ちょっと待ってくれ」


 背を向けて去ろうとしたところ、呼び止められる。


 「なんでしょうか?」


 「注意を忘れていた。王軍ではどうだったかは知らんが、我らティセリウス軍の近衛隊には軍規がある。まず、過度な略奪は禁止だ。全くとは言わんが、節度を持つように。次に、暴行も禁止する。逃げる民を追う暇があるなら、敵兵を追ってくれ。最後に、命令無き放火は……無駄か。もう、燃えている……」


 アインス殿の視線を追えば、そこには小さいながらも火柱があがっている。


 「南門の方ですな。担当の家は?」


 「わからん。あそこは小中の家の混成部隊だ。……まぁ、無駄に延焼させないでくれよ」


 「かしこまりました。以上で?」


 「うむ。では、健闘を祈る」


 「アインス殿も」


 私はリザと共に、逃げ惑う住民とダンメルク兵の入り乱れる市街へと駆けて行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ