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頭から水を被ったことはあるか?
「・・・・・平和とはなんだ・・・・・」
俺は、このいつの時代も雄大で無限にひろがり続ける空というものを眺めて呟いた。決して誰かに尋ねる訳でも答えを求めて言ったのではない。
―――ただの現実逃避である。
俺はこの世界で剣も弓も持たず遺跡を巡ることも魔法を極めことも物の売買もしない。ただどこのギルドも引き受けない頼み事を拾う。たとえそれがどんなことでもそれがギルドのモットーだ。そのせいか加入してくれる人もおらず、依頼といってもお使い、探し物、酷いときは密輸の片棒を担いだことだってあった。そこまでやっても豊かにならない仕事故そろそろギルド終いを考えていた時だった。
―――「私の過去を探してください」そんな内容の依頼が舞い込んできたのは