二話 アルとの出会い
できれ毎日更新したいですな。
……声が聞こえる。
「お…………い」
あれ？
「おー………ーい」
俺って死んだんじゃ…………？
「おーーーーい！！！」
「うわぁ！？」
急に耳元で響く叫び声に、思わず跳ね起きる。
「やっと起きたか…。全く、妾にこんな手間かけさせるなど失礼極まりないのじゃ」
耳に響き渡るのは、玉のような声。
その声の主の方へ顔をあげる。
其処にいたのは美少女だった。
腰まで伸びた白銀の髪。
目はぱっちりとし、誰が何処からどう見ても美少女だというであろうほど整った顔立ち。
全身を覆う黒のロングドレス。
その下から、たわわに実った胸が大きく主張し、ドレスを盛り上げている。
「なんじゃ？人のことをじろじろ見おって」
思わず視線が釘付けになっていたことに気づき、思わず視線をそらす。
しかしこの娘……まじでかわいいな。
まるで……
「二次元から出てきたみたいだ！」
「なんじゃ二次元とは？」
声に出てたぁ！
「いやぁ別に！あはははははははは！」
「どうしたのじゃ？急に笑い出しおって。まあよい」
そういうと彼女は俺の目の前に腰に手を当て立ち誇る。
身長は俺の肩ぐらいまでだな。
俺がだいたい１７５センチ位だから……
「１５０くらいか」
「なにがじゃ？」
「いやぁ別に！あはははははははは！」
「さっきから急に笑いだして、変な奴じゃのう。もしや、トラックに跳ねられたときに気が狂ってしまったのか？」
「失礼な！」
生前、女子と話すことはあまり無かったが、何時話しかけられても大丈夫なように、ちゃんととき○モで勉強済みだ。
よかった、ちゃんと話せてるな。、
「まあよい。では何故死んだはずのお主がまだ生きているのか説明してやろう」
「あ、やっぱり俺、まだ生きてるんすか？」
「いや。正確には生きてはおらん。しかし、生き返ることもできる」
生き返ることができる。
その言葉はいまの俺にとってこれ以上無い返答である。
何故なら……
「生き返ったら、姉と異世界で結婚することになった件の続きが見れるってことでしょう？」
「何を言っとるのか良くわからんが……元の世界に戻るのは無理じゃぞ」
「マジかーーーーーー！！」
勝手に期待する方が悪いのだろうが、一度上げられたぶん、落下距離も必然的に大きくなってしまう。
「さようなら……唯……有り難う……千鶴……忘れないよ……舞彩……」
因みにすべて、姉と異世界で結婚することになった件に出てくるキャラクターである。
「もー！話が進まないではないか！いいからだまって聞いておれ！」
涙目で天を仰ぐ俺を尻目に、彼女は続ける。
「お主はトラックに引かれて死んだ。間違いないな？」
こくり、と俺は頷く。
いま思い出しただけでも震えがしてくる。
あの痛み、あの暑さ、あの寒さ。
もう二度と経験したくないな。
「いいか、何故死んだはずのお主がまだ消滅しておらんのか。それは、妾がお主を選んだからじゃ」
「へ？」
意味がうまくつかめない俺に彼女は続ける。
「そういえば名を申しておらんかったな。妾の名はアル。フィザウルドの魔王にして、この世界で最強の生物である」
へ？
魔王？
なにいってんだこのひと？
しかもフィヨルドが何とかって。
まさかこの娘、
「デンパか！？」
「だから話が進まんから黙れといったであろう！」
彼女が怒りの声を上げた瞬間、紫のオーラのようなものが彼女の手に集まる。
「……愚者の言葉を奪え。封印」
何処からどう見ても、中二病としか思えない台詞を彼女が吐いたと思った瞬間、自らの異変に気づく。
「……………………………………」
声が出ないのだ。
喉がかすれてとかそんなレベルじゃない。
まるで肉体が声の出し方を忘れてしまったみたいに。
「ようやく静かになったな。では、続けるぞ」
混乱真っ最中の俺の事など気にも止めず、彼女は淡々と話を再開する。
「先刻からいっているように、妾は魔王である。しかし、強すぎるがゆえに退屈しておったのじゃ。だから妾は考えたのじゃ。弱い者に憑依して暮らせば、また刺激的な生活が遅れるのではないか？と」
アルの話を黙って聞き続ける。
まあ声なんて出せないのだが。
「そして、人間界を覗いてみれば丁度死んだ男が一人。どうじゃ？これは運命なのではないか？」
アルは続ける。
「どうじゃ？一緒にフィザウルドで暮らさぬか？まあ妾はこの姿のままいるわけにはいかんのだがな」
何故？とからだ全体を使って表現。
「刺激的な生活が欲しいのに、魔王だとバレては元も子もないいじゃろう？」
成る程ね。
何度も深く頷き、理解したことを表現。
「どうじゃ？妾の話に乗らんか？」
ここまでの話を総合して考える。
もしかして、これって……
異世界転生ってやつじゃないのーーーーー！？
基本的に学校から帰ってきてからしか書けないので、更新できない日が有るかもしれません。
尽力していきます。
