第45話 ステータスチェック
-- ジジッ……下記が貴方の適性クラスになります
-- ……リジェネレートソルジャー
-- ……ブーステッドサムライ
-- ……どちらかを選んでください……
リリィのラジオからクラスチェンジの選択が流れる。
リジェネレートソルジャーは僕の選択の時にもあったクラスだな。
属性は《肉体》で回復魔術が使える様になり、力も上がる万能系クラスだ。
ブーステッドサムライは……スマホのアプリの記録を探って調べる。
……あった、属性は《神経》で魔術で神経の反応を強化し、擬似的に加速された時間の中で戦えるようになるクラスか。
完全に攻撃特化系だな。
どちらも戦闘においては僕よりも強そうだ。
僕のクラス、テクノシャーマンは補助系で戦闘にはあまり向いて無さそうだからなぁ。
魔力そのものの扱いは得意だから、ダンジョンコア相手とは相性良さそうだが。
「うう……、どっち選べば良いにゃ?」
リリィはまだだるそうに寝そべっている。
「リジェネレートソルジャーは回復系で、ブーステッドサムライは戦闘特化系だよ」
「回復……、決めたにゃ」
リリィがラジオのボタンをいじるとラジオから魔方陣が浮き上がり……拡大しながら、10の魔方陣に分裂した。
魔方陣はリリィに重なり、足元から頭頂部までに均等に並ぶ。
そのまま光を強めながら、回転をし始めた。
「にゃっ!? にゃっ! にゃぁぁ!!」
リリィが苦しそうに唸る。
アレは僕も経験がある。
体内に溜め込んだ魔素を魔力へと変換しているのだ。
その際に、体の中に熱湯を流されたような激痛が走る。
可哀想だが代わって上げるわけにもいかないし、このまま見守るしかない。
「にゃ! にゃにゃ! にゃぁぁ!!」
リリィが苦しそうに頭を抱えて転げまわるが、幸い1分ほどで治まった。
「ぜいぜい……、終わったにゃ?」
「多分。他に痛いところとか無い?」
「んー、なんか気分が良くなったにゃ。……ほっ!」
両足を揃えて大きく振って、その反動で立ち上がった。
そのまま腕を振り回したり、足を揉んでみて様子を探っている。
「体調は良いんだけど、何か体が重いにゃ?
力があんまし入らないにゃ?」
「クラスチェンジしてレベルが下がったろうからね。仕方ないよ」
「下がった!? 聞いてないにゃー」
リリィが慌ててラジオをいじるが、無情にもレベル1だと伝えてくる。
ステータス
Name リリィ・パルテル
Age 16
Class リジェネレートソルジャー
Lv 1 (-30)
HP 300/300 (-450)[生命力]
MP 20/20 (+20)[魔力量]
Str 60 (-70)[筋力]
Vit 45 (-60)[耐久力]
Mag 10 (+10)[魔力制御力]
Dex 30 (-20)[器用さ]
Agi 75 (-80)[素早さ]
属性 《肉体》
使用魔術 肉体魔術
スキル
■ストレングスボディⅡ 《new!》
最大魔力量を半減する代わりにMag以外のステータスを5割り増しにする。
■ヒール 《new!》 MP消費 10
ケガを治したり、治癒力を促進する魔術。
「にゃー! 力が半減してるにゃぁぁ……」
リリィは落ち込んで座り込んでしまった。
「まぁまぁ、これで魔術を使える様になったんだし。
レベル上げは僕も手伝うから」
「うー……、あ! アルスのも見せるにゃ!
私のだけ見てずるいにゃよ?」
リリィが半眼で睨んでくるのに苦笑しながら、僕のステータスを表示する。
ステータス
Name アルス・クレート
Age 16
Class テクノシャーマン
Lv 20 (+5)
HP 980/980 (+220)[生命力]
MP 2000/2000 (+300)[魔力量]
Str 120 (+30)[筋力]
Vit 121 (+30)[耐久力]
Mag 242 (+60)[魔力制御力]
Dex 121 (+30)[器用さ]
Agi 121 (+30)[素早さ]
属性 《機械》
使用魔術 情報魔術
スキル
■アクセスⅡ 《new!》 MP消費 1~不明
魔力を電波のような波動に変えて放つ。
魔力に意思を乗せ、機械を操ることが出来る用になる。
アクセスⅠよりも高出力になった。
■テックブースト MP消費 20
魔力を機械に流し、強化させる。
強化する能力はそれぞれで異なり、機械によっては能力が拡張される。
■ショートサーキット MP消費 10
機械属性のスタン攻撃。
アクセスで魔力回線を繋げることで使用可能。
遠隔攻撃。
■フラグメントウォ-ル MP消費 20
魔力を固定化し壁とする。
元が実体の無い魔力なので堅牢さは低いが、同じく実体の薄い熱や電気、魔力などは完全に遮断できる。
■ノイズパルス 《new!》 MP消費 5
魔力波で相手の精神を揺さぶり攻撃する。
混乱、恐怖、不快といった状態異常を引き起こす。
「にゃぁ!? 魔力が桁違いすぎるにゃー!」
「ん? ああ、ようやく元に戻ったか」
「元に?」
「うん。昔、僕はポチに魔力の半分を渡したからやっと元の値まで戻ってきたんだ」
足元のポチを撫でる。
「わん!」
ポチも僕に擦り寄ってきた。
「それにしたって2000は多すぎにゃ! どうなってるにゃ?」
「……さぁ? 僕はクラスチェンジ前から魔力が多かったみたいだし、どうなってるんだろう?」
「クラスチェンジ前から? 私の場合、魔力は元々0にゃよ。
弟やお父ちゃんも一緒にゃ」
「そうなんだ。ポチはどう?」
「わん!」
ポチが吠えると僕のスマホにポチのデータが送られてきた。
ステータス
Name ポチ
Age 0
Class サイバードッグ
Lv 21 (+5)
HP 2550/2550 (+500)[生命力]
MP 150/150 (+25)[魔力量]
Str 300 (+50)[筋力]
Vit 450 (+75)[耐久力]
Mag 60 (+10)[魔力制御力]
Dex 150 (+25)[器用さ]
Agi 180 (+25)[素早さ]
属性 《機械》
使用魔術 機獣魔術
スキル
■バイオメタル
再生力の有る魔法金属。
魔力を使い、キズを治すことができる。
MP1をHP5に変換。
■ソードクロー MP消費 1
爪を剣の様に変化させる。
■お昼寝 《new!》 MP回復
寝ている間に普段の5倍の速度でMPが回復する。
「! ポチ君もおかしいにゃー!」
「ポチは元々こんな感じだよ? それでもやっぱ強いんだねぇ」
「わん!」
「ポチ君、めっちゃ怖いにゃ。仲良くするにゃ」
リリィが恐る恐るポチに手を伸ばす。
「わん!」
ポチがその手に頭を擦りつけた。
「よしよし……、にゃ。で、これからどうするにゃ?」
「一度上に戻らないと。これからの事も話し合わないといけないし」
「そうだにゃー。私も早くタルパに回復魔法使ってあげたいにゃ」
「じゃ、戻ろうか」
「にゃ!」
「わん!」
ダンジョンも攻略したし、地上に戻る。
壊された村のことも含めて、いろいろ考えないとなぁ……。
いつも読んでいただきありがとうございます。
今週の投稿はここまで、来週は中篇製作2回目(全4回予定)なので。
次の投稿は再来週の火曜日(8/16)になります。




