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第40話 ダンジョンボス戦1

 パワードスーツを着込み、準備は完了だ。

 ダンジョンの中へと入っていく。

 僕を先頭にポチ、リリィと続く。


「リリィ、さっきの打ち合わせ通りに」


「わかってるにゃ」

 リリィが背中のガソリンタンクを背負い直しながら頷いた。


 地下へと、暗い階段を静かに降りていく。

 パワードスーツには事前にアクセスとテックブーストを掛けてある。

 お陰でスーツが自分の体の様に感じられ、繊細な力配分で足音を立てないように階段を降りることが出来た。

 階段の踊り場から地下の様子を探る。

 通路は暗く静かでリザードマンたちはもう居ない。

 水処理施設であるプールの方は……遠くに見える2つの赤い光点。

 ダンジョンボスである巨大カエルの瞳の輝きが闇の中に映えるが、こちらを見えてるようには見えない。

 片手を上げ後ろの2人に合図をし、こっそりとプールの方へと近寄っていく。

 通路を抜け、ドアをくぐり、いくつものプールが並ぶエリアへと。

 プールは常に水が流れているようだ。

 湿気が多いのか、スーツの頭頂部のカメラに微細な水滴が付き、曇る。

 瞬きをすると、それに連動してカメラの保護フィルターが一瞬閉じて水滴を払った。

 視界はクリアになったが、その時足元でパシャン……と音が立つ。

 湿気が原因か、水溜りも出来ていたようだ。

 遠くに見える2つの光点が赤い軌跡を描きながらこちらへと向く。

 ……忍び足は終わりだ。


「アクセス!」

 地下の照明を全て点ける。

 急に明るくなった室内にびっくりしたか、巨大カエルの目が照明のある、上を向く。


「今だ!」

 一斉に走りこんだ。

 僕とポチはジグザグに走りながらカエルへと近づいていく。

 リリィは打ち合わせ通りに近くのポンプ機のような機械の後ろへと身を隠す。


 ジグザグに走りこんでくる僕とポチにカエルの目が左右に揺れる。

 どちらを狙うか悩んでいるようだ。

 悩んだ結果、僕へと向き、頬を膨らませる。

 足を止め、両足を肩幅に合わせ開きながら腰を落とす。

 息を止め、視線はカエルの口元へ、その時を待つ。


 ……カエルの頬の膨らみが止まり、張り詰める。

 カエルの口元へと集中、心臓の音がドクン!ドクン!……とうるさく感じた。


 ……カエルの口元は張り詰めるが……、動かない。

 体の力を抜き、その時に備える。

 極限の集中で時間が止まったように感じられるが、集音マイクが足元のプールでザー……っと流れる水音を捉えた。

 まるで拳銃の引き金を引き絞る音のように感じられる。


 ……

 空気が張り詰める。


 ……カエルの口元が僅かに開いた!

 即座に全身を捻り、右足で地面を思い切り蹴りつける!

 パワードスーツが力を倍化し、足元のコンクリートを砕く。

 足裏で爆発が起きたかのような反動が全身を左へと押し出し、ロケットのように飛んでいった!

 急加速する意識の中で慌ててブレーキ。

 もう片方の足が足元のコンクリートを削り、削れた塵が砂埃の様に舞っていく。


 それに一瞬遅れ、ドンッ!と地響きが鳴る。

 カエルの舌が僕の居た場所の地面を砕く!

 硬いコンクリートに直径30cm程の穴を穿ち、それでも勢いは消えず。

 舌の先がバウンドしながら奥へと飛んで行き、ビンッ!と舌が張り詰めたところで止まった。


「リリィ!」

 僕の呼びかけに応じて、リリィが隠れ場所から飛び出してきた。

 その手には中身の入ったタンクが。


「これでも喰らうにゃ!」

 舌の先端に向けタンクを投げつける。


 条件反射か、タンクが舌に触れた瞬間巻きつき。

 タンクを掴んで口の中へと勢い良く戻っていく。

 大口を開け、それを待ち受けるカエル。

 その口の中に向けて右手のショットガンを向ける。

 タンクが中に入り込んだ瞬間を狙って、引き金を引く。

 ドンッ!と銃声を響かせ、散弾が放たれる!

 ガソリンタンクを撃ち抜き、カエルの口内でボッ……と激しく火柱が立った。



ちょっと短いですが、残りは明日頑張ります。

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