第24話 外の世界
再開します。
またよろしくおねがいします。
変更点1つ
魔術ショートサーキットの効果を機械属性のスタン攻撃に変更します。
理由は名前と効果がかみ合ってないなーと思ったので。
効果は次の魔法に持ち越します。
よろしくおねがいします。
先に地上へと出た、ポチを追って僕も続く。
風が全身を撫でる。
緑が香る、新鮮な空気が肺を満たす。
核シェルターの地上ゲートを抜けた先は陽光の差す森だった。
昔の記憶と比べて、木々の背が低く数も減ったのかな?
木と木の間に間隔が空き、その合間に草が生い茂っていた。
記憶では前に通った時は草はあまり生えてなかったように思える。
木々の隙間から差し込む陽光が、草を育てたんだろうな。
深い森は枝葉に遮られ、地面にまで光が届かないから草花が育たないと聞いたことがある。
土は黒く湿り気がある。
植物が育つには良さそうだ。
記憶を頼りに藪をかき分けて行く。
確かこの先に……
森を抜け、開けた場所に出る。
目の前には砕かれた石畳、その隙間から生い茂る草に崩れた大聖堂。
地面はところどころ抉れている。
100年前の戦争の傷跡が癒されること無く、聖地とされていた場所に残されていた。
僕は熱心なオリンポス教徒という訳ではないが、今の世界では信仰は廃れているのだろうか?
それとも……
足元に注意しながら廃墟を調べる。
めぼしいものは無い、何らかの情報を得られれば良かったのだが。
残されているのはガレキと錆びたロザリオぐらい。
ここに向かったはずの、兄さんの足取りは途絶えた。
崩れた大聖堂を後にする。
参道の前まで行く。
山から見下ろした先には、地平線の向こうに建物の群れが見える。
まずはあそこを目指してみるか。
石畳で出来た参道も悲惨な状態だった。
ところどころ崩落しており、ポチと共に足元に注意しながら下りて行く。
慎重に進み、麓まで降りた頃には昼になっていた。
麓に立つ、屋根が一部崩れた小屋で一休みをする。
元は商店だろうか?
商品棚が置いてある。
荒らされたのか、商品は無いが。
底の深い皿にジュースを開け、ポチがしっぽを揺らしながら舐める。
僕もコークを飲む事にした。
疲れたというほどではないが、炭酸の刺激が気を紛らわせてくれる。
僕もポチも、30kgほどの荷物を背負って進んできたが、疲れはあまり無い。
レベルアップの影響だろう。
基礎体力が相当上がっているようだ。
ジュースを3本飲み、救急箱から取り出したビタミン剤も飲む。
お腹はタプタプだ。
ジュースはまだたくさんあるが、いつまでも持つわけではない。
早く人里を見つけないとな。
地平線の向こうのビル影目指して、進む。
山から離れるにつれ自然が減っていく。
木はまばらであまり見かけず、草も背丈が短く、土が露出している部分も増えてきた。
土の色も黒から茶褐色へと変わり、土から湿り気が無くなり乾いている。
地平線が広い。
以前なら、何処を通っても建物や木々の影で遮られ、地平線なんてよほど開けた地でなければ見えなかったろうに。
目に映るは背の低いガレキの山。
ひび割れたアスファルトの上には、ぶ厚い埃の様に乾いた砂が乗っていた。
何処もかしこも土埃に塗れ、物置の奥に忘れられた様な世界に胸が締め付けられる。
思わず、足が止まる。
「わん!」
ポチが頭をすり寄せてきた。
「…ありがとう」
ポチを撫でて、開きかけた心の隙間を埋める。
心新たに歩み行く。
しばらく進み、遠くに見えるビル影が大きくなってきたところで遠くから音が響いてきた。
進行先から土煙を上げ、4台のオフロード車がこちらへとやって来る。
ポチと顔を見合わせた。
まだ生きている人たちがいるようだ。
その場に留まり、待ち受けることにした。
短いですが、次の話も短いので夜中までにもう1話上げようと思います。




